森見登美彦について

松岡です。僕は京都の大学に通っています。京都の作家といえばやはり最近だと万城目学(読んだことはない)や森見登美彦なのでしょう。出身は東京ですので、高校までは特に京都の作家に関心を寄せていたわけでもなく、「夜は短かし…」をせいぜい読んだことがある程度でした。
ただせっかく京都に来たのならと思って森見の本を人から借りたり自分で買ったりして5,6冊読んでみたのですが、これがなかなか面白い。

つまり京都という土地はかなり狭いので、普段通る場所が「聖地」である場合が多いのです。フィクションと現実を連続的に(自由に)行き来出来るという体験は刺激的です。

じゃあ東京にそういう作家がいないのかといったらそういう訳でもない。僕は庄司薫という作家が非常に好きなのですが、彼の「赤ずきんちゃん」シリーズは東京のあらゆる場所が舞台になっています。やはりこれも主人公のあり方を追体験できていいのです。

庄司薫の作品は70年代に出ました。主人公は日比谷高校に通う生徒。一方で森見登美彦でよくあるのは冴えない京大生。キャラクターの社会的属性?がよく似ています。それどころか内容のテーマ性もどことなく似たり寄ったりで、僕は勝手に東の庄司、西の森見と言っております。

んまでも内容的に味わい深いのは庄司薫かなぁと思っちゃいます。ある日、進々堂(「夜は短かし…」の最後のシーンで出てきます)で友達と森見作品を喋りあったことがあるのですが、あまり彼の作品は語ることができないのです。言ってしまえば主人公のキャラが濃い様に見えて実はかなり表面的なのです。逃げ恥の星野源みたいな感じでしょうか。娯楽作品というか、一人で読んで楽しい書物なのですね。聖地巡礼も一人でやった方が楽しそうな感じ。

一方で庄司薫の登場人物は、どことなく若々しく哲学的で、非常に普通なのですがその普通さがとても味わい深くて僕は幾らでも喋れてしまう。可愛いんですねぇ。

何を言っているのかわからなくなってきましたが、地元の地名をよく使ったり、主人公のあり方など、共通点の多い2人。多分森見登美彦は庄司薫作品を知っているんじゃないかと思います。

森見さんは結構いろんなジャンルをお書きになるので一口で言うことはできないですが、まぁそんなところですね。雑記ともいえない何かでした。

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