ネコクインテット (バレエショートショート)

今日の藍は、先生の友人が主催する発表会の助っ人だ。眠りの森の美女に出る長靴を履いた猫役がコロナにかかった。舞台に穴をあけるわけにはいかず、藍はぶっつけ本番の代役だ。

そこはキッズバレエなので、子猫役の少女が５人もいる。従来は長靴を履いた猫と白い猫がオーロラ姫の結婚を祝いに来るだけなのに。藍は猫の親玉として長靴を履いて５人を誘導しつつ踊る。発表会だからこそ、そこの先生のオリジナルの振り付けが多いこともあるから驚かないが、途中で歌うときいてさすがにこれは、と思った。

そこの先生は元来オペラ好きだそうで、猫の鳴き声を五重唱にしたｸｲﾝﾃｯﾄにしていた。バレエの場合は、2人で踊るならパドドゥ、3人ならﾊﾟﾄﾞﾄﾛﾜ、4人ならﾊﾟﾄﾞｶﾄﾙ、さしずめこの場合は5人なのでﾊﾟﾄﾞｻﾝｸだろう。しかしその先生はネコｸｲﾝﾃｯﾄといってはばからぬ。

藍は仕方なく即興で歌った。ネコ役の少女たちの笑顔と観客の拍手が心の支えになった。

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たらはかにさまの企画に参加中です。

長靴を履いた猫は、眠りの森の美女の全幕物でオーロラ姫の結婚式の祝い客として出演します。下記の動画はマリンスキーのもの。男性が一番猫ぽい衣装ですね。３分弱。

こちらはいろいろなバレエ団のそれを編集されたものです。
お衣装もいろいろ。7分半。