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胃拡張捻転症候群について

今回は、先日の食事のタイミングについて書いた記事でご紹介した『胃拡張捻転症候群』について解説していきたいと思います!!

最初に謝っておきます!!サムネイル画像を見てマチューの心配をしてくださった皆さん。ごめんなさい🙇‍♂️マチューは元気ですw

ウチでは胃拡張捻転症候群にならないように十分に気をつけています!ですので、紛らわしいサムネイルを使ってしまって本当に申し訳ありませんでしたm(_ _)m

という事で!!さっそく解説に入っていきます!!(←反省なしw)

1.胃拡張捻転症候群になったらどうなるの?

それでは病気の説明の前に、胃拡張捻転症候群になったらどうなってしまうのかを説明したいと思います。

この病気は急性疾患と言われる、急に発生する病気になります。急性疾患の特徴は急激に悪くなって、ちゃんと対応しないとそのまま死ぬ事もあるということです。

実際にこの病気での死亡率は15〜70%程とも言われているようです。放置されると24時間以内に死んでしまうとも言われています。例え初期の対応や手術が成功したとしても様々な後遺症が残る事がよくあります。

このように、胃拡張捻転症候群という病気は非常に恐ろしい病気なのです。

2.胃拡張捻転症候群って何??

それではそもそも胃拡張捻転症候群とはどういった病気なのでしょうか?そもそもこの病気は『胃拡張-捻転症候群』と表記される事もあり、そもそもが胃拡張と胃捻転という2つの病態が同時に発生している状態を言います。ですので『胃拡張・胃捻転』というように、別の物として表記される事もあります。特に胃拡張捻転症候群の場合は突然発生する急性の病気であるため、『急性胃拡張・胃捻転』と分けられるのが一般的かもしれません。

どんな表記をされているにしろ、急性の胃拡張と胃捻転が同時に発生している病気だと言う事を理解してもらえればと思います。

①急性胃拡張

それではまず急性胃拡張について解説します。急性胃拡張とは、急に胃が大きくなった状態の事を言います。

何で急に胃が大きくなるの!?

って思われるかもしれませんが、実は胃が大きくなるのは結構普通の生活でもあり得るんです。そもそも胃は拡張・収縮を繰り返して食べ物を入れたり出したりしています。つまり胃は大きくなるようになっているんです!もちろん病気で大きくなる事もありますので、胃が大きくなる代表的なものを紹介します。

・早食い(食べる時に空気も一緒に胃に入る)

・食べ過ぎ(食べた物が多ければ多い程胃も膨らむ)

・過剰なパンティング呼吸(空気が沢山胃に入る)

・胃の病気(腫瘍など)で胃の動きが抑制されている場合(病気により胃の収縮機能が抑制され拡張する事がある)

以上を見てもらうと、日常の普通だと思われている事がキッカケになってしまうかもしれないのがわかると思います。

②胃捻転


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(上記画像:コンパニオンアニマルの疾患学入門より引用)

捻転とは、広辞苑によると『ねじれて方向がかわること。』とあります。つまり胃捻転とは、胃がねじれて方向がかわることとなります。

食事をすると、食べ物は食道を通って胃に入ります。そして胃から十二指腸へと送られます。つまり胃がねじれるという事を想像すると、食道と十二指腸への道が塞がれる事がイメージできるのではないでしょうか?

この出入口が塞がれた胃の中には、食べ物や空気等が残った状態になります。つまり膨らんだまま縛られているような状態になります。

この捻れた状態でも胃は正常に働こうとするだ、胃液が出ます。胃液によって二酸化炭素も出ますし、食べ物が入っていれば発酵によるガスも出ます。胃は拡張する臓器なので、ドンドン大きくなっていきます。それこそ風船のようにパンパンに膨らみます。

この膨らんだ胃によって静脈や門脈のような血管が圧迫されて血流不足になったり、全身の血液が足りなくなることによるショックや障害が出てきます。

それ以外にも、胃と同じ腹腔という膜の中にある臓器(腸管や心臓、腎臓、膵臓などなど)に対するダメージは大きくなります。

つまり全身の血液が足りなくなれば、血液不足に陥った臓器は死んでいきます。命を取り留めたとしても、一度死んだ臓器は生き返らないので、様々な障害が残る事に繋がります。そして最悪の場合、死に繋がる事も想像できると思います。

この病気の悲惨さは理解いただけたと思います。しかし、この病気はならないようにコントロールできるものになります!!ですので是非対策法を知って病気にならないようにコントロールして欲しいと思います!!

3.対策法!!

①胃拡張を防ぐ!!

胃拡張捻転症候群を防ぐには、まず胃をできるだけ拡張しないようにすれば防ぐ事ができます。ここでもう1度胃拡張の原因を見ていきましょう。

・早食い

・食べ過ぎ

・過剰なパンティング呼吸

・胃の病気(腫瘍など)

このうち早食いや食べ過ぎは、食事の回数を数回に分けてあげたり、早食い防止の器を使う事で防ぐ事ができます。もちろん食事の興奮を抑える事でも防止できますので、是非対策してほしいと思います。早食い防止の器って最近では色んな形の物があって調べてみるのも楽しいですよ!ちなみに早食い防止用の器をご存知ない方もおられるようなので、参考までにリンク貼っておきますね!


また、パンティング呼吸は運動している時は仕方ないですが、室内の場合は空調管理で防ぐ事ができます。わが家では夏場は24時間冷房を入れっぱなしにしています。是非犬にとって暑すぎる事がないか今一度確認してもらえたらと思います。

②胃捻転を防ぐ!!

胃拡張の原因のうち、胃の病気になってしまった場合は、飼主側で拡張を防ぐ事はできません。なので、胃が捻転しないように気をつけてあげる必要があります。

捻転を防ぐ上で、最も気をつけてあげるべきなのは、激しい運動です。胃が拡張した状態で激しく動く事によって胃が動き、その動きによって胃が捻転してしまう事につながります。

これは病気以外でも同じ事が言えます。例えば食後の胃の中に食べ物がある胃は、健康な犬でも拡張しています。その状態で運動すると当然胃捻転を起こす可能性が出てきます。なので、食後に散歩する場合は20〜30分は時間を開けてから散歩するようにしてください。

どれだけ気をつけていたり、運動していなくても胃が捻転してしまう場合もあります。これは対策のしようがありませんので症状を知って、症状が出てしまった場合にはすぐに動物病院へ行く必要があります。という事で、胃拡張捻転症候群の症状についても解説していきます。

4.胃拡張捻転症候群の症状

症状は食後1〜4時間後くらいから出てくる事が多いです。症状としては

・お腹が硬く大きくなる

・元気消失

・悪心

・嘔吐しようとするが出ない

・よだれ

・お腹を触られるのを嫌がる

・舌が紫色になってくる

などなど、色々な症状が出てきます。これらの症状が出たときには、すぐに病院に連れて行ってあげるようにしてください。

5.まとめ

今回は胃拡張捻転症候群について解説しました!この病気は大型犬に多く発生しますが、わが家の愛犬『獅子丸』くんの犬種であるペキニーズもよく発生すると言われています。もちろんそれ以外の犬種で発生してもおかしくない病気になりますので、しっかりと対策を知って防いであげる事。どれだけ対策しても病気になってしまう事はある事なので、そのときにしっかり対応できるやうに症状を知っておくこと。この2つがとても大切になると思います。愛犬を守るのも飼主の責務ですので、愛犬のためにこれからも一緒に勉強していきましょう!!

という事で今後も愛犬のためになる情報を発信していきたいと思いますので、これからも応援よろしくお願いします!

最後まで読んでいただき ありがとうございます。 これからも一緒に わんちゃんの勉強できたら嬉しいです😊 もしサポートいただけましたら すべてわんちゃんのために活かしていきます!