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小説『再会』第八章「さよなら初恋」

放課後の教室で見た永山春翔と美紀のことがずっと気がかりであったものの、ふたりに関する浮ついた話題 が上がってくることもなく、私の心のずくんとしたものは日に日に薄れていき、数日も立てばその痛みを思 い出すこともなくなっていた。

それに、「彼氏は他校の人」という美紀本人の口から発せられた言葉を、私はただはっきりと信じていたのだ。

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