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19.わたしがわたしになる。

人生で初めて「女になりたい」と思った。
30歳になって数日後だった。


過去に性別について何度も考え、noteに綴った。今、当時の気持ちとは全く別の世界にいる。

▼ 過去記事




ある人と、ある約束をした。自分にとってとても大切な出来事だったので、遺しておきたくて詞にした。それが果たされなかった今、わたしは次の「なりたい自分」へと歩み出したのかもしれない。

▼ 約束の詞とその想い






ふと気付いた。一人称が変わっていた。
わたし、「わたし」って、言ってる。



嫌悪感を抱き続けていた「わたし」から逃れるために、高校入学と同時に一人称を「俺」にした。15年経った今、見事に逆転してしまった。いつかそんな日が来る気がしていたけれど、こんなに違和感なく訪れるのかと正直驚いている。


今まで求めてこなかったスタイルを、体が求め始めた。メイク、下着、服装、全てが新鮮。面白いほど視点が変わった。


顔と体と心がバラバラなことが、ずっとコンプレックスだった。バランスをとることが、どうしても難しかった。それが少しずつ、統一されていくようだ。



性別に悩み苦しみつつも、体の性と心の性が交じり合う日はいつか訪れると思っていた。この先またすれ違う日が来ても、そうやって、なりたい自分を求めて生きていくのだと。それがわたしの人生なんだろうなと。


やっと訪れたこの感覚を、大切に育てたい。

嗚呼、漸くここまで来たか。長かったね。
これから楽しみだね。って。

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