イベントレポート講座をアイドルオタク目線でレポートしてみた

2021年10月15日(金)〜17日(日)に開催される『note CREATOR FESTIVAL 2021』(noteフェス)に向けて、プレnoteフェスが始まっています。

10月6日には『noteやTwitterの発信力を上げる「#イベントレポート講座」』が行われました。

講師はnoteディレクターの塩畑大輔さんとnote PRの金子智美さんのおふたり。塩畑さんは記者としての経験を踏まえたイベントレポートの書き方を、金子さんはTwitterでイベントを実況する具体的な方法を、それぞれメインにお話してくださいました。

おふたりの話を聞きながら、私が今まで趣味でやってきた「アイドルのコンサートレポート」に通ずるところがあると思ったので、今回はアイドルオタク目線でレポートしてみたいと思います。

メモらずにみてみませんか

最初に塩畑さんがイベントのレポートを書く人に向けて提案されたのは「メモらずにみてみませんか」ということ。メモらなくていい理由は、執筆に必要な要素はそんなに多くなく、覚えている範囲内で書いたほうが「自分らしいレポート」になるということでした。

塩畑さんが考える「レポート記事を書く時に必要な要素」はこちら。

①ハイライト or パンチライン
・イベント内で最も印象に残った場面
・最も心に残ったコメント、フレーズ

②舞台設定
・いつ、どこで
・登壇者について
・イベントにはどんな人が参加しているか
・自分はなぜ参加したのか

③解釈
・ハイライトやパンチラインについて自分はどう思うか
・なぜ印象に残ったのか分析、解釈

④未来
・今後に期待すること
(登壇者・イベント参加者・自分に対して)

以上の四つの要素を順番に書いていくと、起承転結のある記事が完成されていきます。

それでは、この四つの要素の中で、イベントの最中でしか得られない情報はどれか。①ハイライト or パンチライン のみなんですよね。他の要素は事後に調べたり、考えたりすることができるものです。

「メモらずに見る」ことで見えてくるのは、登壇者の表情や声色から本当に伝えたいと思っていることや、イベント参加者の反応から視聴者の心に響いたこと。つまり、ハイライトはどこなのか、パンチラインはなんなのか、イベント自体のメッセージや意義がどこにあるのかがはっきりとしてくるのです。

イベントをレポートする時には、「何を見た」よりも「どう見た」かが重要です。イベント全体の流れではなくポイント、登壇者同士のやり取りよりも言葉、イベント会場の雰囲気よりも明かされたエピソードや事実が、「どう見た」のかを示す要素であり、イベントレポートを通して伝わるものなのです。そして、noteで記事を書くことによって、レポートしている自分がどんな人間なのか知ってもらえるきっかけにもなるのです。

何のためにTwitterをやるのか

Twitterは「誰が言っているか」の影響が大きいので、まずはTwitterでどんな人たちにどう思ってもらうのかが大切である、と金子さんは言います。自分の作品を広めたいのか、同じ趣味の仲間がほしいのか、仕事につなげたいのか、目的をはっきりさせることでTwitterのアカウントは育っていきます。逆を返せば、Twitterをやる目的があるにも関わらず、やみくもにツイートしていては、届いてほしい人には届かないということですよね。「この人ってこういう人だよね」とパッとイメージされやすくするために、ツイートの内容は吟味するべきなんだと思います。

Twitterで実況することも、自分がどういう人間であるかを示すことになります。興味があるイベントの実況をすると、同じイベントを視聴している人とのつながりがうまれ、登壇者にも反応を見てもらうことができます。また、140字のツイートにまとめることによって、要約やキーメッセージを掴む練習になり、内容の理解も深まります。さらに、ツイートという形に残すことで有益な情報提供にもなりますし、自分の感度や琴線を、他者に知ってもらえるきっかけにもなります。

おすすめのTwitter実況方法

まず前提条件として、そのイベントは実況OKなのか、スクショOKなのかを確認しておきましょう。有料講座などでは「ここで教えたことは口外しないでください」という場合があります。そして、公式ハッシュタグは正しく使うこと。せっかく実況していても、ハッシュタグが間違っていると、届けたい人に届けることができません。

実況と言えど、一言一句逃さずにツイートすればいいという訳ではありません。基本はイベントを楽しみ、集中して聞きます。その中で「なるほど!」「意外!」「分かる~!」など、驚きや共感があれば、それが実況チャンスです。その内容をメモしてハッシュタグ付きでツイートしましょう。登壇者が複数いる場合は、名前+「」などで、誰が何を発言したのか分かりやすくツイートすることも大切です。スクショがOKなら、気になった箇所をスクショしておくこと。ハッシュタグで検索して、他にツイートしている人をRT・いいねする。ここまではTwitter実況初心者でも実践できそうです。

次に、登壇者が伝えたいことを要約してみましょう。箇条書きや複数スクショの添付などで、登壇者の発言をまとめていきます。場合によっては、「そうそう、これが言いたかったんだよ!」と登壇者本人がRTしてくれることも。さらに、自分の感想や考えを添えることで、実況にプラスして自分の「色」が出て、興味・関心がどこにあるのかを知ってもらえるようになります。

最後に、イベントの内容について、自分が認知されたい人たちの興味に合わせて、置き換えたり、応用案を書いてみましょう。実況しているイベントの内容が自分のメインジャンルと違っている場合、フォロワーさんにとっては、実況ツイートがノイズになってしまう可能性があります。しかし、イベントで学んだことについて、「これは○○で言うところの△△だ」という置き換えをしたり、「こうすることで○○にも役立つのではないか」という応用案を書いてみたりすることで、イベント自体に関心がない人にもイベントのメッセージを伝えることができます。それから、一番印象に残ったことや今後自分がどう活かそうと思うかを書くことで、イベントに参加するだけに留まらず、将来性が生まれてきます。ここまで来ると、あなたはもうTwitter実況上級者です。

noteとTwitterの使い分け

noteで書くイベントレポートとTwitterでの実況は、共通する点も多くあります。しかし、明らかに違う点もあります。noteはひとつの記事で完結することができるので、「何を」書いてあるのかが重要になります。Twitterは普段のツイートによって認知されている人格やキャラが前提としてあるので、「誰が」書いているかが重要になります。

これらを踏まえて、Twitterとnoteの使い分けながらイベントレポートを書く方法をまとめます。まずはTwitterで気になったことを実況していく。これがハイライトやパンチラインになります。そして、noteに実況ツイートを埋め込み、詳細や補足を書き足していくことで、総合レポートを完成させる。これが一番始めやすいイベントレポートの書き方だと思います。

アイドルオタクが書くイベントレポートについて

アイドルオタクにとって、コンサートレポートは鮮度が命。なので、Twitterを利用している人が大多数を占めています。レポートを書く人の中にも、さまざまな人がいます。自分が応援しているメンバーを追い続け、一挙一動を細かくレポートする人。MC中に話した内容を詳細にメモしてレポートする人。バックダンサーがどの曲でどの立ち位置にいるかを図にしてレポートする人。同じコンサートを見ているはずなのに、レポートする人によって見ているところは全く違います。なので、レポートを読む側も、自分が欲しい情報をレポートしてくれる人という基準でフォローをします。これこそまさに「誰が」書いているか、なのです。

それでは、私はどのタイプに当てはまるのか。実は、どれにも当てはまりません。レポートを書くアイドルオタクの三種の神器である「双眼鏡・メモ帳・筆記用具」は全く持ちません。私が手に持つのはペンライトと団扇だけです。そして、コンサート中は楽しむことが第一優先です。会場全体の雰囲気を肌で感じ、例え最後列だろうと米粒のように小さく見えるアイドルに向かって一生懸命手を振り、MCは腹を抱えて笑い転げ、コンサートが終われば涙を流しながらその余韻を味わいます。

しかし、家に向かうバスに乗り込んだ瞬間からが勝負です。時系列は無視して、とにかく印象に残ったことを次々とツイートしていきます。これがいわゆるハイライトやパンチラインになる部分ですね。

以前はコンサートMCどころか、90分のトークイベントでもメモらずにほとんどの内容を覚えており、我ながら自分の記憶力の良さにドン引きしていましたが、25歳を過ぎたあたりから明らかに覚えが悪くなってきたので、最近は図らずもハイライトやパンチラインを重点的にツイートしていく形になりました。

私は今までたくさんのコンサートレポートを書いてきましたが、その中で一番読まれてきたのは、MCレポートのツイートを埋め込んで、そこに補足情報を追加してまとめたブログ記事です。

その記事は2015年に行われたNEWSのコンサートツアーのMCについてまとめていたのですが、ツイートを元に肉付けしてブログ記事として完成させるというやり方をしたのは、この時が初めてでした。なぜそのような方法でレポートを書いたのかというと、ツイートをひとつの場所にまとめて、補足説明もプラスする必要があると感じたからでした。その公演では「ジャニーズJr.時代の思い出話や今まで語られてこなかった裏話」がメインのMCだったこともあり、NEWSのファンだけでなく、他のグループを応援しているジャニーズファンにも興味を持ってもらえる内容だったので、ツイートが今までにないほど拡散されていきました。そうすると、例えば3つのツイートでひとつの話題について書いていても、2番目のツイートだけが多くリツイートされたり、時系列がバラバラになって伝わったりしていくのが気になるようになりました。そこで、自分のブログにツイートを順番通りにまとめて、なおかつツイートには入りきれなかった内容まで書いてしまえば、もっとこのMCの面白さが伝わるのではないか、と考えたのです。そうして、ブログ記事を公開したところ、予想以上にたくさんの人に読んでいただけました。しかも、記事を書いてもう何年も経っているのに、未だにNEWSがコンサートをした日には、ブログのアクセス数が一気に跳ね上がるのです。今まで多くの人に読まれてきたからこそ、「NEWS MC レポ」みたいな検索をすると、おそらく私のブログがヒットするのだと思います。こういう経験があるので、イベントレポート講座の内容には非常に共感する部分も多く、改めてイベントレポートの書き方について深く考えることができました。

noteフェスレポーターになって「上手くレポートすることができるかな?」と不安に思っていましたが、今回の講座を聞いたことで、今まで趣味でやってきたことを活かすことができるかもしれないと、少しだけ自信を持つことができました。noteフェス当日も、たくさんの人が楽しく読んでくれるレポートが書けるように努めたいと思います。

いただいたサポートで写真に関する講座代・フィルム代・現像代・機材代に充てたいと思います。私の「写真家になりたい」という夢を応援してくださる方がいらっしゃいましたら、サポートいただけると嬉しいです。よろしくお願いいたします。