26.寂しさの根源
いつからわたしは、独りでいることに寂しさを感じるようになってしまったのだろうか。
とか何とか惚けつつ、わたしは答えを知っている。
人を好きになってしまったからだ。
人といる楽しさを知ってしまったから。優しくされてしまったから。心が揺れてしまったから。離れてわかる。わたしは「独りではなかった」のだと。そして今、「独り」なのだと。
人間は終始孤独なのだと、教えられて生きてきた。独りで生きていかなければ。寂しさなどの感情は押し殺した。涙は武器だから、簡単に人に見せてはいけないと言われた。強く生きようとするうちに、悲しさがよく分からなくなった。誰が死んでも泣けなかった。
そうやって生きてきたのに、様々な大人と関わるようになり、わたしの武装は徐々に壊れてく。
どうしてこんなに優しくしてくれるのか、声をかけてくれるのか、求めてくれるのか。武装が壊れるにつれ、わたしは笑うようになった。そして、よく泣くようになった。
孤独だと腹を括り生きていた頃は、今思えば強かった。心も、意思も、何もかも。それが今は、強がることしか出来ない。「大丈夫」の隙間から柔らかく繊細なものが溢れそうになる。他人が死んでも泣いている。
厄介な人間になったなと思っている。人を好きになると必ず寂しさが着いてくることを知りつつも、わたしは、心揺さぶられる感覚を求めている。そして、孤独を愛し直そうとしている。
尚、これらの「好き」は、恋愛の類と必ずしもイコールではない。
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