デザイナーがデザインを言語化するということ
デザイナーであれば、当然自分のデザインを説明する場面に遭遇するかと思います。経験してみると分かりますが説明をするというのは中々に難しいものです。特に非デザイナーに対してデザインを説明するということは。
これは僕が制作会社から事業会社へ転職した時に気づいた、デザインを言語化する(できる)ということの重要さやその効果について書いたものです。
デザインをうまく言語化できないという気づき
まず僕のことを少し話すと、僕は美大でデザインを学び、webの制作会社へ入社した後、デザイナーの一切いない事業会社へ転職しました。開発部に配属された僕は当然エンジニア達と一緒に仕事をします。理論や法則性を重んじるエンジニアに対してデザインを説明していく中で、デザインをいかに定量的かつ理論立てて説明できるかということの重要性に気づかされました。しかし、ある程度デザインの知識を持っている人とそうでない人への説明の難度は全く変わってきます。
「なんとなくここはこれぐらい余白を空けておきたい」と言った場合、デザイナーならなるほどねと理解してくれます。
ですが、そのなんとなくを言語化できていない自分がいることに気づかされたのです。そこ説明しないとダメなのか…とか、いやむしろ説明とかしなくても良いのでは?などという暴論が頭をよぎりましたが、やはりそこは説明できるようになりたいと思ったので僕は初心に帰ってデザイン入門系の書籍を読み漁ることにしました。(何を読んでいたかは後述します)
デザインを言語化できるメリット
僕は書籍やドキュメントを読んで知識をためていくうちに、ある程度デザインの説明が上手くいくようになっているなと手応えを感じるようになりました。そしてメリットとしてその副次的な効果も実感していました。
それは「自分のデザインに自信を持てる」ということです。デザインを説明できるということは、何故そうなのかという説得力もそこにあるということになります。
またもう一つ大きなメリットとしてはデザインに納得してもらえるということだと思います。言語化できていないデザインを通した場合、少なからず疎外感を感じる人が出てくるでしょう。そうした人にはデザイナーは好きな絵作りをしたいだけの人に映ってしまうでしょう。デザイナーへの信頼感を得るためにもデザインを言語化するスキルは必要です。
冒頭にも書きましたが、デザインを言語化するというのは簡単ではありません。ですが、だからこそそれができるとあなたの、ひいてはチームの強みになります。社会に出て感じましたが、自分のデザインを言語化できないデザイナーは少なくないように思います。また、そのことでその人が損しているなと思う場面にも遭遇しました。言語化できることが絶対ではありませんが、それに越したことはないと思います。今まさにデザイナーになろうとしている方や、かつての僕と同じような境遇にある方はぜひチャレンジしてみてください。
以下おまけです。
デザインを言語化するために参考にしたもの
細かい内容は割愛しますが、僕がいくつか読んだ中ではデザイン入門教室という書籍が特にオススメです。いわゆるデザイン4大原則の「近接」「整列」「反復」「コントラスト」の説明もありますし、色やフォント・タイポグラフィなども網羅していて1冊でかなりの情報量です。
僕は恥ずかしながら上述のデザイン4大原則(こちらで詳しく説明されています)をそもそも知らなかったので「なるほど、僕が感覚的に理解していたのはこういうことだったのか!」と目から鱗でした。
その他にも IBM Design Languageというサイトを読んで、フォントのジャンプ率に黄金比だけでなく音階を使うのか〜と感心したり、タイポグラフィについて基礎のところから学ぼうと思い、タイポグラフィの基本ルールを読んだりしてデザインを言語化するための知識をためていきました。
またUX系ですと、当時読んでいたわけではありませんが、融けるデザインはやはり大変参考になりました。なぜなのか?と考える思考法を養うきっかけにもなりました。
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