かいごのげんばとCOVI-D19
施設内で陽性者確認
7月15日
職場の高齢者施設でコロナ陽性者が出た.
感染拡大を防ぐため,いくつかの対策を取った.
・陽性者は10日間の隔離対応.
・生活空間をバリケードで仕切る.
・陽性者に関わる職員を数名に限定.
いつもと違う職場の風景.
廊下には大きなバリケード.
私を含め,陽性者に関わる職員はドラマで見るような防護服を着ている.
現場の空気は今までにないほどピリッと張り詰めていたと思う.
陽性者対応,苦しかったこと2つ
①人手不足
陽性者対応で人員が必要なのに加え,職員も体調不良で欠員が続いた.
通常よりハードなシフトに疲労は段々と蓄積していった.
②業務の圧迫
不慣れな防護服を着ての対応は,何かと手間や時間を要する.
通常のケアに割く時間も圧迫される.
利用者に対し,職員の都合を強いらざるをえない場面がいくつもあった.
「散歩に連れてってくれ」の声には時間の関係で応えらえない.
どうしても “今しか掃除できない” という理由で,部屋で寝ている人を起こしリビングに連れて行く.
そんな時は服に合わせて身を斬る思いがした.
「もう最悪,こんなケアしたくない」
自分の中に溜まる疲労とストレス.
些細なことがきっかけで限界がきた.
気がついたら涙が止まらなくなっていた.
見かねた上長から「帰って休んで」と言われる.
その日は,感謝しながらもやりきれない気持ちで早退した.
「しんどい」と言ってみる.
「苦しい」と人に言うことが極端に苦手だと思う.
それでもちょっと勇気を出して言ってみる.
同僚に電話を掛ける.
彼女の言葉に救われる.
「『これが特別しんどい』っていうのはないけどなんかしんどい時,余計周りに言いにくかったりするよね」
傾聴力の塊である.
施設長に話を聴いてもらう.
「今は利用者のペースに合わせられなくてしんどいだろうけど.」
「長い目で見たら,クラスターを防いで1日も早く日常に戻すことが,彼らにとっての本当の幸せだと思うよ.」
今やっていることは正しいと,自身を持つことができた.
日常
今やコロナ陽性者のケアは「日常」に溶け込みつつある.
防護服だって息をするように着脱している.
「ちと草でも見してくれ」
口癖は「怖くってしょーねーよ」の利用者さんがそう言った.
彼女の車椅子を押し,外に出る.
空から溢れるようなオレンジの夕日を見る.
介護職としての幸せを感じて,ヨダレが出そうな瞬間だった.
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