見出し画像

プリコネが抱えていた爆弾の導火線に火がついた

なぜ今燃えているのか。何が問題なのか。誰が困るのか。サイゲが対応を渋るのはなぜか。爆弾とはなにか。
可能な限り書いていきます。

■はじめに

プリコネ、もとい プリンセスコネクト!Re:Dive は今、サービス開始以来の大炎上の最中にいます。

「壊れキャラ」の存在によって分かりやすく炎上しているものの、この問題の本質はもっと根深く、そして以前から指摘され続けてきたものでした。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

■炎上って、なんかあったの?

2020年1月にリリースされた「振袖キャル」というキャラが全てを"過去"にしました。

プリコネはもともとこういうゲームだったのですが、画像1こういうゲームになってしまい、炎上しました。画像2文字通り、桁違いに強いです。ヤバイわよ!!

誰もが「いや、こんなん当日のうちに修正されるやろ」と思うでしょうが、一通り猛威を振るいつくした今もなお、振袖キャルは"無修正"です。


この件で著しく影響を受けたのはコア層です。
下記はこの3日間で解散などを表明したtop50位クラン一覧。(知る限り。またクラン名は伏せて順位のみ掲載します)

12月2位→1月159位(過酷クソゲーすぎたため脱落)
12月18位→1月34位,解散(&コアメンバー引退)
1月2位→調整次第で2月度を自由行動にする
1月3位&50位→グループ解散(キャル愛クランが内部でアンチ化・分裂したため)
1月5位→2月度の目標を下方修正
1月7位→調整次第で2月度の目標を下方修正
1月16位→調整様子見のためクランを休止
1月35位→解散

クラン単位で方針決めをしているだけでもこの量です。
今月は特に上位帯の勧誘が難航している傾向にあり、様子見や引退といった言葉が節々に見受けられます。
2周年が迫っている事もあり、不安と期待の入り混じった心境で運営の宣告を待っている状態です。


■その「振袖キャル」が居なければ良いの?

結論から話すと、違います。

画像3(それはそれとして、この子はなんとかしてね)

今回の炎上は「振袖キャルが強すぎるから燃えた」と言われています。
間違ってはいませんが、厳密には「ゲームが破綻したから燃えた」のです。

この「破綻の元」、即ち「爆弾」は複数存在しています。
振袖キャルは単体でもゲームを破綻させた問題児でしたが、同時に、他の先送りにされていた問題のいくつかを表面化させる事となりました。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

■周回数(ボスのHPが少なすぎる)問題

表面化した問題その1。
振袖キャルが暴れた事により、如実に表面化した問題です。

「ボスを殴ろうと思ったら、先に倒されてしまった」
「ボスがすぐに死ぬ」
「持ち越しが吐けない」
「凸が消化できず、29時まで起きている」
「今日はクラン全体で4凸漏れた」
……etc

上記のような発言は1月クランバトル期間中、非常に多くのクランで散見された発言でしょう。(上位700クラン≒2万人ぐらい?)
これらは「振袖キャルが強すぎたから起きた問題」ですが、「ボスの体力が多ければ防げた問題」でもあります。
極端な話、
ボスの体力が1億あれば「キャルつえ~wなんとかした方が良いでしょw」と言って済んだ話でしかないのです。

追加返信)
Q.ボスの体力多いと格差が広がってゲームにならなくなるのでは?
A. 全く逆です。同時凸連携やダメコン、持越し連携がある分、今の方が勝負になってないです。


 ▼この問題は昔から指摘されていた

この「ボスの体力が少ない問題」は上位クランでは昔から散々言われてきた問題です。※1※2※3

 ※1:"上位クラン"の明確な定義はありませんが、イメージしやすいよう、ここでは"100位以内のクラン"とします
 ※2:エリコに専用装備が付いた頃から言われ続け、かれこれ1年は言われています。
※3:余談ですが、「同時凸」は体力が少ないせいで行われる連携です。

"個人技(編成/TLを含む)や連携によって高いダメージが期待できる上位クラン"だけの問題
として対応を先延ばしにされてきた事が、振袖キャルというハイパーインフレによって一時的に表面化し、多くのユーザにとっての問題になりました。


 ▼問題1の本質

この問題の本質は振袖キャルではなく、
ボスへの挑戦が四天王方式である事
であったり、
1~3凸で倒せてしまうほど体力が少ない事です。

もし振袖キャルを亡き者にしようとも、この問題の根本的な解決に着手しなければ「ちょっと緩和されただけ」もとい「いずれ再発する問題」にしかならないのです。

要約:終末形式でボス出したり体力増やしたりして


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

■装備、Rank、★(ほし)問題

表面化した問題その2。
端的に言ってしまえばキャラを育てない方が有用という問題です。

「振袖キャルを★3から★5に上げたのに、ワンパンするには★3じゃないとダメらしい。★3の方が★5より強いって、そんなバカな話があるか!?」
と言って炎上しました。

(※)
一部で言われている、振袖キャル★3>振袖キャル★5という図式は正確ではありません。★5でも倒せるボスは多いですし、そもそも亀は★5でしか倒せませんでした。

実は、これは最初期からず~~~~~っと言われていた問題です。
(裸足コッコロ、Rank9マコト、★4アンなど)
そのため「表面化も何も元からだろ…」と思った方も多いかもしれません。

 ▼過去の例

最古の例は「装備付けない方が良い問題」です。
基本的に「TP上昇」か「TP消費軽減」の値が下がるランクアップを嫌われる問題です。
(※TPとは、必殺技ゲージの事です)

その代表がRank9マコトでしょう。
ボスの防御が高い。デバフを掛けたい。マコトのUBを早く撃ちたい。
そのため、マコトの「TP上昇」ステータスが最も高いRank9で止めておくのが良いとされていました。
これは当時かなりの問題であり、紫装備であるRank11が実装されてもなおRank9マコトが主流だったほどです。
(トップクランでは加入条件にもなったとか。)

マコトのRankは現在14~16が主流ですが、この問題が解決した訳ではありません。装備差のインフレに付いていけず、途中で死んでしまうから上げざるをえなかっただけです。

★問題も同様に、「★4アン」などが昔からありました。
中でも★4アンはラスト1秒にUBをもう一発撃てるかどうかの分かれ目であり、それによって後続のUBダメージも大幅に変わってしまう事から、★5アンに上げるのは厳禁でした。
(中でも★4アンは公式配信の運営端末に出てきたほど有名でした。)


 ▼なぜ表面化したか

何度も言うように、上位と言わずとも、クラバトをそこそこ遊んでいた層からは周知の事実であり、長い事指摘されていた≒表面化していた問題です。

逆に言ってしまえば、今までは「50万や100万(20%程度)のダメージ差を求めるストイックさ」がなければ問題にならなかったわけです。

それが、振袖キャルが強すぎたあまり、「クラバトにあまり熱量のないユーザでも許容できないダメージ差」となり、大半のユーザが問題視するようになりました。

「100万差で★5厳禁とか言ってるガチ勢やべ~w」とは言えても、「1000万差があっても良いでしょ。気にすんなよ」とは言えない訳です。
(※あえて皮肉っぽく書きました。)

 ▼問題2の本質

この問題の本質は、「育成度合いの不可逆性」ではなく
「育てた方が弱いケースがあること」です。

また、もっと具体的に落とすと
「TPを下げる成長があること」です。

この問題の解決策としてよく
「Rankや星を自由に上げ下げできるようにする」
が挙げられますが、それでは解決になりません。

それはなぜか。
Rank(装備の着脱と強化)や★を自由に上げ下げ出来るようにするとします。
すると、次は専用装備の強化レベルが問題になります。
それも弄れるようにするとします。
すると、次はEXスキルの強化レベルが問題に。(開始時に防御300アップなど)
それも弄れるようにすると、次はレベル(基礎ステータス)が問題になります。
そうやって、際限なく上げ下げ出来る要素を増やさないといけなくなるためです。

そもそも、「レベルまで低い方が良い」なんて、もはやゲームとして破綻していますよね。


……もうお気づきの方もいるでしょうが、これは大小の問題で、現在も既にゲームとして破綻しているんです。
新装備を付けたら、ランクアップしたら、スキルを強化したら、★を上げたら、レベルアップしたら、弱くなってしまうかもしれない。
だから、育成できない。


狂ってるとは思いませんか。


 ▼問題2の解決方法

問題2の真なる解決策は「TP上昇の計算式を変える」です。
ちなみに、ゲーム全体に影響するので破壊的な仕様変更には間違いありません。

ステータスにおける「TP上昇」の数値は高いほど良い、という話はしましたね。
しかし、★を上げたり、レベルアップをしても「TP上昇」のステータスに変動はありません。(なんなら、上がってほしいですよね。)
では、どうして★やレベルを上げると弱くなってしまうのでしょうか。

それは、ダメージを受けた際に溜まるTPの量が「受けたダメージの割合」で変化するためです。

ザックリ例)
★3:体力が1000で、500のダメージを受けたため、TPが500溜まる
★5:体力が1300で、500のダメージを受けたため、TPが400溜まる

このシステムはかなり害悪で、「回避」というステータスにも悪影響を与えています。
「敵の攻撃を回避!ダメージ受けてないからTPは上げないけどね~」となってしまうため、避けるとTPが貯まらず不利なのです。
そのため、コッコロは回避の上がる靴を履いてはならず、現在は「裸足コッコロ」が主流です。
(もっと行くと、Rank10止めのぷにコロも居ます。)

ちなみに、敵の攻撃を防ぐ「バリア」は本体が0ダメージでもきちんとTPが貯まる仕様になっており、デメリットになる事はありません。
これが正しい実装ですね。つまり、回避はもはやバグです。早く直して下さい。(ボスの攻撃が必中になるだけでも良いです!


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

■これまでのおさらい

長くなってしまったので、一旦おさらいしましょう。

・上位は昔から下記2点に悩まされており、運営に要望を送り続けていた。
 ①ボスの体力が少なすぎる問題
 ②キャラを迂闊に育てられない問題(TP上昇の仕様が糞)
・振袖キャルがインフレを起こしたため、これらが大勢の問題になった。

もうお分かりですね。
もし振袖キャルが初めから存在せず、今まで通り「上位だけの問題」に留まっていたとしても、これらはいずれ全員の問題になるのです。

要約:言われてるもの、早く直せ。


……さて。予想外にボリュームが膨れたため、一旦ここまで。
興が乗ったら下の4つを書いていきます。

・振袖キャルはコンセプトから間違っている(こんなの壊れて当たり前)
・対応を間違えるとプリコネが終わる
・サイゲームスが絶対に返石をしない意思を見せている理由
・開発結構変わったんじゃないの?

では、また。




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
おまけ

 ▼振袖キャルが特殊なだけ?

「振袖キャルみたいな超インフレがなければ今後も上位だけの問題なんじゃない?」と思われるでしょうか。しかし、そんな事はありません。
その最もたる例が「初日3段階目問題です。

初日のうちに1段階目→2段階目→3段階目を全て検証する必要がある
上位では、これも悩みの種の一つです。

段階が切り替わると編成も変わります。
2段階目の編成で3段階目に挑むと、全滅する事もありますよね。
そのため、段階が切り替わると模擬で確認しなければならず、停滞します。

3段階目には11周目から入ります。
この「11周目」に初日から入る層は毎月増え続けています。
初日に11周目をタッチするようになったのは2019年9月度です。
当時、初日3段階目に到達したのは50クラン程度でした。
しかし、2020年の1月には555クランまで増えています
5ヶ月で10倍。
なら更に半年後にはどうなっているか。想像に難くないですね。


こういった問題は他にもあります。
クランバトルは明らかに上位向けに難易度を調整されているにも関わらず、プレイ体験や日程など、軸足は全く別の場所に置かれており一貫性がありません。(中でも平日スタートは本当に勘弁してほしいです。)

悪いプレイ体験とは、自傷クリ(ソルコン含む)や敵のクリ、確率スタンなど、プレイヤーにとってマイナスなだけの運ゲーを一発勝負で強いられるストレスの事です。(クリネはハイリスクハイリターンで個人的には許容)
「こういうランダム要素があったら深みが出るだろう」ではなく「こういう理不尽があったら難しく感じるだろう」という浅はかな開発を見せつけられているようで腹が立ちます。

これらの爆弾をいくつ処理出来るのか。注目です。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?