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トリックテイキングを知らない人に「パパヨー」をBoardGameArenaで遊ばせると基礎の大部分を理解してもらえるよ

この記事は某鯖のアドベントカレンダーの
「アナログゲーム」に参加しているよ。

まずBoard Game Arenaはここ。

これが何なのか簡単に言うと、無料でボードゲームが遊べちまうんだ!ってサイトだと思ってください。ちなみに全部認可されてるので合法です。
一部有料のゲームはありますが、今回取り上げるゲームは無料です。

これの説明はめんどくさい本筋からズレる気がするので、登録している体で進めます。




トリックテイキングの大筋

トリックテイキングとは、小さな勝負(トリック)の繰り返しで、ポイントを獲得(テイキング)していくゲームシステムのことを指します。ボードゲーマーの間ではしばしば「トリテ」と呼ばれています。
互いの手札が見えないルールのもと、ランダムにカードが配られ、各自の手札を場に出していくことでそのトリックの勝者や敗者を決定します。繰り返されたトリックによって全プレイヤーの手札が出切ることで1ラウンドの終了とするボードゲームは多いです。この複数回のトリックで構成される1ラウンドを、複数ラウンドに渡ってプレイします。
基本的に、トリックごとに勝者または敗者が「場に出たカードを全て回収する」ことになっていることが多く、「カード1枚ごとにプラス点」というルールや、「カードに書かれたプラス点~マイナス点の合計値」がルールになっています。同じトリックテイキングでも「トリックの敗者が、場に出たカードを回収する」といったルールの場合、ビリでなければ良いため「下から2番目」のカードを出し続けることが最大効率となります。
「トリックテイキング」はそれぞれ全く異なるプレイ感を体験することができ、人気のメカニクスの1つです。

ボドゲーマより

つまり、こういうメカニズムのボードゲームがものすごい種類あるよって認識で大丈夫です。

ただ、他のメカニズムが他に知識を必要としないのに対し、トリックテイキングだけやけに専門用語が多かったり、大筋を知らないと理解しづらいゲーム性だったりしたりと、とても大変なメカニズムとなっています。

話を進めるにしても、とりあえず用語を理解してもらわないといけないので、簡単に説明をしましょう。


スート

一般的なトランプでいう♤♧◇♡ってマークという意味です。
大抵のボードゲームではカードに色が塗ってあるので「色」って言ったりします。


トリック

「カードを出し合って、強いカードを出した人が勝つ」という行為みたいな意味と考えてもらえれば問題ないかと。
ついでに「トリックを取る」という言葉は、「みんなが出したカードを取る」、みたいな意味。取ったカードをまとめて裏向きにして手元に置くのを「1トリック」とすることが多いです。


リード

「最初にカードを出す人」って意味です。
要は「親」と考えてもらえれば相違ないです。

下の用語と繋がります。


マストフォロー

「リード(最初の人)が出した色のカードを持っていれば必ず出してね」
「リードが出した色を出した人の中で一番高い数字の人が勝つよ」
というルール。ゲームによって細かい例外はありますが、大体のトリックテイキングがこれです。

図で説明しましょう。

時計回りだよ

リードとなった右の人が「緑の9」を出しました。

自分の手札に「緑の8」カードがあるので、自分が出せるカードはこれのみとなります。
もし手札に、リード(最初の人)が出した色がなかった場合、好きなカードを出すことができます。
たまに「いつでも出せる」というルールを持つ特殊なカードが入ってたりもします。

全員が1枚ずつ出した後

全員が出した後、右下のリードが出した色のカードを出した人の中で判定を行います。

上図の場合、オレンジの8を出した人は、1トリック目なのに手札に緑が無かったので、関係ない色を出したことになります。この人は判定から除外されます。

白丸が勝つ

緑を出した人の中で、一番高い数字を出した人がこのトリックの勝者となります。みんなが出したカードをまとめて、裏向きで自分の手元に置きます。これで「1トリックを獲得した」という扱いになります。

更に、次のリード権(最初にカードを出す権利)を得られます。
リード権を得られれば何でも捨てられるので、基本的には結構お得なことが多いです。

この用語の親戚に「メイフォロー」という「従わなくてもいい」みたいな用語がありますが、これが入ってると大抵複雑なので、遊ぶ時に聞くのがよさそう。


ビット

ここから説明する用語は「パパヨー」には入ってませんがとりあえず。
また、ここからは「ウィザード」を使って説明します。

手札が配られた直後

「この手札で何トリック取れるか(何回勝てるか)予想してね」
「ピッタリ勝てれば加点、違ったら差額分減点だよ」
みたいなルール。この要素はあったりなかったりします。
トリックテイキングを最めて触るのに、勝利数予想させるのは難しいかも?

ビット要素が存在せず、「そもそも勝つ回数の目標が決まってるタイプ」や、「カードを手元に集めることが目標のタイプ」もあります。


切り札

「場にあれば判定で優先されるカード」みたいな意味。

下が最初に出して、最後に右が出した直後

事前に「◇のスートが切り札だよ」と決まっている(6は決めるために出しただけで関係ない)として、最後に出す右の人が◇のカードを出しました。
この時に勝利するのは、最初に出したちょっと怖いカービィの人と同じ♡を出した、おそらくコーンアイスを持ってるであろう写真の人ではなく、切り札として設定されているスートと同じカードを出した、右の黒髪の怖い人となります。

ゲームによっては「いつでも出せるし、絶対勝つカード」もあったりします。ゲームによっては「絶対負けるカード」もあります。


用語としてはこんな感じです。他になにかあるとすれば、それはゲーム固有のワードだったりするので、その時に覚えるといいと思います。

さて、以上を踏まえた上で、触りやすいゲームは………

オンラインを考慮しないのであれば、ダイソーで「サンリオキャラクターズ スポーツフェスタ」を買うのが一番入りやすいのですが、遊ぶ人数と集まる場所を確保しなければならず、ちょっとハードルも高い…。

そこで冒頭で挙げたBoard Game Arenaが役に立つ

全部トリックテイキング

立つか……?

もちろんサンリオのやつなんかあるわけもなく、知らないゲームしか出てこないし……どれを選べばいいんだ……?

うるせえ!!!

「パパヨー」をやれ!

パパヨー

これもトリックテイキングのひとつ。実物があるはずですが、おそらく入手困難となっているため、まともに遊ぶ手段がここしかないってワケ。
一旦”理解者”に向けたルール説明を簡単にするとこんな感じになります。

スート5色、マストフォロー、切り札なし。
黒のみ1~20、それ以外1~10。
配り切り。手札x枚、最初にy枚左隣に渡す。(人数で変わる)
失点制、黒が数字分失点、
黒以外の7はダイスで決まったスートと同じカードが-40点。
(人数)ラウンド後、失点が低い人の勝ち。

知らないと半分くらい外来語に聞こえますね。
わからない人向けのルール説明を簡単にやりましょうね。

ルール説明

6人想定。
一応トランプと同じスートは付いてますが、今回は色で呼びます。

手札が配られた直後

まず、このゲームで使うカードには、色が5種類あります。
緑青赤橙のカードは数字が1~10まで、黒のカードは1~20が1枚ずつあります。

最初に手札が10枚配られます。
この中から3枚を左隣の人に渡します

全員が渡すカードを置いたら、右隣の人が置いたカードを受け取り、自分の手札とします。

BGAでは受け取ったカードがこのように強調される

全員がカードを受け取った後、

画面左上に置いてある8面ダイスがクルクル回って、いずれかの出目に止まります。今回は橙が止まりましたね。
このダイスには緑青赤橙が2面ずつ描かれており、出た面と同じ色の「7」が、「パパヨーカード」となり、「引き取ったら-40点」となります
他の7を含む、黒でないカードには失点は含まれません。
ちなみに切り札(出したら勝つカード)のルールはありません。

黒いの

ちなみにこの黒いのは「パヨーカード」と呼ばれており、引き取ったら「書いてある数字分の失点」を受けます。これが1~20まであります。
この黒いので最大-20なので、-40は相当ですね。

さて、爆弾も決まったところで、トリックテイキングが始まります。

2トリック目の、最初の1枚

リード(最初にカードを出す人)が赤のカードを出しました。

お前赤もねえのかよ!

なんかよくないカードが見えてますが……
2人がカードを出して、自分の番まで回ってきました。

リード(最初に出した人)が赤なので、赤のカードを持っている場合、それを必ず出さなければなりません。
もし持っていなければ何を出してもよいです。つまり右上の人は赤が無いということになります。手札から赤も緑もないことがあるんですね~

さて、今は「8」が一番高いので、「9」を出せば黒を引き取ってしまい、-20点を受けることになってしまいます。それだけは避けたいので、ギリギリ勝たない「7」を出すことにしましょう。

え?

ぜ、全員が1枚ずつ出したら判定です。
リード(最初に出した人)が出した色と同じ色を出した人の中で、一番大きい数字を出した人が勝ち、みんなが出したカードを全部引き取ります。
つまり、この場合は「10」を出した左上の人が勝ちます。

あぁ~

引き取ったカードの中に黒が混ざっていたので、書いてある数字分の失点を受けてしまいました。
この失点を避けるために、なるべく逃げ続けることになります。

左上から始まり、左下がカードを出した直後

あ、橙の7
ダイスで指定された色と同じ色の7は、引き取ったら「-40点」となってしまいます。
つまり、19+17+40で……

あぁ~~~

というのがこのゲームの流れです。
この流れを手札が無くなるまで繰り返すのを1ラウンドとして、人数と同じ回数のラウンドを終えた後、最も失点が少なかった人が勝利します。

本番に入る前に、ひとつアドバイスをさせてください。

-76点の直後のリード

このゲーム……

全員がカードを出した直後
あらぁ~
-13点の後、全員がカードを出した直後。
あぁ~~~

めっちゃくちゃ
リードが不利です。

なんでだよ!

まあ、うん、リードが不利ってこのゲームぐらいしかないと思うから、パーティーゲームってノリで遊んでください。


なぜパパヨーなのか

このゲームをBGAでやることによって、トリックテイキングの、特にわかりづらいマストフォローの基本的な動きはある程度理解できると思ったからです。

実際にカードを持って遊ぶとなると、例えば「赤を持ってるのに赤以外のカードを出してしまった」というようなエラーが起こりがちですが、BGAであればシステム側が出せるカードを指定してくれるため、このようなエラーを防げるようになります。

あと、「トリックを取らない(判定で勝利しない)」という、トリテ特有の考え方もある程度覚えられる、というのも1つあります。
これで慣れてきたら、おおよそのトリックテイキングは楽しめると思います。


あとがき

ちなみに、「トリックテイキング」という括りで何でも良いのであれば…

きたな

5本のキュウリというゲームがある。
これも本当にわかりやすいトリックテイキングで……キュウリを取らないために勝たないゲームなんだけど……

全カード内容、これが4枚ずつ

緑一色やないか!
どないなってんねんこれ!ほんまにトリテか!?
ちょっとルルブみせてみ!

ルールブック

トリックテイキングって言ってるならトリックテイキングか。よかった~。
で、ルールは……

場にある一番大きい数字より、大きい数字か、
手札の1番小さい数字のカードを出す。
判定は数字が一番大きいカードが勝利する。後出し有利。
最後のトリックで勝利した人が、
カードに書いてある分のきゅうりトークンを受け取る。
最後の場に1が出ていれば本数が2倍。重複なし。
手元のきゅうりトークンが6本以上になれば脱落。生き残った人が勝利。

要約

ほなトリテちゃうやないかい!



一応「キュウリ」で下のルールにすると近いルールが遊べます。
野良だと誰も来ないので誰かしら誘ってください。



こんな拙い文章でも投げ銭してくれると喜びます。