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こたつ記念日
こたつの引力は魅力的。
一度入れば抜け出せなくて、それを笑うように熱を溜め込んで
膨らむこたつの存在感。
冬を冬たらしめるものは寒さではなくて、
あたためてくれる存在の偉大さなのかもしれないし、そうではないかもしれない。
この味がいいね、と君が言った日がサラダ記念日ならば、この冬こたつと再会する日にも記念日を。
やっぱりこたつで食べるのはお鍋がいいよね、なんてうなずきあえば夕飯の献立もばっちり。
買い出しに行く足はスキップ。
冷たい風に揺れるコートの裾、それも良し。
家で待っている空っぽのこたつとお鍋は、あたためる何かを待っている。もちろん私たちも、あたたまる準備ができている。これが冬だな、と思う。
「あまいね」「まあいいね」
と言い合った、程よい甘さがチャームポイントなこのビールは、
乳糖とバニラエッセンスを使ったスイートスタウト。
柔らかく鼻をくすぐるバニラの香りでゆっくり心がほどける感覚。
グラスを支える指先は冷える。
身体はビールであたたまることを待っている。
つめたいビールの感想に“あたたまる”なんて答えるは少し可笑しいけれど、これも冬だな、と思う。
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