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深夜のノリで殴り書く、自分にしかわからないかもしれない感覚の話。

昔から、いろんな台本を読むたびに、やってみたいと思う役は男性のキャラばっかりだった。
私が6番シードに入ったばかりの頃は、公演ごとに劇団内でキャスティングオーディションが行われてる時代で、
その際に、どの役をやりたいかを役者が自己申告するシステムだった。
なので、当時の私は素直に、やりたいと思った役を申告した。
それは時として男性のキャラクターだったりした。
ある時は、芝居を見てもらう前に「申し訳ないんだけど、女性の役にしてほしい」と言われ、その役のオーディションを受けるのを断られた。
ある時は、オーディションには参加させてもらえたけど、最終的に「すまん、やっぱりこの役は男性がいいんだ」と告げられ、落ちた。

今になって考えると、それは当然のことで。
作家はその性別イメージで書いてるのだから。
当時『ホテルニューパンプシャー206』の牧村透役をやりたいと思ってたのだけど(わからない方すみません)、
あの役は性別が男だから意味がある役だと、今ならわかる。
でも、当時の私はイマイチよくわからなくて、
「やりたい役を選んでいいと言ったのに。何でオーディションすら受けさせてもらえないんだ!」と、
本気で思って本気で凹んでいた。
その後も、「何でワタシは男じゃないんだろう…」と思うことは何度も何度も何度もあった。
今もたまにある(笑)。

性別って何なの。
舞台上はフィクションの世界なのだ。
性差がなくてもいいじゃないか。
女だからって何か問題あります?
みたいなやつ。
抱えすぎて持ち腐れて、当初のモノから変質しちゃって、
化石みたいになってるだけかもしれないのだけど。


いや、わかってるの。
わかってるのよ。
この世界には性別があって。
大雑把には男性と女性に分かれていて。
(ほかにもたくさんありますが、ここでは大昔から社会で使われている男女という性別の分け方で表現させてもらいます)
この地球の?国の?歴史や社会のカタチがあり。
物語の受け取り手から共感を得るには、リアリティが必要よ。ってことを。
これはどうにもならん動かぬ摂理みたいなもんで。
それは理解してるし、それに文句を言うつもりもないのです。

が、若かりし日の自分が、
なぜかずっと腑に落ちてなかった感覚があってな。
それは今もいろんなところに顔を出すんじゃ。
何なんだろうね。
自分でもよくわからん。

で、何を突然こんなことを言いはじめたのかというとね。

私の、その、得体の知れない、謎の悔しさや腑に落ちないの化石に、変化が訪れたからです。


明日から小屋入りの次回出演舞台
壱劇屋東京支部『PARADURE-パラデュール-』で、
私はセグメト・マッカートニーという将軍の役を演じます。
今公演はダブルキャスト公演でして、逆班で同じ役を演じるのは、東京支部のボス・竹村晋太朗さん。
ヨネネス・ポワレ役は日南田顕久さんと小岩崎小恵さん。
アスビー役は藤島望さんと淡海優くん。

キャラクターの役割が変化するわけでなく、
性別の違う役者が同じ役を演じている作品なのであります。

男とか女とか、そういうことじゃないとこで、人間を描く。
(んー…なんかちょっと正確じゃないな、この表現は。あんまりしっくりきてない)
当時私が思ってた性別問題を、痛快にぶっ飛ばしてくれた。
そんな機会に、
そんな作品に、
というか、そういう作品のつくりかたをする造り手、座組に、出会った。(ウルルン滞在記←世代がバレる)


若かりし日に生まれた謎の気持ちの化石が、
成仏したような気持ちになったからです。

しかも私は大人になったので、
性別が女であることをちゃんと受け入れて、
それをきちんと使って芝居をすることを覚えている。
今作のセグメト役を、女である私がやるおいしさみたいなものも感じられるようになっている。
(大人になったなぁ…トオイメ)


これ、自分にしかわからない感覚なのかもしれないので、
こいつさっきからずっと何言ってるのか全然わからん…な文章だったらごめんなさい。

でも、個人的にはけっこう大きな出来事なので、
せっかくだから文章に残すことにしました。
備忘録!!!!!!!!!!!


竹村さん、壱劇屋東京支部さん、
ありがとうございます。
(とても勝手な感謝)

パラデュール、とてもたいせつな作品。
全身全霊で。頑張ります。
(全身全霊で頑張っても不安なぐらいアクションある)
(でもこれをバシッとキメられたら、世の同世代のみんなに希望を振り撒けるのでは←大袈裟)
(とにもかくにも、健康第一でがんばります)
(よかったら観に来てやってください)
(ワタシはさておき、みんなのアクション凄すぎるから是非)



明日はいよいよ小屋入りだーい。
早く寝ろし。
おやすみ地球。

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