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伝説の夜の夢を見続けて

2020年8月9日にそれは起きた。

テレビ番組「てぇてぇTV」での企画で配信中のVtuberにキズナアイが凸を行う旨のツイートがされたのだ。Vファンはもちろんのこと、配信中や配信予定だったVtuberも軒並み祭りの始まりに歓喜していた。そして凸待ち配信をたまたまこの日に予定していた天開司もその大波に乗ることに。

といったようにまさに
【*:,.:.,.キズナアイ歓迎:,.:.,.*】なムードで配信を開始した。

当然、数多いるVtuberの中で自分の配信に来るとは司本人も視聴者も思っていなかったであろう。    
 配信冒頭で軽く触れつつも、いつも通りの配信の雰囲気で時間は過ぎていった。
 1人目の凸者の暁月和音(あかつきなごね)さんとヨットで、2人目の凸者の天風白奈(あまかぜしろな)さんとボクシングで、3人目の道化アジャラ(どうけあじゃら)さんとはブラックジャックで対戦し、それぞれの凸者の面白さをうまく引き出して配信を盛り上げていた。

しかし、ここで転機が訪れる。

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第4凸者を迎える準備に入り、待機画面になった配信のコメント欄にてぇてぇTVのプロデューサーである"とりいP"が現れたのだ。ざわつくコメント欄の視聴者たち。そこから暫く待機画面が続き、ようやく画面が切り替わる。さっきまでと同じように凸者を司が呼び込むと・・・

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聞き覚えのある可愛らしい声で「おはクズっ!」と司の挨拶を携えキズナアイが現れたのだ。

「負けてたまるか先駆者に!こっちも盛り上げてきたんじゃVtuber業界!」

視聴者の熱も最高潮になり、いよいよアソビ大全を通して勝負が開始。しかし、ホッケーやベースボールで対決するも勝負がなかなかスッキリ決まらず、時間も押している中、分かりやすい勝ち負けを決めようという事でボクシングでの最終勝負に。ここでキズナアイは最後の勝負に賭ける意気込みを語り始めた。

「一応自分で言うのもあれだけどVtuberの先駆者とかよばれてまして」
「4歳でして自分」

と、この後に話を続けようとするが焦りからかうまく纏まらず、時間の都合上そのままボクシングが開始した。全容が定かではないので断定となってしまうが、言うなれば経歴と年数を掲げた実力の誇示とも取れるこの発言は天開司の闘争心に火をつけたのであろう。売り言葉に買い言葉。ゲーム開始後すぐに出たその一言には色々な想いが乗っていたのだと思う。

負けてたまるか先駆者に!こっちも盛り上げてきたんじゃVtuber業界!」

あの頃のVtuberが好きでここにいるから

私がこの世界に夢と期待をもって見続けているのはあの伝説の凸待ち配信に代表されるように全てがバラバラで、かつひとつであったVtuberの世界がなにより魅力的に思えたからだ。
人気も、性別も、やりたいことも、全然違うやつらが同じ世界にいて、笑いあい切磋琢磨しあうということは夢のようであり、たとえ相手がキズナアイだろうとそれは変わらないのだ。
誰しもが仲間で、誰しもがライバルの厳しくも楽しい世界が今でも生き続けていることが何より嬉しく、そこにあの夢のような夜の続きを見た気がした。天開司を追い続けてきて本当に良かったと心からそう思った。

蛇足

最後に、今のVtuberの世界に文句を言いたいだとか、変わってしまったことへの不満がこの記事の前提にないことだけはどうか伝わってほしい。
大きく大きく広がったVtuberの世界で企業V・個人Vに限らず、ファンも含めたあの夜に思いを馳せるすべての人に、あの夜の残滓は彼の胸に燃え続けていることが届いてほしいと切に思うだけなのだ。そんなワガママな1人のファンとして、これからも彼の活動を楽しみながら応援していきたい。





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