身の丈に合わないものを纏うべきではない

よく身の丈にあったものを。と聞いて育ってきました。

身の丈とはまさにその通りで、年齢でもあり、身長でもあり、立場でもあり、何もかも含めて身の丈であると思いますが衣服や装飾品の類だけではなく言葉やプライドも身の丈にあったものを纏い鎧にすべきだろうとここ最近思います。

過ぎた自信は棘になり、強すぎる言葉は仇をなすでしょう。

プライドに至ってはもう目も当てられない。

もちろん足りぬ丈も問題です。
あまりに足りない自信も言葉は見る側にはどうにもできませんがやはり居た堪れない。

着こなすように、季節に合わせて袖の丈を変えるように臨機応変に生きていきたいものです。

無理に抑えつけたり、飛び出ようとしなければきっと問題はないでしょうけれど服を選ぶのと同じように私達はきっと無意識に言葉や態度を選んでいます。

とても深く根源的な己の源のなにかを軸にして。

無難に生きたいように聞こえていたとしたら私の言葉が至らなかったことをここにお詫びします。

他人にそうあれと思っているわけでもありません。

でもキンキラの鎧を纏って、剣を振りかざしているように音を立てて歩く彼らがいなければ起きなかった悲劇もあるだろうと時たま想像してしまいます。

彼らが守った何かがある事も想像しないわけではありませんが、おおよそが自らの柔い心を守っているのでしょう。

心を守ることは何も間違いではないし、そうあって然るべきですが、だからといって他の人の心や何かを無差別に傷つけて良いかは別問題の筈です。

きっと私にもそんな時期があったかもしれないし、知らないうちに私が傷つけた人がいるかもしれないからせめてこれからは気をつけたい。

私が私を卑下する事で悲しむ人もいて、
私が幸せである事がどうしようもなく辛い人もいるら

いつか一緒にいられないのなら一緒に死んでほしいと本当に言われた事がありました。

振られたら死ぬ、みたいなことを言った人もいました。

どれも本気でないことは分かっていたけど私はどうしても苦しかったし、今でもたまにその人たちを夢に見ます。(なんか例え悪かったかも)

その人たちはどうやら今も元気に生きているらしいことは風の噂で知っています。

身の丈に合わない言葉ってまぁなんでしょう、簡単に言うと嘘になってしまうと思うのです。

プリンセスに憧れて彼女たちの言葉遣いを真似することを咎めたいわけではありません、伝えたい想いの激情に身を任せ大袈裟な言葉を使う事が悪だとはいいません、ただそこには覚悟が必要です。
嘘をつくのであれば隠し通す覚悟や、嘘を本当にするという覚悟が。

吹いて飛ばされるような透けた覚悟を纏う必要はないはずです。

一体それがどんな鎧になるでしょう。
きっと装飾品にだってなりません。
本質的に自分の心なんて自分の心以外は守ってはくれません。この心一つで生き延びなくてはいけない世界です。

だからこそ本当の事を言葉にすることは、本当の自分を出すことは、多分結構怖い事で勇気がいる事だと思うからきっと致し方ないとも思う。

ダボダボのジーンズをかっこいいと思っている人もいるし、成長を期待された制服にいつまで経っても体が追いつけなかったり、伸び切ったジャージでも丈が足りない事もある。

頑張ってヒールを履いてみた少女のようにそんな姿が愛おしいことはあるけれど、どうしたって恋焦がれてしまう程に惹かれるのは身の丈にあったスーツを着こなす人だったり、スカートを靡かせる人だったりします。

身の丈に合わないものや事を否定はしません、だけど私はあつらえた様に身の丈に合ったものを着こなす人にどうしようもなく焦がれてしまう。

そんな人に私はなりたい。

私の言うそんな人たちの中に1人の先生がいます。

その先生は、着飾らず(もちろん良い意味で)等身大のまま卑下する事も遠慮する事もなく 1人の人生の先駆者として、いろんな事をただの生徒の私に真剣に話してくれる方でした。少なくとも私にとっては大変ありがたい言葉達ばかりをくださいましたし、なにより親身になってくださったその時間が救いでした。

卒業式の後、先生に感謝のメールを送った時も丁寧に、だけど事務的ではない言葉をのせて返信をくださる方でした。その時のメールは今でもたまに見返しては元気をもらいます。

お話やそのメールの内容の素晴らしさと私にとっての尊さを語るには3年間の全てとそこに至るまでの私の人生の一部を語る必要がありますし、私が言葉を尽くしたところであの時の私の涙の一欠片分も伝えられませんのでご想像にお任せします。(きっとブッダが想像しても及ばぬ域であることだけはお伝えしましょう)

今はもうお会いする機会もなかなかありませんが、いつかばったり会った時に恥ずかしくないようにと思っています。

人の素晴らしさを伝えるには私の言葉はまだ至りませんね。なんだか話が逸れてしまいましたが、この気持ちの一片でも伝わっていたら嬉しいです。


こんな時期だからいつもより恩人達の健康を祈らずにはいられません、外出するにも今の自分の身の丈にあった範囲で過ごしたいものです。

未だ人類の医学が及ばぬ天災溢れる域に自ら向かう必要はありませんので。


いつかこれを読んでいる貴方と袖振り合う日があれば着飾らずに身の丈に合ったお話をしましょう。

最後までお付き合い頂きありがとうございます、今回は2173文字でした。

読んでくださっただけでとても嬉しいです!いつもありがとうございます!