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「東京2020から未来への伝言」を始めたわけ


このたび、東京2020大会の運営に関わった方や出場したアスリートが集まって、大会での経験を語り合うトークセッション「東京2020から未来への伝言」を始めました。5月14日に開催した第一回は、NHKニュースに取り上げていただきました。

なぜこのタイミングでこのセッションを始めたのか、まずはその想いをお伝えします。

東京2020オリンピック・パラリンピックからまもなく2年になります。ただ、現在も五輪にまつわる問題が社会をお騒がせしており、大会に関わった元職員の一人としては今も終わった気がしないのが実情です。

私たちオリパラ関係者が心血を注いだあの大会は一体何だったのか。

現在、メディアを通して社会に伝わっている東京2020大会の姿は、現場で働いていた私の実感とはずいぶん違います。もちろんあの大会の全てが素晴らしかったというつもりはありませんが、個人的には「オリンピックってすごいな」「パラリンピックに出会ってよかった」と思う瞬間もたくさんありました。

東京2020大会の総括を今のまま報道にまかせておくと、未来の人々に「東京2020は問題ばかりの大会だった」と結論づけられてしまう気がします。それは、日本にとってとてももったいないことだと思います。

確かに東京2020には問題もたくさんあったけど、収穫もたくさんあったはず。大切なことは、反省すべき点はしっかり反省し、評価すべき点はしっかり評価することではないでしょうか。日本社会にとって東京2020大会とは一体何だったのか。それを次世代に伝えることは、あの異例ずくめの大会を現場で経験した私たちの責任でもあります。

ということで、組織委の清算法人もまもなく解散するこのタイミングで、元・組織委職員の有志が集まって、東京2020について自由に語る場を作りました。東京2020はとても大きな存在だったので、一人ひとりは違う景色を見ていたけれど、複数の視点を繋ぎあわせることでこの大会の全体像を描き出したい。それは、今、社会の人々に見えているオリパラとはずいぶん違う姿をしているはずです。

このセッションへの登壇は、さまざまな立場で大会に関わった方が、あくまで個人の自由意志で経験を語る場という位置付けです。また、正確な記録を残すというより、個人的な体験やその時の気持ちを生のまま共有していただきます。

次回セッションは、6月18日(日)14時から品川で開催します。ご興味のある方は下記サイトからお申し込みいただけますのでチェックしてください。

東京2020とは一体何だったのか。未来に伝えるべき伝言は何か。ぜひ一緒に考えましょう!

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