ロシアの国際戦略

内容は添付のPDF参照。ポイントとしては「ロシアがソ連時代の強国としての歴史、その崩壊による苦難の歴史を経て存在しているということ」「『NATOに勝つことができない程度の一応大国』という立場から一種の弱者の戦略を採用しているということ」「資金不足が足枷となっている」といったところだろうか。

担当者の時間不足により、参考文献が少なかった(というより小泉悠氏の「プーチンの国家戦略」しか読めておらず、実質それのレビューとなってしまっている)のが反省点。最近の情勢を考えると、せめて中東とロシアの関係についてはもう少し掘り下げるべきだった。

本を読んだ感想としては、和書となっている現代軍事戦略に関する本は米軍視点の物が多いため、ロシア視点である、というだけでも読む価値はあったと思う。特に米軍の戦略は「強者の戦略」という特殊性があるため、いかにNATOという「強者」に立ち向かうのかという「弱者の戦略」には色々と考えさせるものがあった。

今回の題材は、「日経新聞を読む会」としてはかなり異質な内容だが、昨今の中東情勢の不安定化に伴う株価急落からも明らかなように、軍事情勢と国際経済は不可分であるので、大まかでも軍事情勢・国際関係は追うべきであろう。また、こうした戦略を調べることにより経済活動においても有用な教訓を得ることができるかもしれない。


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