ミッションをブレークダウンするということ〜「おーい龍馬より」〜

思考の整理のために書いていますので悪しからず。

ミッションとは何か?

最近、ひたすらに「ミッションとは何か」ということを考えるようになった。ミッションは非常に重要である。

ミッション①「世界一のサッカープレイヤーになる」
ミッション②「世界一のサッカープレイヤーを輩出するクラブを作る」
例えば上の2つのミッションのうち、どちらを選ぶかによって、取るべきアクションは全く変わってくる。
①を選んだ場合は「優れたコーチ」「優れたクラブ」「優れたチームメイト」などを慎重に選ぶ必要があるだろう。
一方で②を選んだ場合は「収益源を作れるCFO」「優れた選手を育成する監督」「優れた選手を生むトレーニング環境」「高いクオリティを求める観客の存在」など、①より圧倒的に考える要素が多い。
かかる時間、必要なエネルギーも当然違うため、「どちらが優れたミッションである」という問題ではなく、「どちらを選ぶのか」という選定が大切なのである。

最近自分はひょんなことからベンチャー企業の社長から話を聞く機会が多いのだが、企業のミッションが明確・ワクワクするものであればあるほど、それを達成するための中期目標・短期目標も明確で、「ああ、これはうまくいく」というのがなんとなく感覚的にわかるようになってきた。ミッションさえ正しければ、その過程である失敗や挫折は全て「誤差」になる。

例えば最近面白いと思ったのは、「医療技術の格差をなくす」というミッションであった。医療の格差をなくすのではなく、医者をサービスの対象としたビジネスだ。画像・動画のリアルタイム配信によって、全国・世界中のオペが視聴可能になる。細かいサービスは置いておいて、このサービスには、「権威やリアル空間に閉じ込められていた医療技術という情報を解放し、誰もがトップレベルを目指せるフィールドを作る」というストーリーがある。マネタイズの方法はさておき、何をミッションとするかは最も大事だ。


ブレークダウンとは何か

ミッションをブレークダウンして、どうアプローチするかを決める。恐らくここが最も難しい点だ。ミッションを達成するために果たすべき最もクリティカルなタスクは何か?これを特定すれば問題解決は8割終わるだろう。どんな山も登山口は一つではなく、いくつかあるものだ。何口から登るかのよって、その先のリスクや、乗り越えるべき壁も当然異なる。

ここでサブタイトルにあげた「おーい龍馬」が出てくる。(史実かどうかという厳密な議論はここでは放っておこう)
坂本龍馬や中岡慎太郎が掲げた明治維新のミッションとブレークダウンは以下のようなものであったのだと俺は整理している。

ミッション
「誰もが自由に夢を追い、フリーでデモクラシーな世の中を作る」
ここまでは綺麗事に聞こえるがここからが本番だ。
ブレークダウン①
「身分制度の権化である幕藩体制を壊し、中央議会に基づく民主主義体制へと移行させる。」
「金座・銀座を幕府から離し、自由な経済活動を可能にする。
ブレークダウン②
「最大勢力を誇る薩摩藩と長州藩を利潤によって結びつけ、幕府に対抗し得る勢力を作り上げる。なお、その過程で生じる流血は可能な限り避け、西欧列強に付け入る隙を与えないようにする。」
ブレークダウン③
「藩と藩を経済的に繋ぐ手段として、貿易会社である亀山社中を作る。」
「なおこのこの会社は脱藩浪士のみを受け入れ、世の中の脱藩=死罪へのアンチテーゼとして働き方の概念を変えた」
ブレークダウン④
「脱藩し、最先端の船舶技術、世界情勢、軍事技術を学ぶ一生の師匠となる勝海舟と出会う。」

長くなったが、龍馬が一貫して掲げたミッションは幕府を倒すことではなく、フリーな世の中を作る、ということであった点に注目したい。つまり、彼の一生をかけたミッションは、身分制度撤廃であって、徳川家がそういう法令を出して解決するのであればそれで良かったのである。ちなみに龍馬の根源的なモチベーションは、土佐郷士時代の厳しい身分差別から来ていると理解している。

俺が学んだのは、ブレークダウンは手段であるということだ。これが目的になった瞬間にストーリーが壊れる。今でいえば「働き方改革は、AIは、DXは、ミッションか?手段か?」これを考えないと道に迷ってしまう。ミッションのない組織や国家に属するのはきつい。朝起きて飯食って寝るだけ、それと同じだ。別に一企業でなくてもいい、連合体でもフリーランスでもなんでもいいがの先にあるミッションが何なのか?これを考えないといけない。

なぜミッションのブレークダウンが必要なのか?

企業やグループはミッションをクリアするための団体でありながら、ミッションをクリアしたから解散、となるケースは多くない。となると、そう簡単にミッションが達成されても困るのだ。かといってミッションが達成できないのも辛い。

そのためにブレークダウンがある。ドラクエよろしく、ダンジョンを一つずつクリアしながらミッションにじわじわ近づいていくことが大事だ。このブレークダウンを「達成可能に」「ミッションを見失わないように」「それでいて挑んでワクワクするように」設定できるかどうかで、いい仕事ができるかどうかが決まる。

さて、じゃあ26歳の俺は何をすればいいんだろうか?ミッションはあっても、最初のブレークダウンに何を選べばいいんだろうか?思考のぐるぐるはつづく...


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