椎玖あかり

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  • 【創作BL】年下わんこと拗らせ愛

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【創作BL】年下わんこと拗らせ愛 第三章

 よもやキスをするかもという状況は、玲於の盛大な腹の音で終幕を迎えた。考えてみれば玲於の家から千景の家に移動する間食事休憩というものを取っていなかった。本来ならば玲於が入浴中に食事の支度をしようと千景は考えていたが、玲於が共に入浴する事を望んだ為それも叶わなかった。  千景は十年越しに可愛い従弟、玲於からの告白を受けた。前後の状況を鑑みればその想いは親愛に収まる程度のものではないのだろう。そんな空気を素直な空腹に邪魔をされ、腹を抱えて浴室を出た千景は腹を空かせて出てくるであろ

    • 【創作BL】年下わんこと拗らせ愛 第二章

      「レオ、俺の家に着いたら最初にやることは分かるな?」 「え、っと……お、お邪魔します……?」  先に玄関に上がった千景は仁王立ちで玲於を迎える。家の下まで車で二人を送ってくれた竜之介は何か困ったことがあればいつでも連絡をして来いと残して帰路に着いた。玲於の持ち物が鞄一つ分だけという事もあり、荷運び等これ以上付き合う必要が無かったからだ。千景は上がってコーヒーでも飲んでいけば良いと提案はしたが、それはまたの機会にすると振られてしまった。千景が妙に今の玲於を気に入った事も早々に立

      • 【創作BL】年下わんこと拗らせ愛 第一章

        『ちか、レオの事なんだけど。お前の家で引き取れない?』  竜之介から予想外の打診電話が来たのは葬儀から数日後の事だった。  亡くなった涼音の長男玲於は小学校六年生の時から不登校となり今年で十九歳になる。七年間の引き籠り生活の間涼音はバーの雇われママをしながら玲於を育てていた。生活能力も無い無職の玲於はそのままアパートに住み続ける事も家賃を支払う事も不可能で、親戚の中で玲於を引き取る条件に合致するのが千景だったと竜之介は言う。 「いや、お前んとこは?」 『俺既婚者だから』 「じ

        • 【創作BL】年下わんこと拗らせ愛 序章

           ――涼音叔母さんが亡くなった。  叔母に対して特別な思い入れがある訳ではなかった。母親と二十歳以上年齢が離れた叔母は千景にとって姉のような存在だった。  享年三十六、早過ぎる死を伝えてきたのは歳の離れた妹の涼音を娘のように可愛がっていた牧子――千景の母親だった。  本来三親等の身内に対し忌引き休暇は取れないが、今の職場に中途入社してから約一年半、いつの間にか付与されていた有給休暇の使い道とばかりに千景は母親から伝えられた葬儀の日程に合わせて有給休暇の申請を行った。今まで勤め

        【創作BL】年下わんこと拗らせ愛 第三章

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        • 【創作BL】年下わんこと拗らせ愛
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          【創作BL】年下わんこと拗らせ愛

          あらすじ登場人物佐野千景――29歳、システムエンジニア。喫煙者。 本木玲於――19歳、ニート。 梅田竜之介――31歳、会社員。既婚者。喫煙者。 梅田虎太郎――27歳、美容師。 佐野御影――34歳、A型、喫煙者。 佐野牧子――御影と千景の母親、梅田家長女。 梅田寛壱――竜之介と虎太郎の父親、梅田家長男。 梅田忠次――梅田次男、娘3人。 本木涼音――玲於の母親、梅田家次女。

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