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#76 東京ドームにて野球を観る。そして人を辞める。
野球には夢がある。野球場には、夢がある。今春開催され、世界中を湧かしたWBCがそれを証明した。母国の威信をかけて戦う選手たちと、彼らの力になろうと声援を送ったファン、それぞれの目が美しく輝いていた。
何も持ち得ず、何者でもない私は、そんな宝のような輝きを求めて、東京は後楽園、東京ドームへ向かった。
「高校の同級生が試合に出るかもしれんから観に行こうや」と、友人の誘いがあったので久方ぶりの野
#75 フレンチウイスキー「ベルヴォア」を飲んでみたハナシ
先日、ワインの試飲会に行ってきました。本来行く予定ではなかったのですが「お前行ってこいよ」という、古き良きヤンキーイズムの延長のようなお言葉に甘えて参加させて頂きました。
と言うのも、今回の試飲会ではあまり飲む機会のないウイスキーも出るらしく、ウイスキー好きの私に気を遣って頂いたという経緯があってのです。
そんなこんなでお目当てのウイスキーというのが、フランスの「ベルヴォア」。
フラン
#74 未完の名作「いつか、淡色の空の下」について
世の中には無数のマンガが存在する。我々読者の目に留まる作品なんて、まさに氷山の一角でしかない。そして、目には見えない海中には、恐らく一生を使っても読み切れないほどの作品がわんさかわんさかあるのだろう。その事実に、我々は希望と絶望を共に味わうことになる。
そしてまだ見ぬ作品群の中には、なぜこれが多くの人々の目に留まり評価されないのかという名作がある。この場合の評価というのは、前提としていわゆる
#69 シノヘぼっちの東京回遊録〜九段下〜
今回シノヘが訪れたのは、シノヘ青春の地・九段下。大学4年間を過ごしたキャンパスと、多くの友人と出会った思い出のある街だ。
もともとこの地には、九段の階段からなる徒歩でしか移動できない道があり、これを九段坂と呼び、その名残が地名もとい駅名となっている。江戸時代から明治にかけて花街や教育機関の集まる街として栄え、現在は靖国神社や日本武道館が近く、主要幹線道路の通る都内きってのオフィス街として有名