僕には作家性がない。だが、それで良い。
僕には「作家性」というものがないなぁ、と思う。
「クリエイター」を名乗ってはいるし、今もものづくりに関わるような仕事をしているけど。
このnoteを書こうと思ったきっかけはこの文章です。
なるほど、と思い自分の経歴や考え方を振り返りながら、発見があったのでまとめていきます。
そもそも「作家」とは
今回のnoteで言う「作家」とは、以下のような人のこと言います。
つまり、ゼロからイチを生み出す人。「世界観」を持っている人。
だと思っています。
まさに作り手、クリエイターです。
それに対して、「作家ではない人」とは何か。
つまり、自分の世界観を持たず、素材を拾ってきてはそれを編集し、あらゆる手段で伝える人。
そう、「作家性」があるかないかは、「世界観」の有無なのです。
それを踏まえて、僕には作家性がない。
以上を踏まえて、改めて自分のことを考えてみると、
やっぱり「作家性」はないな。うん、ない。
特にこれといった強烈でオリジナリティ溢れる世界観やメッセージなんてものは持ち合わせていないし、持ちたいとも思わないです。
例えば、僕はよくイラストを描きます。
その手順はこんな感じ。
PinterestやInstagramで資料を探す
「なにこれ可愛い!!」という資料を見つける
みんなに伝えたくなる
その資料をもとに、人物のイラストを描いていく
ポーズを少し変えてみたり、髪型を変えてみたり、配色をポップにしてみたり、とにかくアレンジを加える
出来上がったイラストをSNSに流す
こんな感じで、常に「ネタ探し」をして、それを「編集=アレンジ」して世に送り出しているだけなのです。
なので、アーティストなんて大層な肩書きは名乗れないと思っています。
というか、違う気がする。
もちろん、多くのイラストレーターさんも資料を探して、それをもとに描いたりするんでしょうけど、その人なりの世界観に落とし込んで一貫してますよね。
僕は絵柄も割としょっちゅう変わります。
素材によるし、頼まれたりしたらそれに応じた描き方もします。
とにかく自分が良いと思った素材(ネタ)をみんなにシェアしたいだけなんです。
「作家」はすごい。
なので「世界観」を持っている「作家」もといアーティストさんは本当にすごいです。
伝えたいことが一貫してあるし、やりたいことが絞られているし、ブレない。
自分の表現したいものが決まっていて、それをあらゆるインプットを通して、自分だけの表現にしてアウトプットしている。
これは大半の人ができないことだと思います。
SNSが普及してかなり経ち、ものづくりをする人が増えた気がします。
それでも、「世界観」を持って発信できている人はごくわずかだと思います。
これからのクリエイターの在り方はどうなるんだろう?
これから、というか昔からだと思いますが、
クリエイターは2種類に分かれると思います。
「世界観」をもつアーティストのようなクリエイター。
「世界観」を持たない編集者のようなクリエイター。
どっちがすごいとか、えらいとかではなくて、単純にこの違いがより明確になってくると思います。
例えば、自分で音楽を作ってそれを売っていくバンド、素敵なイラストを売っていくイラストレーターなんかは「世界観」を持つアーティストですよね。
その一方、僕は自分の外側の世界でひたすらネタを探して、自分にできそうな手段で加工してシェアしていく。「世界観」を持たないクリエイターです。
この2つの存在が共存し、互いに刺激しあって色々なものが出来上がっていく…。
多分、そんな感じで世の中に様々な創作物が送り出されているんでしょうね。
僕はどうしていくか
そういうわけで、僕はこれからどうしていくか。
答えは「世界観」を無理に持たず、ものづくりに関わって生きていく。です。
はじめこそ、アーティスト的な存在に憧れていましたが、
今振り返ると、自分がやっていたことは幼い頃からネタ探しとその加工、シェアだったんだなぁと思います。
その手段として、イラスト、ライティング、ディレクションがあって、
僕はそれを使って色んなネタを広めているだけ。
でもそれが楽しいし、上手くハマると心地良いです。
なので、今はライター・編集者の仕事をしています。
楽しくやれています。
プロフィールに「クリエイター」を書いたままでいるか悩みどころですが、
自分の在り方も「クリエイター」のひとつだと思う気持ちもあるので、とりあえずはこのままで。
ちなみにこれも、冒頭で引用した『書く仕事がしたい』という本の一文をネタにして服らませたものです。
全く僕の「世界観」の影すらありません。
ただ、そういう形でクリエイターをやっていく方法もあるんだよ、というお話でした。
(あんまり綺麗にまとまりませんでした。)
自分の生み出したもので生きていきたい。幼い頃からそう想って今も生きています。これからも創ることが喜びでいられるように、いただいたお金を使おうと思います。