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妄想随筆集

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その名の通り時々妄想が入る随筆集
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#看護師

泣きの一杯。

赤羽といえば都内随一の飲み屋街である。 通称「センベロ」:1000円ほどの料金でベロベロに酔えるお店のこと。 財布のガマ口がより厳しい時代にありがたい料金設定である。 もう何年も前の話、大学時代の旧友4人で赤羽のスナックに行って人生相談でもしてみようと計画。 20代半ばで皆が藻掻き苦しんでいた頃、なんとかして人生のヒントが聞けないかと画策して、勇気を振り絞りその昭和感たっぷりな重い扉を開けた。 薄暗い店内にはバブルを思い出すシャンデリアに壁一面の名札付きボトルキープ