甦りの卵
少女ケルンは、勇気を出して、目の前の扉をノックした。
「はあい。」
明るい声で答えて、扉を開けたのは、銀色の髪に青い眸をした少年だった。自分と同じ年かさだろうとケルンは思った。
「あの、道に迷ってしまって。」
ケルンは急に気恥しくなって、下を向いた。
「君、酷く具合が悪そうだよ。」
「実は熱があるの。それに食べる物がなくて。」
ケルンは正直に白状した。
「まあ、入りなよ。スープとパンくらいならあるよ。具合が良くなるまで、うちに泊まっていけばいいよ。僕はクリスティーヌ。」
「わたしは、ケルン。」
奇妙な村だった。ケルンは三日ほどで、元気を取り戻し、村を散策して回った。村には少年しかいないのだ。
「ねえ、どうしてこの村には、少年しかいないの?」
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