衝撃だった京セラの秘密兵器/RTSが先んじたモノ

ヤシカ、コニカ、リコーなどがカメラメーカーとして名を連ねていた頃,1970年代の中盤突如として京セラと言う聞きなれない名前の企業がカメラ業界に参入してきた。

しかもドイツの名門コンタックスの名跡を継いでである.ヤシカの暖簾こそ引き継いだものの、その驚きは日本の有力自動車メーカーが中国資本にシェアされて車名を全て漢字表記に改めた位凄かった!!

ツァイスT*レンズの名声はそのままに、カメラボディの方は当時最先端の電子制御を満載した未来的なもの。それがフラッグシップ機たるコンタックスRTS(リアルタイムシステム)だった。

AEは言うに及ばず象徴的だったのは今や当たり前の電子シャッター。電源の助けは借りるもののシャッターボタン半押しで電子回路通電、測光開始。フルに押し込むとミラー上下シャッター幕走行を電光石火のごとく実行してくれる,タイムラグの少ないレスポンスを謳い上げていた。

測光だけでなくシャッター駆動にまで電子制御を持ち込んだのはEOSに10年以上も先んじたモノ。一夜のうちに高級機としてのステータスを手に入れたのだから凄かった。

セラミック素材の名前を頻繁に聞くようになるのはそれから後のこと。京セラの成長ぶりはここに記すまでも無い。

オートフォーカス化に対する答えとして用意されたAXでは、マニュアルレンズ装備のままピントリングは動かさずにフィルム面を前後してフォーカスするという裏技を見せてくれもした。

フィルムカメラがデジタル化の波に飲み込まれそうになった頃でも京セラのコンタックスシリーズは高級機としてのステータスを維持していたものの、既にカメラ事業にその名は見つけられ無い。

一代で王国を築いた稲盛会長の訃報とカメラ事業からの撤退は時の流れをいやが上にも感じさせられるニュースでした。

今度久しぶりにコンタックスariaやAXを探しに中古店をハシゴしてみようか…


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