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誰一人、見捨てない、、、

ある夏の夜。

暑さもあり、なかなか眠ることが出来ずに、ベッドの上でぼんやりと感傷に浸っていた。


扇風機のカラカラという音だけが部屋に響く。
消し忘れたネオン灯が不気味に光る。


ふと、目を瞑ると同時に、自分の周りにいる人たちが思い浮かんでくる。


この人たちに優劣はなく、全て大切な人。

綺麗事ではなく、全て大切な人だと自分は心に決めた。


けれど、自分の愛が上手く伝わらないこともあるし、相手からの愛が満たされないこともある。


与える愛、与えられる愛、この二つの愛のバランスが大きく崩れてしまった時、自分の感情が揺れる。


揺れる感情は勝手に蛇口を捻る。

流れる愛が止まってしまいそう、、、


そんな時は大きく呼吸を一つ、二つ。
息を整えて、もう一度その人の顔を思い浮かべる。


必ず、どんな人にもステキなところがある。
そこまで、思い浮かべる。


そうすると、止まりかけた愛はまたポツリポツリと流れ始めていく。


もしかすると、この愛の循環が自分の生きる活力になっているかもしれない。

その循環の中で漂いながら、これからも愛を伝え続けていきたい。


キラキラとした日差しが差し込んだかと思うと、はっと目が覚める。

まだ、時計の針は更けた夏夜の時刻を刻んでいた。