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生け花でお茶を

お抹茶と生け花を習い始め、もうすぐで6年になる。
お茶を習い始めてから、所作が綺麗だと言われる機会が増えたのはもちろん、
日常のふとしたときに、この動作は美しくないかもしれないといった考えになることも増えた。

月に2、3回のお稽古に休まず通い、もう6年になる。
続けていても、休まず通い続けても、特に何かもらえたりすることはない。
自己満足の世界だと度々思う。

いつまで続けるのだろう、いつまで続けられるのだろう、
いつまで続けたいと思うのだろう。

そんなことをよく思う。


先日生け花のコンクールに出た際、ありがたい事に、私の生けた作品が賞に入り、
次期お家元や教授たちの前で賞状を頂いた。
緊張で何がなんだか分からず、ふわふわした状態だった。


するとしばらくして、ある方から声をかけれらる。
「あなた、お茶されてるでしょう?」

「お辞儀が美しくて、お茶をされてる方だって思ったの。」

森下典子さんの作品に「日日是好日」という本がある。
お茶を習い始めるよりも随分と前に ーおそらくもう10年以上前になるがー
お茶に憧れを持っていた私がたまに読み返していた本。

「日日是好日」には、
武田のおばさんという人が出てくる。
ーーあの人は、タダモノじゃない、一人だけお辞儀が違う、
お茶の先生をやっているーー

武田の先生はお茶の先生で、主人公の母によると、
大勢いるなかで、ひとりだけお辞儀が違うとのことだった

お茶を習い始めたころは、’武田のおばさんみたいに自然と綺麗なお辞儀ができるようになりたい’と思っていた。


「お辞儀が美しくて、お茶をされてる方だって思ったの。」

この言葉をいただいて、どれだけ救われただろう!
私は生け花もお茶も同じ先生に習っているのだけれど、
思わず横にいらした先生に、ー生け花のコンクールの受賞式後なのに!ー
「先生!!私、お茶やっていて本当に良かったです!!!」と言ってしまうぐらい嬉しかったのだった。

まさかお花に関する事で、
お茶で習ってきたことを褒められるだなんて!
6年間続けたお稽古に対して、頑張ったのね。と言われてるようだった。


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