『福増』ものがたり

このnoteでは『福増』とその母牛『かつき5』の事を主に血統的な観点で解説し、和牛の育種の方法を考察します。そして、この育種論を応用して各地の固有の系統を改良され、多様性が保たれることで、100年先も和牛肉が世界最高に美味しいお肉であり続けることを期待して公開することにしました。
週1をメドにゆるゆると更新していくので宜しくお願いいたします。

はじめに

『福増』はなぜあの血統でサシ入るの?大きさ出るの?とよく聞かれます。
『福増』が種雄牛として、能力が遺伝しているのは『福増』祖母の祖母であり、『北福波』の祖母『いしかわ』から来るものでしょう。もちろん偶然もあるでしょう。

しかし、福増の母牛『かつき5』はサシの入る母牛として育種の方法を考え交配してものです。
『かつき5』に但馬系の雄を交配すれば特選を連発するのは予想しましたし、その通りに(能力のある牛を)特選になるように育てたことは嬉しかったし、ホッとしました。でも、最優秀賞を2年連続で頂いたことは大変驚き・嬉しく光栄に思っています。

その育種理論は
・多くの諸先輩方からの教えと
・BMS11・12の牛の血統の3代祖4代祖を約700回(『かつき』に糸松波を交配した頃は200超くらいか?)書き出し、11・12の出る法則を見つけ出したこと
・その交配を実践し、肥育すること
で出来上がりました。
ただこの血統の書き出しは安福久が現れるまでで、現在はやってません。サシを入れるだけなら安福久の入った血統の牛を買った方が早いです。
(安福久の脂の固さと誰が飼ってもBMS12の出る牛で12番出しても面白くないので私は使いませんが。)
この育種理論は各地の固有の系統を維持する為に応用して使って貰えれば有難いです。

ではなぜこの育種理論が出来たかは次のnoteで。

このような血統の書き出しを時には5代祖まで約700回書きましました。