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You&Iの多様性と革新性について: Complete Discography補完テキスト

 You&Iの過去音源を全て収録した完全盤ディスコグラフィーが2枚組LPでRepeater Recordsよりリリースされた。Repeater Recordsについては以前の記事でも触れているが、Funeral Diner、City Of Caterpiller、Gospelといった歴史に埋もれそうなEmo,Screamo文脈のレコード達を再発するレーベルとして活動している。既にご存知の方も多い方と思うが、2010年代後期から2020年にかけて2000年代Screamoの再評価の動きがあり、多くの廃盤レコードが再発され日の目を見ることになった。You&Iだけに限らず、ヨーロッパでもDaitroやRaeinといった2000年代の名作達が一気に再発されている。そして、これはあくまで個人レコード店を運営している僕の感想でしかないのだが、明らかに2000年代の当時のリアルタイムよりも売れているのではないか?と思えるのだ。過去の記事でも言及しているが、Touche AmoreやDeafheavenといった今最前線で活躍しているバンドたちが自身のルーツとして公に語っていることも追い風となっているのだろう。90年代のハードコアは僕自身もリアルタイムでは無いのだけれど、だからこその視点で今回はYou&Iについて書いていってみようと思う。

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