永遠も半ばを過ぎて

すっかり冬籠りした白髪の山々に囲まれた古都は
新たな一年を迎えても変わらぬ落ち着きを見せる
町を埋め尽くす群衆、立ち込める人いきれ
振り向けば道すがら辻説法
そんなのも粋じゃあないか
かつて生きた町、とても好きな町
湧き上がる水を手で汲み口に運ぶ
満ちわたるやわらかな空気を全身にまとい
いつか見た人魚の幻影を追う
この地に存在するすべてが常に変わらず古より残り
そして、当然の所作が如く後世へ語り継がれていく

あゝ、なんと逞しき生命のリレー

変わらないことの重さを認識し
残すべき血筋を確かに受け継ぎ
伝えるべき何かを綴り、語る
かつての若者はいつしかこの町の顔役に
その生き様、それは思うに
あるべきものをあらしめる覚悟と決意

永遠も半ばを過ぎて
万里の歩みの末に見出すものはきっと
光の眩さと暖かさ
古都を包むように照らし始めた朝日を浴びる
恍惚とした表情は未来への活力を得たかのよう
誰かが衝いた鐘の音が北山から鳴り響く
全力で生きる皆を鼓舞する空気の鳴動
我が瞳は確かに人魚の姿をとらえた
その遥か向こうまで続く道を見据え
再び訪れる誓いを立て、平凡を良しとする日々を刻みゆく
この足で踏みしめる大地が此の地と彼の地をつなぐ
昨日紡いだ絆は常に永遠に胸の中

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