9000の次は10000系
東京の街も縦横に地下鉄路線が張り巡らされ、もう開発の余地も残っていないかに見えます。7000系、8000系の有楽町、半蔵門線に続き、赤坂見附、永田町の複雑極まる乗り換え駅にもう一つ新顔が加わります。
その南北線と並んでもう一つ、地名を冠しない副都心線の登場です。車両も南北線の9000系に続きついに5桁の10000系が副都心線に登場します。
池袋・新宿・渋谷間といえば山手線のうちでもドル箱区間。渋谷まで運んだ乗客を全部他社に持っていかれる東急の悔しさと言ったら・・・他方西武や東武が乗り入れる池袋も同様。前述した有楽町線に加えて西武線からも乗り入れる西武有楽町線、これが再び二股に分かれてメトロ有楽町線と副都心線に分かれて池袋の巨大駅に到達します。副都心線のホームはJRからは遠ざかった丸の内線ホームのさらに奥の方。なのでここから西武池袋駅のホームを目指すのは一苦労です。
運転系統も複雑怪奇!東武東上線と西武池袋線から枝分かれした西武有楽町線がいくつか駅を共有した後で再び袂を分ち、新木場方面と渋谷・東急方面へと枝分かれしてゆきます。
これが西武有楽町線と副都心線、東武東上線とメトロ有楽町線の単純な相互乗り入れだったらどんなにか分かり易かったでしょう。でも池袋の西側で二つの路線は一旦あいまみれ、再び広がってゆくので行き先も実に多方面です。
おまけに2023年3月、横浜中華街以外にも海老名、湘南台という新たな行き先が加わったモノだから、さらに話は複雑化。西武線も東武線も池袋を通ってから先新木場へ行くのか、中華街のある横浜へ行くのか、新のつく横浜を経由して相鉄線ネットワークまで足を伸ばすのか??
いえ、それだけではありません。
副都心線の10000系は南北線9000系車両とホームを挟んで相対する場面が生まれたのです。
ここでちょっと話題を南北線に戻して見ます。埼玉で最初の地下鉄、埼玉高速鉄道は南北線が新川を渡った先、サッカーW杯の競技場が置かれた浦和美園までの区間を大急ぎで開通させたもの。別会社ですから埼玉の自社車輌もメトロに乗り入れてきます。起点は目黒駅、ここは東急目蒲線の発着駅でもありました。
この目蒲線を多摩川駅で南北に分断した上で慶応キャンパスのある日吉駅まで複々線化して延長。名称も目黒線とあらためて南北線、埼玉高速と3社の長い乗り入れ路線が出来上がります。
いえ、出来上がりはさらに先でこの3月に開通した新横浜線がそもそもは目黒線の延長区間として考えられていた路線でした。しかし、路線計画の条件として渋谷方面への乗客輸送も担うことになり、新横浜からは目黒方面と渋谷方面、二つの運転系統が生まれることになります。田園調布から日吉までがこの並走区間にあたり、たとえば武蔵小杉を発着する電車の行き先といえば元町中華街から湘南台、海老名。北は飯能や小川町、浦和美園になんと都営三田線の西高島平まで!
そう、南北線の白金高輪駅はメトロでもあり都営でもある乗り換え駅なのです。
南北線は目黒から先、白金高輪駅から二つの方向に分かれます。一つは西寄りのメトロ南北線、そして東方向には都営三田線の新規区間が三田駅まで。長い間コンクリの壁が露出していた三田駅のホーム端が打ち抜かれたのです。
それだけじゃありません。白金高輪と目黒の間は単純な複線のトンネルですが、この区間はメトロでもあり都営でもある不思議なルート。これは料金計算上の特典でここを通って三田より先へは都営だけの料金体系で、逆に目黒から四谷、浦和方面へは同じレールでもメトロの料金だけを請求します。まあ架空の複々線が通っていると考えれば分かりやすいでしょうか?だからこの区間に乗り入れてくる会社は埼玉高速に都営線、メトロに東急、そして相模鉄道が加わるわけで、これが田園調布まで南下してくると東横線を走る・・・・・・ざっと数えて10社に近い数の会社が乗り入れている計算です。あ、東横線は20年前に横浜高速鉄道という別会社と相互乗り入れを始めているので・・・・・
この複雑さは小竹向原の比じゃないかもしれません。
しかし、これだけ複雑なネットワークを持ってしても毎朝の武蔵小杉駅の混雑は極限に達している模様です。相次ぎ完成したタワーマンション群は都心方面への夥しい通勤通学客を飲みこみ、毎朝ホームに吐き出しています。10両編成が増えたとはいえ、まだ目黒線には6両編成も残っており、一日も早い全十両化が望まれます(南北線ホームは十両化対応済み)
当初計画されていたメトロの路線は10号副都心線で全部実現。都営も12号大江戸線が一応のあがりですが、東京駅と羽田を結ぶ新路線が計画されたり、京急蒲田と東急蒲田をつなぐかまかま線の構想があったり・・・・・品川駅の地下深くではすでにリニア新幹線の発着駅の工事が大詰め。東京の地下はまだまだ発展途上なのかもしれません。
同じく品川駅では京浜急行の線形が大きく変わろうとしています。車窓からの景色も大きく変わるかもしれないので八つ山橋のS字カーブも今のうちに堪能しておかないと・・・・・
どうやらその先にトヨタの東京本社新ビルディングと複合施設が・・・・
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