tr.01 息継ぎの間もなく

中村さんそが作るエレクトロスイングっていう位置づけでまぁ正しいかと思う。こうエレスイっていうジャンルの定義ってとこからすると外れるのかもしれないけど、ジャンルなんて結局他人が分かりやすいために定義づけるものってだけだし。だからこの曲はエレスイじゃないっていう人はそもそも中村さんそに辿り着かないんじゃないか?とすら思う。過言だけど。

さんそちの曲としてはかなり珍しい、というかこの曲でしかやってないんじゃないかな?ひたすら同じフレーズを繰り返すの。

この曲に滲み出てる恋愛観ってすごく刹那的で、一瞬の盛り上がりだけでいいみたいな。アツい愛を頂戴って言いながらも、運命なんてガラクタ同然、君と同じみたいなと一蹴する。

フレージングもすごく冒険しているっていうか、それも息継ぎの間もなくでしか聞けない中村さんそっていう感じ。ただこういう曲にもしっかりハマるさんそちの声ってやっぱりすごくって。

どうしてか、この曲には若干のカオスを感じるところがあって。ちょっとだけ自棄になってる感じ?ジャンル特有のノイズ感のせいかもだけど、なんとなくそれだけじゃないとも感じていて。

立ち位置的にイントロ曲なのか?とも思うけど、それにしては異質過ぎる。そんな感じ。ずっと真顔、むしろ眼光鋭く歌っているさんそちが思い浮かぶあたり、文脈としてはinside meに近いのかも。

バッキングもほとんど同じフレーズだけで組み立てられてるけど、これ実は結構エグくて。ダレないフレージングと展開じゃないと本当に飽きるんだよ、普通は。それがずっとスリリングに繋がっていくとこがすごい。

ちょっと試してほしい聞き方としてはsweety girlのMVを脳内で倍速で再生してところどころにノイズを混ぜたり、時々シーンがジャンプさせたりして聞いてみてほしい。大丈夫、君ならできるはずだ。私はできたぞ?(ドヤァ)

ただ一つ確かなことはこの曲でしか聞けない中村さんそがいますってことですね。

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