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制服化の先に起こったこと

近年、「私服の制服化」が話題にのぼるようになりました。
いつも黒のタートルとデニムの姿で公の場に登場するスティーブ・ジョブスよろしく、自分の制服を決めて、服選びのストレスから解放されて快適に過ごそう!というウェイオブライフの実践ですね。

noteではスタイリストのあきやあさみさんが提唱する「自問自答ファッション」を実践してる方の記事も多いので、馴染みのあるテーマなのではないでしょうか。

大人気あきやさんのページはこちら↑
あきやさん並びに自問自答ガールズさんの記事、いつも楽しく拝見しております。

自問自答はもっと内面的なお話だと思うので、制服化という言い方だとちょっとライト過ぎるかもしれません。
皆様自分を象徴するファッションを見つけるべく自分を分析するような作業を続けていらっしゃるのかなと思います。

かくいう私もコロナになりたての頃に、私服の制服化を図ったことがありました。

それまで私、ちょうどいい感じの育児期らしい服が無かったんです。
その頃は通勤もしてたし、休日も子供が小さいのを良いことに自分の好きな場所にお出かけばっかりしてました。ベビーカーで都心のカフェ行って、電車を見せて過ごす、みたいな!
だからオシャレ着にばっかり気を配って、近所では適当なユニクロやザラの服を着る生活をしてたんです。さらにそっから2人目も妊娠して、後はただマタニティウェアを日替わりで着るだけの雑な生活でした。

これが2人目の誕生とほぼ同時にコロナが来てしまい、地元・屋外の生活が推奨され、急に週6近所の公園で過ごすような生活になりました。

それで、もっとちゃんとイケてる育児中ファッションしたいな!と思い、制服もといパターンを決めました。

その頃のパターンはこんなかんじでした。

  • アウター:春秋はプチバトーのヨットパーカ、冬はノースフェイスのダウン

  • トップス:長袖はセントジェームスのウェッソン、暑い日はヘインズのTシャツ、寒い日はトレーナー

  • ボトムス:デニム

  • バッグ:ステラマッカートニーのななめがけミニバッグ

  • 靴:スタンスミス

  • その他:モスコットのレムトッシュ

私あんまり派手な服が似合わない顔で、制服化する前から近所でデニムに白Tシャツをウエストインしてる姿がお出かけ着よりむしろ垢抜けてる事に薄々気付いてたため、制服はわりとすぐに定義できました。
この制服を決めてから毎朝ラクラク、ストレスフリーになりました。

それから早4年、今でも在宅勤務やお出かけの予定がない日は上記ベースの服を着てる日も多いっちゃ多いです。
しかし、さすがに時勢の変化があり私の心境も変わってきました。そう、制服化の先に起こる事です。

①服が被ってる人が目について飽きてくる

飽きは、大体1年半くらいでやってきました。ちょうどトップスの襟首が薄汚れ、食べ物のシミが各所についてくる頃ですね。
白Tとかはリピート買いしたんですが、セントジェームスはもう一回同じものを買い直す気になれませんでした。
セントジェームス、とても良いんですけど良いだけに被り率も高いんですよね。細身のナチュラル系美人とかと被るとダメージでかいです。スリムだとちがう着こなし方が楽しめるんだな〜!とか思って苦しくなります。ノースフェイスのアウターも同様です。
それで有りのままの自分を肯定するためにも、なんかもうちょいオリジナリティが欲しくなってきます。まあ制服が煮詰まってなかったとも言えますね。

②制服アイテムのバージョンアップによって差別化と精神充足を図る

この辺は正しい道程かと思います。
サクッとセントジェームスをレベルアップできれば一番よかったんですが、セントジェームスにとって変わるものってあんま無いんです。あのカラバリと適度な地厚感が唯一無二なんですよね。別のバスクシャツ買っても、それは同じことになっちゃいますからね。
そんでトップスは一旦考えるのを放棄しました。襟首が汚れてるなら髪を下ろしてカモフラージュ、結ばないと髪がとっ散らかってる日は色物のセントジェームスを着ればいいじゃない。その頃にはセントジェームスの枚数も5枚になっていました。

せめてと取り組んだのは、育児期必須のななめがけバッグや靴の更なるステイタスブランド化です。エルメスのアリーヌを買ったのがこの頃です。スニーカーもスタンスミスからステラマッカートニーコラボのスタンスミスになりました。
アリーヌにくわえて、お出かけ用だったセリーヌのバッグも普段から使うようになりました。これでまた気持ちがうんと軽くなりました。

③重ね着に希望を見出す

それにしたってセントジェームスがもうつらくなってきます。もはや無地のトップスが全般つらくなってきます。
そこでプチバトーのヨットパーカを年間150日くらい着てたので、羽織物に可能性を見出すようになりました。私がコレはと思ったのはシャツです。
シャツは20℃前後の時に羽織りになるし、20℃以下の時はインナーになりますね。バスクシャツばかりだから、変化出て良いんじゃないかと思いました。
他に制服カーディガンも揃えました。その時の気候や寒暖差の激しさによってプチバトー・シャツ・カーディガンと使い分け、また新たな気分でプチバトーが着れるようにました。

④重ね着がラディカル化する

シャツの重ね着で味をしめて、重ね着こそが解と思い込むようになりました。
そうすると、ジレとかビスチェとかシアートップスとか、要否で言うと否に近いモードなアイテムが私を救ってくれるような気がしてきます。もっともこれは流行もあるかもしれません。

それでビスチェとかクロップドとか重ね着前提の服を集めてたのが去年でした。この傾向は今年も続いてて、買おうかな?って頭を掠めるのは大体重ね着前提の服でした。

⑤ミニマルを追求する自分とモードを追求する自分に板挟み

今ここです。
重ね着ってある程度は気候対応の知恵ですけどそれ以上は自意識でしかないというか、せっかく制服化して綺麗にまとめたワードローブをまたとっ散らかしに行ってるな〜と思います。
それに私の特性としてシンプルが似合う、いわゆる盛り耐性が低いタイプなので、柄を取り入れれば入れるほど、レイヤードすればするほど止めておけ感が強まっていきます。

一方で、強烈な服ってこっちの個性とか長所短所も打ち消しに来ます。
例えばchopova lowenaとか見てるともはや似合わせとかどうでも良いかな!なんて思っちゃいます。マルジェラもファッションショーで覆面かぶってきますしね。

chopova lowena
多種多様なモデルを使ってくるのが心にくい

緩やかに買う服減らすチャレンジはやってきたいんですよね。一年8枚におさめるのは出来る気がしないが…。
そんなわけで、毎日ネットで服見てはいやいや要らんと繰り返してる昨今です。

気になってたマルニの服も、問い合わせたら何百万と言われてしまったし、メリルロッゲのベルトはベルトだから服じゃないし、私の気持ちはどこにいけばいいんだろう。ファッションとお菓子以外の事に頭使えるようになりたい。

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