種をまくぴょん~愚かなぬいぐるみは世界に何を遺すか~
著:月が峰 ■■■
ぬいぐるみとは、非生産的な存在である。
ぬいぐるみはただ生み出され、意味もなくそこにいる。主体性などなく、何を成すこともない。ぬいぐるみは、ただ「モノ」として消費されるだけのあわれな客体でしかない――。
ごくあたりまえに、みんながそう思ってる。思ってることさえ意識せず、あまりにも無意識にそう信じてる。
でも、その「信仰」ってほんとうに正しいの? ぬいぐるみはほんとうに何も生み出せないの? あわれ客体物はこの世界に何も遺すことはできないの?