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BEASTARS9巻75話(あらすじなし・ネタバレ感想)

●第75話/君の振り子時計で巻き戻して


ゴウヒン先生の仕事の手伝いをしているレゴシは裏市で怪しい大型肉食獣の後をつけるが運悪くシシ組の取引でルイ率いるシシ組たちに囲まれてしまう。
前話の終わり、やっと行方不明となっていたルイ先輩がシシ組のボスになっていた事実を知り驚愕し戸惑うレゴシを前にルイは冷静にタバコに火をつけ、冷ややかな視線を送る。
ルイはタバコも酒も肉も体が受け付けないのにボスとして虚勢を張りたいときだけこれみよがしにタバコを吸うんだよね。
この時も、ジュノちゃんがアジトに会いにきた時もわざわざタバコを吸って見せてる。

信じられないレゴシが口輪越しにルイの匂いを嗅いで確認をしてる時後ろ、暗めのトーンで潰されてるけどフリーがバチくそかっこいい。目の傷ないけど。
全身の毛を刈って見た目が変わっているためシシ組は目の前にいる不審者がかつてアジトにパンダと乗り込んできたオオカミだとは気付いていない…
動揺と恐怖と緊張感の中、それでもルイの安否が心配で心の中で必死にルイに自分だと気づいてくれと呼びかけるレゴシ……
今はシシ組に正体がバレる危険性があるのでとにかくその場を収めて逃げるのが先決……
なのにルイに会えた嬉しさで飛んでしまいそうなほどおしっぽブンブンしてしまうレゴシ。可愛い。レゴシお前は本当に…可愛いなレゴシ。
「…なんだ?こいつ」「なんでこの状況でしっぽ振ってやがんだ イカれてんのか」
正体不明の不審者の奇妙な行動のせいでドン引きしてるイブキさんとフリーも可愛い。
アホな後輩に呆れながらも笑わないよう咳払いしてるルイも可愛い。
きっとちょっと嬉しかったんだろうな、ルイ可愛い。
そして元気そうなルイ先輩に会えた嬉しさでおしっぽフルスロットルが止まらないレゴシ可愛い。
力込めて止めようとしても萎えることを考えても止めらないほどルイ先輩大好きでレゴシ可愛い。
萎えることが「来週のテスト範囲半分も勉強してない」も学生で可愛い。
「さっきから俺たちのボスにガンとばしてるのが気にいらねぇ」とレゴシにお怒りのドルフも可愛い。
シシ組舐めてんのか、の怒りではなく「俺たちのボスにガンとばしてる」怒りなの確実にドルフとルイの間にも絆を感じて嬉しい。
レゴシボコボコにされちゃったけど。

『学校で散々 正義と草食獣の味方ヅラをしてきたお前が 裏市で肉を買ってたのを 俺はもう見たんだ』
『俺に会えて嬉しいか? 千切れんばかりにしっぽを振るほど?』『俺がこの世で一番嫌いなのは お前みたいな嘘つきだよ』
レゴシだけは他の肉食獣と違うと信じていたからこそ前回裏市で肉を持った姿を見たショックは大きかった。
そのくせ今は自分に会えた喜びを抑えきれないのもルイからしたら真意がわからなくて苛立つよね。
あれだけ草食獣を守ると言っていたのに急な見た目の変貌も、草食獣の肉を食べた心境の変化もわからないし、ジュノちゃんと会った時はハルちゃんは無傷だったと言っていたけれどその後学園で何があったかわからないからハルちゃんの安否も不安だろうし、食肉を始めたレゴシにとって草食獣の自分が前と同じに映っているかもわからないし、いろんな不信感や感情が煮えたぎってしまうよね。

草食獣の味方ですという偽善の仮面を剥ぎ取るためにレゴシを食事に誘う。
シシ組の幹部はイブキさん、ミーゲル、ドルフ、フリーなんだね。
アガタは最年少だからわかるけど、最年長のサブとかイブキさんより年上のジンマ(41)はいない。
でもなんかわかる。サブは最年長だけどあんまり積極性がなさそうというより幹部とか肩書とか興味なさそうなイメージ。
口を隠してるからかな?ただ大きな傷の保護やファッションかもしれないけど無口で穏やかで目立つの苦手そう。「俺はいいよ」とか言いそう。あんな見た目だから下っ端からビビられそうだけど「サブさんまじでいい人っすよね」とか言われて好かれてそう。
食殺ビジネスを生業としてた反社組織の組員だけどね!
ジンマもイブキさん達に比べたら積極性はなさそうなサブに似た可愛らしいイメージを勝手に持ってしまってるんだよな…。
それもこれもお名前ありの初登場時にお目目きゅるきゅるでルイの煽りみたいな言葉に「ハハハ 意地悪言ってくれますね」って懐広めの可愛らしい返しをしてたジンマのせいなんだけど。
でもつぶらな黒目で可愛らしく愛嬌がある時と三白眼の点目で凄みのある怖い時のギャプがすごくてキャラが掴めないから愛嬌があって人の懐に入るのが上手く掌握術に長けてるけど元々シシ組の中でも手に負えないやばいタイプ説もある。
シシ組から見てもぶっ飛んでるところがあるから役職に就くのは危ないとされてるみたいな…実はメロンと似たタイプみたいな…あそこまで振り切ってなくて常識あるけど、みたいな。
でも別にそんなシーンは描かれてないし終始他のライオンたちとあまり違いはない大人の男感があるしシンプルに年齢は高めだけどシシ組に入るのが遅くて立場が下説が妥当でしょう。
まあ、あくまでシシ組は食殺ビジネスを生業としてた反社組織だけどね!
シシ組みんな魅力的で好きだし良いところ知ってるしルイを救って変えてくれた重要な存在だしルイにとっても大切な存在だしシシ組みんな大好きなんだけどだからと言って両手放しでみんな優しい!いい奴ら!かっこいい!可愛い!大好き!となるのは違うと思って度々己を「でも食殺ビジネスを生業としてた反社組織」と律している。
どんなに彼らのいい面を知っていてみんなを大好きでも彼らは食殺ビジネスを生業としてた反社組織だから悪いところは目を瞑って盲目に大好きいい奴らとするのはいけない。
多面性。良いところもあるけど悪いところももちろんある。
でもシシ組みんな大好きだよ。

シシ組幹部に囲まれてのお食事で名前、年、仕事など素性を訊かれるレゴシだけど「なんでさっきしっぽ振ってやがったんだ 気持ち悪かったぞ」とフリーだけ素直な感想と疑問なのなんか可愛い。
そんで「名前はハルオ…」と咄嗟に出た名前がレゴシのもじりじゃなくてハルちゃんなの可愛い。そんなに好きかよ。可愛い。

イブキさんがバーでジャックダニエルを頼んだからウイスキー、イブキさんとルイが2匹で食事してた回想シーンでイブキさんの元にビール、新生シシ組になって食事をしてた時はみんなワインだったね。
今回もドルフはビールでフリーはワイン、イブキさんとミーゲルは不明。
アジトが和風だから日本酒飲みそうなのに洋酒が好きかね君たちは。
お店の天井からライトのように虫籠が吊るされてて虫が中を飛んでいるのは生簀みたいな感覚なのかな?虫の踊り食いとかあるのかな。
堂々と食肉できる裏市では虫はスナック感覚なのかも。

草食獣の味方ヅラしてたレゴシが目の前のご馳走を貪る姿が見たいルイは険しい顔でテーブルを埋め尽くす肉料理を薦める。
肉の味を知ったと思い込んでるからここで性懲りも無く「ハルオ」とハルちゃんの名を名乗ったのも気に食わないんだろうな。
もちろん「食べられません」と断るレゴシ。
さっきまで「ドMのホストか‼︎お前ヘンな男だなぁ〜‼︎」とフリー特有の軽くて親しげに絡んでたのが一気に消えて「あ?」と凄むのめっちゃ良い。
ゆるくてチャラくてフレンドリーに見せかけてガンガンに闘争心の塊なフリーめっちゃ良い。
「申し訳ないですが… 自分は大ギツネです 油揚げしか食べられないんです」って嘘つくのも笹しか食べないゴウヒン先生を踏襲してるみたいでめっちゃ良い。
ゴウヒン先生も大好きかよ〜レゴシ〜こいつ〜こいつこいつめ〜〜

「ハハハ 理解できねぇな」「俺たちのボスはご覧の通り若くて美男でアカシカだが… 肉を好んで食されるぜ」
辛い。
イブキさんはルイが表では虚勢を張って食肉をしながら裏では肉を吐いて栄養ドリンクだけで過ごしていることを知っている。
そのルイの努力を知っているからこそ敬意を持って裏市の肉食獣にシシ組のボスの権威を
見せつけるために持ち出した話題だけど、レゴシの肉を食っている罪を暴くために用意した肉でルイ自身が共食いの罪を犯していることを知られることになってしまう。
辛い。ルイはよく頑張った。
この時レゴシの表情が見えないのが上手いな…翳るようなトーンもあってよりルイの行動にショックを受けてそうな演出だけど、きっと特に表情は変わってないんだろうな。
どんな理由があってシシ組にいるかは気になっているだろうけど食肉はあくまで処世術だとわかっているだろうから。
レゴシはそういうの気にしない子だから。

「…俺は少し席を外す」「オス」
イブキさんだからこれはルイが食べた肉を吐きに行く合図だと理解したんだろう。

裏市の反社組織のボスになって、忌み嫌ってた肉食獣のように草食獣の肉を共食いして、大型肉食獣でありながら体を丸めて平和主義を通してたレゴシを目の敵にしてたくせに大人や力に屈して大切なハルちゃんを見捨て、レゴシに見損なわれて殴られた時のように「前のように俺を殴れよ」と呟くルイを遠慮なく思い切り、しっぽを振りながら抱きしめるレゴシ。
ルイが思うような責める気持ちは一切なくただただレゴシにあるのは「生きていてくれて 本ッ当に… 良かったです」
ルイがどんな境遇でもどんなことをしていてもレゴシからしたらそんなことはどうでもよくて、憧れて尊敬してるルイ先輩と生きて会えたことがただただ嬉しい。
この時のルイの虚無感も惨めさも自己嫌悪も本性を見せないレゴシへの許せなさも痛いほど伝わってきてすごく辛かったからレゴシがただ純粋なルイ先輩大好きの思いをぶつけてくれて本当に良かった。
本来なら草食獣が大型肉食獣に覆い被さるように体を束縛されるのはとても恐ろしいものなんだろうしアンチ肉食獣のルイからしたら耐え難い屈辱だろうけど、肉の匂いがしないおしっぽぶんぶんなレゴシだから素直に信用できたんだろうな。
良かった。良かったね、ルイ。
レゴシはルイ先輩大好きすぎるかよ。


このレゴシのぶんぶん強振ってるしっぽで荒み切ったルイの心の気が抜けたのを「君の振り子時計で巻き戻して」と名付けるセンスよ…素晴らしすぎる

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