#俺ストラト1「Fender Japanを現場仕様に」

こちらではご無沙汰しています、ミュージシャンの坂本光久です

#俺ストラト 」というタグを付けてTwitterにストラトの改造内容を投稿するという謎の行動を初めてはや数ヶ月。ストラトの改造は非常に面白いのでいままでの経緯をnoteにまとめますね。時系列的に飛んだりもしていますがご容赦を。おうち時間のお供に、イイチコ片手に読んでください。  

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Twitterによく登場する白いストラト。これ、もともとはただの90年代半ばくらいのFender Japan(以降F/J) ST-62だったんです。どこにでもある、定価6万くらいのストラトです。ローズウッドの指板にバスウッド ボディという仕様ですね。

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在りし日のお姿をご覧ください。

たしか2018年頃に仕事帰りの池袋イシバシ楽器で見かけたものだったと思います。坂本の最初のエレキがF/JのST-62だったので懐かしさのあまり購入したんですが改めて弾いてみるとよく出来ていると思います。この価格帯でよくぞ、ってなもんです。

試しにサポートのリハで使ってみるとフィーリングは悪くないけど

抜けて来ない

低域薄い
中域もっと欲しい

みたいな。あともう二歩くらいの感じで。フレットもベコベコだし、ちょうどバックアップ用のストラトが欲しかったのでこれを機会に手を入れようかな?と思ってさっそく実行。

1.ステンレスフレットへの打ち替え

まずは若手リペアマン松本くんの所に行って、現場用にステンレスフレットに交換してもらいました。80年代頃のフェンダージャパンなんてもう40年近くも弾かれているわけで‥大抵はフレット周りはボロボロです。ここは早く替えた方が精神衛生上も良いですしプレイアビリティも音もグッと良くなります。また指板Rも平ら気味に修正出来るのでチョーキングが楽になりますよ。自分はフレットをJESCAR #55090 にしました。音も早くて和音も綺麗に出るしいい感じ。噂通り、確かにキンキンした高域が耳に付きますね。ただ、これは他のパーツとの兼ね合いでなんとかなるかな?とは思いました。

それから、フレットが硬いせいで弦が死ぬのがやたら早いです‥これは知らなかった。

https://www.soundhouse.co.jp/products/detail/item/167558/

エビデンスは無いのであくまで噂レベルですがヴィンテージギターのフレットに一番近いのがステンレスフレットだ、なんていう話も聴いたことがあります。
果たして‥?

2.サーキット関係を現行品に

次にコントロール関係を現行のCTS、スイッチクラフトのパーツに交換し、配線を単線に。コンデンサをセラミックコンデンサに。この頃はまったく知識が無かったので秋葉原辺りでそろえた単線の配線材などを適当に使っていました。

余談ですが、壊れてもないのに「もっと音が良くなりそうだから」と内部パーツをCTSやスイッチクラフトに交換するのは考えものです。枯れた音が好きだったり、ギャリギャリしてない音が好きならやめておきましょう。音、だいぶ変わりますよ。この頃は知識が無かったので思いっきり交換してましたが‥
とくにインプットジャックは保存しておいたほうがいいかも知れません。自分はスイッチクラフトと交換したけど音が気に入らず元に戻しました。イナたい感じが無くなってしまったので。

3.PUを交換

そしてPUを「Suhr ML」に交換。マイケル・ランドウさんのモデルですね。マイケル・ランドウは好きなタイプのプレイヤーでは無いんですがShurのストラトタイプの音が結構好印象だったので付け替え。あと、ライブ用のアニソン関係の音資料をもらうと「これSuhrだろうなぁ」というギターの音が本当に多いんですよね‥そういった意味でも勉強用にSuhrのPUにしてみました。

さて結果は残念ながらシャキシャキパコパコな音になってしまい相性があまり良くありません。ピッキングやボリューム操作へのレスポンスも良く音のクオリティはいいんですが高域に寄りすぎてしまった印象です。これをマーシャルで鳴らすとしんどいなぁ‥という音ですね。ミッドレンジの分厚さもなくて自分としてはやや残念な結果となりました。

4.Ovaltone NEROコンデンサへ交換

そんなシャキシャキ系の音に困ってたある日、ネットの海を徘徊していると「コンデンサ交換でグレードアップ」的なデジマートさんの記事を拝見。ほう、これはトライしてみるかということで色々とコンデンサ交換にトライすることにしました。さっそく搭載されているセラミック・コンデンサからOvaltoneのコンデンサ「鵺」のNEROに交換。オバトンさんからよければお試しくださいとご厚意で送って頂いていた鵺ですが、かなりの効果があって驚きました。これだけでかなりイマドキ感のあるストラトの音に。レンジが広いというOvaltoneさんのエフェクトの特徴がギターにも付加されるイメージなんですが、若干重心が下がってギターらしい中域、低域もちゃんと出てくるようになりました。


■ジェスカーのステンレスフレットに打ち替え
■Suhr MLにピックアップ交換
■Ovaltone 鵺を搭載
■電装パーツ交換

F/Jを改造して現場で使おうと思ったらこんな感じの改造になりました。和音も綺麗だし、バックアップとしての役割は充分果たせるクオリティ。

改造費用で言えば7〜10万円程度でしょうか?

振り返ってみるとサポート現場でもまずまずいい鳴りをしてましたし、ヴィンテージストラトのようなムチムチの中域や太い鳴りを求めてないならこれで充分かも知れません。古いフェンダージャパンのストラトを再生させたい!的な方にはお勧めです。

あまり費用を掛けたくないけど音変えたいんじゃ〜という場合はコンデンサ交換にトライしてみると楽しいと思いますよ。

その頃のストラトの音はこんな感じでした。
コンプで叩いてブースター掛けて、ってやらないとまとまらないじゃじゃ馬でしたね‥

次回はボディとブリッジを交換した話につづきます。



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