迷子の迷子の五十円
notes 5 小心者の告白の話
秋のフェアが始まっているローソンでの出来事です。
車を停めたすぐそばに五十円玉が落ちているのを見てとっさに拾ってしまいました。
たしか五十円までは交番に届けなくても良かったはず、です。
そんなようなことをマンガで見たのです。たしかジョジョです。
でもあれだいぶ昔のことだし今はどうだろうなあ、といって、もとあったところに返すのもなあ。などと逡巡しながらお店に入って、すぐそこ、レジに募金箱が見えました。二つあるレジのうち、出入り口に近い側には店員がおらずここでお会計出来ませんよの札が立てられています。今がチャンス。
五十円、お金はさみしがりやと聞く。お前も一人では寂しかろう、ここならお友だちも結構いるよ。ということで、シュート! 決まった!
これでもう寂しくないね。きみはあるべきところへ行くんだ、そう、きみを求めている人のところへ!
陰ながら積むのが陰徳であるのならばここへ書いてしまったら台無しなのですが、どなたかわからない落とし主のかたにとっては本人すら知らないのですから陰徳になっていると思うんですね。いやあ、いいことをしたなー、落とし主。落とし主の迷子の五十円、少なくとも悪いことにはならないと思うよ。多分。
社会貢献的にいいはずだよ。
と、こう書いて多少なりとも後ろめたさを相殺する小心者ですよという話です。
そんでここにこうして書いておけばこの前コンビニのコピー機でとり忘れてきたお釣りもどこかで誰かの何かになっているはず、と思えるのです。お金は大事に。
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