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演出手法が合わずにモキュメンタリーホラーに挫折した話

学生時代にちょっとホラー映画を見ていた時期があって、その中でもモキュメンタリー映画として話題になったブレアウィッチプロジェクトは、映像の手振れが酷くて内容が全く頭に残らなかったのが印象に残っています。

そんな昔の経験もあり、最近盛り上がっているモキュメンタリーのホラーを機会があったらぜひ見たいなと思っていました。

ちょっと気になっていた「初恋ハラスメント」は知らないうちに放送と配信が終わっていたので、今度こそと思い、先日テレ東深夜のモキュメンタリーを録画してみたのですが・・・

見事に途中で挫折してしまいました。
楽しみにしていた分、結構ショックでした。

作品自体はとても評判がいいので、単純に受けてである「私の素養のなさ」が原因だと思います。

せっかくなので、なぜ挫折してしまったのかを「モキュメンタリーのホラーの演出手法」が自分に合わなかった点を整理してみたいと思います。(そういったページも見つからなかったので。)→知り合いに紹介いただいた番組に関連して、同じような考察記事を見つけました。

「Aマッソ『奥様ッソ!』フェイクドキュメンタリーとしての美点と欠点」
https://www.cyzo.com/2022/01/post_301478_entry.html

1.考察しないと怖さがわからない

たまたま今回がそういったタイプの作品だっただけなのですが、例えるとアクション映画を見に行ったら、本格推理もの(視聴者が推理するタイプ)だった言えばよいでしょうか。
最初にちょっと不鮮明な写真(怖い要素)が出た切り、あとは不自然なドキュメンタリーパートが続くだけでした。
「え?、自分で怖い理由を考えないといけないんだ」となってしまい徒労感に襲われました。

2.役者さんの演技が気になってしまう

作中は役者さんが登場人物として演技をするわけですが、フィクションと割り切って演技を見るのと、これはドキュメンタリーだと思って演技を見るのでは、後者の方がより違和感が強いと感じました。それがノイズになって作品に集中できなくなってしまいました。
(このあたり、ブレアウィッチプロジェクトはアドリブメインだったので工夫していたんだなと思いました。)

3.ドキュメンタリー映像という縛り

あくまで実際に起こったことを映像として見せる形なので、派手なアクションやカメラワーク、画面の切り替えといった一般的な映像作品で使われるとホラー演出が使えません。結果的にどうしても単調な映像になってしまい、徐々に興味が落ちてしましました。なお、ところどころ怖がるための情報を提示するため、説明的な部分も増えざるを得ないのだとも思いました。

4.信頼できない語り手問題

これは特に自分がそうなのですが、「信頼できない語り手」と分かった瞬間に一気に興味がなくなってしまいます。作っている側のさじ加減でいくらでも嘘が付ける状態になったら考察する意味を失うからです。極端な話論理が超越していてもつじつまが合っていなくてもお構いなしです。(あれは嘘だった、実はそんな事実はなかった等)
今回のモキュメンタリーは続き物で伏線があり、しっかり回収されるのだとは思いますが、そこから隠れた事実についてはいくらでも入れられると思うと興味がなくなってしまいました。

5.怖がる登場人物の欠如

モキュメンタリー作品でも、登場人物が怖がるものもあると思いますが、今回はそういったシーンがありませんでした。
そうなってくると何も考えずにぼーっと見ていると、何の感情がわかないことを改めて認識しました。ホラー作品で怖い目にあって叫ぶ登場人物がどれだけ作品に貢献しているかを改めて理解しました。


今回は番組中に電話番号が表示され、かけるといろいろ仕掛けがあったり、ネットでも仕掛けがあるようで、番組意外にも面白い取り組みがあるようです。

一方でテレビ番組としての制約も多いと思うので、ネット配信作品だともっと大きな仕掛けもできるのかなとも思いました。

番組の内容ではなく、楽しめなかった理由を考察してしまうあたり、つくづく自分は向いていないようです。

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