見出し画像

マッチングアプリで私を一瞬ときめかせた男「けんちゃん」編②

 待ち合わせ場所の赤坂見附駅で私の目の前に遅刻して現れた男、ケンちゃん。

 「どうも」と現れて「いゃ〜昨日は大変だったんだよ〜」と喋り出した。口にした黒いマスクを鼻マスクにしていて、時折マスクをあげながら彼は話す。

 いきなり出た言葉。

「実は昨日俺の70万円の歯が無くなっちゃったんだよ〜」

 それを聞いて内心「はあ〜、さようでございますかぁ…でっ⁉️」って感じである。

 あっけに取られてあまり話に身を入れていなかったので彼の言った言葉をよく覚えていないのだが、前日の夜に若い衆とご飯を食べに行って歯が取れた。取れた歯をティッシュの上に置いておいたらゴミと一緒に捨てられたという話だった。

 私は「それはショックだね〜」と彼に言ったが、内心で、(それで普通は私には今日は会わねぇわな)と思った。

 初対面のアプリで会うことになった女性に歯のない顔を晒すか⁉️

 よほど自分に自信があるか、それくらい私と信頼関係ができていると信じ込んでいるか、もしくはよくよく足りないかいずれかであろう。

 兎も角、御約束通り、私達は日高屋でご飯を食べることになった。

 日高屋の席座った時に、私は奥側のソファ席、そして彼は通路側の椅子席に座った。

 席に座る前に彼は被っていたギャップとシャツの上に羽織っていた柄物のセンスのないシャツを脱ぎ、私の座っているソファ席に向かって投げ捨てた。

 投げ捨てた場所は誰がどう見ても、隣の席。お客様は今いないが、まだこれから入店するお客様が座る席である。

 「なんと気の使えない男なんだ」と思いながら自分の席の方に彼のキャップとシャツを寄せた。

 これも良い見方をすれば彼は子供なのである。彼はいつもこうして脱ぎ捨てた後を誰かが片付けてくれるのであろう。そういう環境でおそらく彼は育ってきたのである。

 そしてメニューをチョイスしてオーダーの食べ物が来ていただきますをした後、彼はマスクをしたまま、一口食べるたびにマスクをずらして頬張りマスクを戻し、またずらして一口食べるという所作を繰り返した。

 全く持って見ていられない光景である。私はなるべく彼の方を見ないで美味しい日高屋の餃子と野菜炒めを楽しんだ😊

 美味しかった😊ご馳走様でした🙏

 日高屋を出た後に次はどこに行こうかという話になった。

 彼は私が週末ホテルを楽しんでいる事は知っていたので、赤坂に展望の大浴場がある綺麗なビジネスホテルがあると駅から歩いてくる間もしきりに話していた。

 そして日高屋を出た後もそのホテルの話ばかりをする。私はあまり興味もなく「へぇ〜調べておきますね」と軽く適当な返事をしておいた。

 そして近くに神社があるというので、「それは是非行きたい」と神社に向かうことになった。

豊川稲荷神社⛩️

神社入り口
お稲荷様

 この神社お参りをする場所が3ヶ所あり、こんな都会の真ん中になんて良い神社があるのだろうと思った。

 彼は神社の隅の方でずっとスマホをいじっていてどこも一緒に歩かない。側にいなかった。まぁ一緒に歩きたいわけではないから別にいいのだが…この男、「女の扱いがスマートではない」と感じてしまう。

 モテ話しは間違いなくこの男が「金を使った女たちにチヤホヤされた」だけの話であると確信した。

 しばらく神社を探索した後で、次はどうしようかという話しになった。自分の近くの場所まで女を呼び寄せて置いてなんと段取りの悪いことか。

 その間に彼はまたしきりに赤坂のビジホの話をするが、私はまるで興味がない。適当な返事を返しておく。

 あれだけ赤坂あたりの店を知り尽くしている風なのにお洒落なカフェも知らんのか、段取りとして何も考えていないのか…

 この日は兎も角暑かった。神社を参拝し赤坂を少し歩いただけで汗は溢れるし、喉も乾く。とりあえずファストフードがあったのでそこでお茶をする事にする。

 この移動中も彼はしきりに赤坂のビジネスホテルの話をしてくる。「友達がいいホテルだと教えてくれた」と言って来る。

 この辺りで、「もしやこの男は私とこれからそこに行きたいというアピールをしてきているのか?」とふとよぎる。なるほど…と思った。

 ファストフード店では、この男喫煙者で、自分は喫煙所に入ってしまい、私は普通の席でドリンクを飲んでいた。

 1人で暇だったのでこの男の言う展望台大浴場付きの赤坂のホテルとやらを調べてみようではないかと思い、少し検索してみた。

 この値段、この広さで私の週末のホテルご褒美にチョイスするホテルではないと思った🤣

 彼は喫煙所から出てきて、私の隣に座るでもなく、一緒に話をするわけでもない。

 「ホテル調べましたよ」と言ったら、嬉しそう顔をして「そうだろー。友達が教えてくれたんだよ〜」

「これから一緒に行ってみようか」


・・・・・・


「そうですね…暑くて汗かいたからお風呂良いですね」


「それって大浴場に行って風呂を楽しもうってことですか?それとも一緒に行ってHするって事?」

🤣🤣🤣
とうとう来たか…と思いききました。

彼は「ほら…体の相性ってあるからさ…」

「あー体の相性あるよねぇ…」

「でもそれ以前にお互いに好きかどうかや恋にして抱かれたい、抱きたいって思ってそれからそうなるよね〜。だから風呂は入りたいけど…今日は一緒に行くのはやめておく〜」

 それからしばらく赤坂を歩きながら彼と言う人の不思議を探って見ました。

 そして彼の頭の中にはスキあらばホテルに行こうとうい魂胆が見え見えです。

 彼が船乗りでお母さんも船乗り。めっちゃ気が強くて、彼のお父さんは他に女を作って女のところで倒れてしまって死んだ時さえも家に入れてもらえなかった話しは聞いていました。

 お父さんはいわば、マスオさんでそこの二代目だと思っていました。

  彼の家は港湾工事という、海の基礎工事家さんで彼は3代目。

3代目と聞いて彼のこれまでの行動が全て納得。

 3代目が全員彼のようだと言ってしまったら世の中の3代目に対して失礼である。あくまでもこれまで私が見てきた人種の中での統計である。

ちなみにgoogle🔍の「3代目社長の特徴」

 そしてコロナの時に影響はなかったか聞きました。コロナ前は若い衆が50人くらいいたのですが今は16人と聞いて、彼に「日高屋に行けるような女と付き合え」と言った彼の友達の発言も「ははぁん…なるほど…やっぱりねぇ」

 最初に彼から日高屋の話を聞いた時に、おそらくこのご時世で収入が減り、金のかかる銀座や六本木の女ではなくて金のかからない普通の女と遊ぼうというところであろうというのはなんとなく思っていたところだ。

 しかもこの彼の身辺調査の話を私はどうしてもっと早くに聞き出さなかったのだろう。

 私の人生は無駄に遠回りをして時間をかける。

 今回の南房総のおでかけでも何度もそういうシーンに出くわした。

 どうも遠回りが好きな人生だ。私は要領が悪い人間なのか🤔

 その日彼とは適当に歩いて適当に別れた。 彼は最後までホテルに行きたかったようだが、彼を受け入れる程私は子供ではないようだ。

 私も大した女じゃないんだけれども、もう少し常識のある謙虚な男性で、もっと私を大切にしてくれる人が私はスキ。そしてもっといろいろ勉強している人が好きかな。残念ながらけんちゃんではないみたい。

 何度も書くが、良い言い方で言い換えれば彼は少年のまま大人になった素直な人なのである。出会った頃にはなんでも思いのまま少年の様にぶつかってくる彼がキラキラして見えたのである。

 私の見方が変化して、世間知らずな、人に気づかいのできないわがままなスケベオヤジに見方が変わってだけなのだ。

 けんちゃんはその後朝晩のおはようと相変わらずの自分大好き写真を送ってきた。

 何度か写真を送られてきだある日、私の写真があまりにも可愛く撮れた日があったので彼と同じ事を彼に返してあげようと思い、「今日の私はめっちゃかわいい😍」と付けて写真を送り付けた。

 それに対してスタンプが送られてきた。ドラゴンボールのアニメのスタンプで「お前がザッハーだ」と書いてあった様な気がする。

 それを見た瞬間にイラッとして「言ってる意味わかんない🤣🤣🤣🤣🤣」と返したら返信がなかった、

 数時間後にLINEがきたが読んでいない。彼のLINEはブロックはしていないが非表示である。

 そして彼とはそれっきりになった。

 そして次の恋活に行く❤️

 次は42歳なおくん行きまぁす👍

 えー 私に16歳も年下の彼氏ができたらどーしよう〜🤣🤣


つづく…



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?