月とあたしと冷蔵庫

緑黄色社会のバラードが好きだ。
”幸せ”とか、”大人ごっこ”とか、”一歩”とか。
何度も聴いて、何度も歌って。
切ない歌詞の中に、たしかに晴子さんがいる。

そんな緑黄色社会が、いきものがかりのトリビュートアルバムに参加していることを、バンドの投稿で知った。
心を込めてカバーしている様子が、字面のみで伝わってくる。
迷わずApple Musicで検索して、再生する。

不安がところどころに見え隠れするけれど、ここにいる自分と、未来の自分に寄り添う。何気ないひとときを、いつもの月が見てる。
澄んでて大人びた声が、揺れる心もじわりと浮かぶ決意も、一緒に連れて行ってくれる。並んで一緒にいてくれるピアノの音色も優しくて。

雪が舞う帰り道、歩きながらこの曲を聴いた。何もかもが合いすぎていて、じーんと浮かぶ涙。いつも通る道が特別なものになった瞬間。この優しさを、たまに思い出したい。


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