見出し画像

【MD 遊戯王マスターデュエル】羽根吹雪採用型ふわんだりぃず構築(勝率67.5%)〜DC2024MAR用〜

 初めまして。今回、初投稿させていただきますmz39と申します。

 本記事は、DC2024MARの1stステージにて、40戦27勝(勝率67.5%)を記録し、Lv.20に到達した「ふわんだりぃず」デッキについての構築記事です。(集計が途中からなのですが、後半の勝率なのでご容赦ください。)
 銀アイコンを狙う予定のこの構築に至った経緯や理由を中心に解説したいと思います。ということで、ある程度ふわんだりぃずに触ったことがある人向けの記事になるかと思います。
 初心者向けの展開例や応用は、別記事にする予定なので、要望等あればコメントいただけると幸いです。

 本記事に辿り着いてくださった方々には是非最後まで読んでいただき、2024年3月環境にふわんだりぃずで爪痕を残しましょう!(鳥だけに)


0. 2024年3月環境におけるふわんだりぃず

 構築論に入る前に、ふわんだりぃずデッキを使う意義を確認しておきます。(早くレシピが見たい方は飛ばしてくださって結構です。)
 以下が私の考えるテーマ内で完結するふわんだりぃずの優位な点です。

  1. 特殊召喚や墓地、EX対策などのメタ回避

  2. 「えんぺん」による主にリンクモンスターへの圧力

  3. 「夢の街」による対象にとらない全体裏側守備

  4. リソース維持力

 これらのメリットを2024年3月環境に合わせて考えると、特に強調したいのは1と4です。
 1は、特殊召喚方面で最強の手札誘発と名高い「増殖するG」は勿論、烙印での「グランギニョル」や「ドルイドヴルム」、スネークアイでの「咎姫」等を空かせ、「ロールバック」の登場から更に重要になる墓地対策も効きません。また、最近流行り出した「クシャトリラ・ユニコーン」に怯えなくて良いのも嬉しい点です。
 4は、手札誘発が多く積まれる環境でかなり重要になるポイントです。先行で決めきれず3ターン目以降で勝負が決まるゲームが増えるため、干渉されにくい除外ゾーンにリソースが溜まっていくふわんだりぃずのようなミッドレンジタイプは戦いやすいと考えます。
 以上の点からも、ふわんだりぃずは2024年3月環境ではそれなりの追い風であると考えられます。

1. デッキレシピと構築論

 以下の画像がデッキレシピとなります。

1−1 マスト採用の解説

 特徴としては「冥王結界波」3枚と「ハーピィの羽根吹雪」2枚の採用かと思いますが、まずは、簡単にマスト採用の解説から。

  • 「ふわんだりぃず✖️ろびーな」ー3枚

  • 「ふわんだりぃず✖️いぐるん」ー3枚

  • 「ふわんだりぃず✖️すとりー」ー2枚

  • 「ふわんだりぃず✖️とっかん」ー1枚

  • 「ふわんだりぃず✖️えんぺん」ー1枚

  • 「霞の谷の巨神鳥」ー1枚

  • 「烈風帝ライザー」ー2枚

  • 「ふわんだりぃずと旅じたく」ー3枚

  • 「ふわんだりぃずと謎の地図」ー1枚

  • 「ふわんだりぃずと未知の風」ー1枚

  • 「ふわんだりぃずと夢の町」ー2枚

 基本からずれていないとは思いますが、「ライザー」と「夢の町」は「ライズハート」や「オーガ」対策、ロングゲームを見越したリソース確保と相手盤面の除去のバランスを考えると2枚必須だと思います。

1−2 準マスト採用の解説

 続いて、準マスト採用の解説。

  • 「封印の黄金櫃」ー1枚

  • 「強欲で謙虚な壺」ー1枚

  • 「強欲で金満な壺」ー1枚

  • 「金満で謙虚な壺」ー1枚

  • 「ジャック・イン・ザ・ハンド」ー2枚

 1枚初動が「ろびーな」しかないふわんだりぃずにとって、安定感を高めるこれらのドローソースは重要なものになっています。また、展開ルートが一本であるふわんだりぃずは「うらら」ケアが至上命題です。ドローソースを重ねることで「うらら」を吐かせる、最悪存在の認知をすることができます。
 「黄金櫃」は厳密にいうとドロソではないのですが、ふわん下級とどの組み合わせでも初動になれる、「うらら」ケアができる、ロングゲームを見越すなら時間差なんでもサーチできる強カードだと考えて採用しています。
 「ジャック」の2枚採用は「ゲーム中1回しか使わず、かぶると弱い」「とはいえ、初手にあると嬉しい」からです。相手に手札コストを渡したくない気持ちもわかりますが、今は手札コストで落としたいカードがあるため、「ジャック」で手札を渡したために負けた試合は1つもないですし、他に採用できるドロソがないため絶対に1枚は採用しましょう。「旅じたく」や「黄金櫃」などそもそもふわん下級がいないと機能しないカードを確実に機能させることができるのは、他のドロソにはない強みです。

1−3 残りの枠の解説(本題)

 最後に本題。残りの14枠の解説です。(40ーマスト20ー準マスト6=14)

  • 「増殖するG」ー3枚

  • 「D.D.クロウ」ー1枚

  • 「ディメンション・アトラクター」ー2枚

  • 「冥王結界波」ー3枚

  • 「ハーピィの羽根吹雪」ー2枚

  • 「ハーピィの羽根帚」ー1枚

  • 「三戦の号」ー1枚

  • 「三戦の才」ー1枚

 この14枠を決めた方針は2つ。
「うらら対策」と「相手の展開を1枚で終わらせられる札」です。

 「うらら」対策はともかく、1枚で終わらせる必要がある理由。それは圧倒的メインデッキスロットの無さです。例えば、環境トップデッキである財宝スネークアイの場合、クシャトリラやR-ACE、フェニックスを除いたメインギミックだけで大体20枠前後余っています。これは大体のEXデッキを活用するデッキも同じです。つまり、彼らが必死に誘発を積んで止める展開をこのデッキで再現可能かと言われたら無理と答えるしかないのです。
 しかし、ふわんだりぃずには他のデッキでは積めない「相手の展開を1枚で終わらせられる壊し札」をふんだんに積むことができるというメリットがあります。

 「G」「アトラクター」「冥王」「羽根吹雪」「羽帚」の5種が今回採用している壊し札。「G」「羽帚」は解説不要、「アトラクター」もふわんだりぃずをはじめとして、クシャトリラやVS、エクソシスターに活路を与える強カードですので、「冥王」と「羽根吹雪」について解説します。

・「冥王結界波」


 相手フィールドのモンスター効果を対象を取らずに全て無効にできるカード。モンスター効果のチェーンが不可のため、魔法罠に無効札がなければどんな制圧盤面も無効にできます。「ナチュル・ビースト」にも効くというと凄さが伝わりやすい。デメリットは「そのターン相手に与えるダメージが0になる」「破壊はしないので、そのままモンスターが盤面に残る」といったものがありますが、そもそもふわんだりぃずは「ワンキル性能が低い」「ライザーによってバウンスによる処理が可能(冥王で対象耐性が消えているのも嬉しい)」「未知の風による完全耐性を無視した除去が可能」といった点から、採用しやすいです。(「G」で止まらなくて良いのもふわんだりぃずならでは。)
 もちろん、無効系の魔法罠を構えられた場合は効かないのですが、それはそれで裏を剥がす役割がある上に、実は連打が可能なので重なっても問題ないです。
 今環境での主な役割は、「マスカレーナ」「クシャトリラ」諸々「アポロウーサ」「バロネス」。

・「ハーピィの羽根吹雪」


 一度発動してしまえば、そのターン相手の発動したモンスター効果を全て無効にできる罠カード。フィールド、手札、墓地、除外問わず全て無効。故に最強。
 もちろん発動条件が厳しいからこそ、全くといっていいほど見かけないのですが、条件は「発動時、風属性・鳥獣族モンスターがフィールドに存在する」こと。ふわんだりぃずの場合は、「いぐるん」「とっかん」「えんぺん」「烈風帝ライザー」「霞の谷の巨神鳥」が該当します。
 このカードの採用理由は、先攻制圧による壊しだけではありません。一番の採用理由は、「うらら」対策も兼ねている点にあります。「ふわんだりぃず✖️いぐるん」との組み合わせにより、「いぐるん」で展開が止まったとしても、「羽根吹雪」で相手ターンを封殺。天敵である「うらら」1枚を吐かせた状態で3ターン目を迎えることができます。その他にも、「返しきれなかった盤面を「羽根吹雪」で止めて、相手ターンに返し切る」など相手ターンにも展開をするふわんだりぃずならではの後攻時に強い役割もあります。
 これをできるかできないかが永続罠や「パキケ」「結界像」との一番の違いです。おまけで、魔法罠ゾーンで破壊された場合は「羽根帚」をサーチできる神仕様。これでラビュリンスにもそれなりに強く出ることができます。
 また、こんな強い罠採用したら「ロルバ」でパクられちゃう!と思ったそこのあなた。安心してください。「風属性・鳥獣族モンスターがフィールドに存在する」ことは発動条件なので、相手が風属性・鳥獣族を採用していない限り使われることはありません。一方的に使ってやりましょう。

 最後に残ったカードの解説です。

・「三戦の号」
 先述した「冥王」「羽根吹雪」をより強く使うためのカード。先攻では、「羽根吹雪」と「夢の町」を選択できるため本当に強い。スネークアイ環境では「フランベルジュ」がスタンバイで「マスカレーナ」を特殊召喚する都合上とても使いやすい。正直2、3枚でもいいと思っていますが、今のところ枠がないです。

・「三戦の才」
 「三戦の号」との相性が良い1枚。ピーピングハンデスが先攻、後攻ともに強い。とはいえ「冥王」との相性はあまり良くないので、(墓地効果の発動に対して使ったりはできる。) 「三戦の号」の2枚目に入れ替えても良いかもしれません。

・「D.D.クロウ」
 「ろびーな」からリクルートできる手札誘発。正直自由枠だが、ティアラメンツの復権や普通にスネークアイ、レモンにも刺さるため入れ得と判断して採用。こちらも「三戦の号」の2枚目、3枚目の入れ替え候補。

1-4 EXデッキの解説(おまけ)

 今回の構築では、ほとんどEXを使わないので、正直割愛してもいいのですが簡単におまけ。
 ・「アーゼウス」セット
 偶に使うのですが、基本的にはこちらのミスにより相手ターンの「夢の町」展開が止められ下級が残ってしまった上に、リリースするための上級もいないという時だけ使います。能動的に使うには「謎の地図」が必要なので、それなら普通に展開したほうが強いからです。とはいえ採用しない理由はないので採用。
・「LLーアンサンブルー・ロビン」
 「アーゼウス」セットと同じ採用理由。一度使ったことがあり、その時はこちらに「未知の風」だけあり「謎の地図」はなし。「えんぺん」を持ってくる手段もなかったので、手札に持っていた「巨神鳥」だけ相手を巻き込んで召喚。「巨神鳥」を流したくなかったので、「アーゼウス」ではなく「ロビン」を出すといったものでした。結局限定的な使用であることに変わりはありません。
・「深海姫プリマドーナ」
 今は全く使わないドラグマを採用していた時の名残ですが、お気に入りなので紹介。このカードは墓地に送られた時に除外されているカードをデッキに戻すことができるのですが、カードというのが重要。「電脳堺姫ー娘々」と同じく、カードならなんでもいいので裏側除外されていても戻せるのが優秀。ふわんだりぃずは制限カードも多いので、もしEXデッキを墓地に落とす機会があれば活躍させてあげたいカードです。
 

2. 今回採用を見送ったカード達

 本構築は「冥王」や「羽根吹雪」を採用している都合上、一般的なふわんだりぃずデッキで採用されているカードが入っていません。一般的な構築を曲げてまで本構築にする必要があるか、個人的な見解を述べておきます。

2−1 「ドラグマ」セット

 最も一般的な出張セット。先攻は「ガルーダ」によるリソース確保と「えんぺん」の召喚効果を使った「エクシア」召喚からの「パニッシュメント」サーチ。後攻も「ヌトス」落としがまくりに貢献します。
 確かに、「うらら」を吐かせる役割はある上、EXデッキを有効活用できるものの、「セット内の被りが弱い」「後攻のまくりには心許ない」「ロングゲームに貢献しない」等の理由から不採用です。

2−2 「灰流うらら」

 「G」と肩を並べる手札誘発の2大巨頭。大体のデッキに刺さるし、ふわんだりぃずの天敵でもあります。
 しかし、「うらら」の一番の役割対象である「G」が効かない上に、今の環境デッキは「うらら」一枚ごときでは止まらないため不採用。

2−3 「墓穴の指名者」 

 汎用的な手札誘発ケア。墓地メタにも一役買うため、先攻、後攻ともに強いカードです。
 「うらら」ケアを至上命題にしているくせに不採用かと思う方も多いでしょうが、現在は「他の強カードに吐かせる」「うたれても問題ない状況にする」ことでケアし、「うらら」が無かったら無かったで強くなるカードの採用を優先しています。また、「墓穴」は他の手札誘発に強いこともメリットに挙げられますが、最強の手札誘発「G」は全く効かない上、「ヴェーラー」も「旅じたく」でケア可能です。よって今回は不採用としています。
 しかし、墓地利用が増えてきた今環境。妨害札も兼ねたカードとして有力な入れ替え候補です。入れるなら2枚。「クロウ」「三戦の才」あたりが候補でしょうか。

2−4 「抹殺の指名者」

 「墓穴」と同様に汎用的な手札誘発ケア。デッキに入れているカードによっては、モンスター以外も無効にできるのが強いです。
 だが、言わずもがな「うらら」を不採用な時点で「抹殺」も不採用。このカードは環境デッキがミラーに強く出る意味が強いと感じています。「墓穴」を採用していない理由に、「抹殺」採用しないのに「墓穴」だけ採用するのが中途半端で気持ち悪いというものも少しあります。

2−5 「月の書」

 シンプルイズベストを体現する古のカード。ふわんだりぃずとの相性の良さは周知の通りで、裏守備でもリリースには問題ないことから、先行では対象外し、後攻でも返し札として使える強カードです。
 しかし今回のテーマは「うらら対策」と「相手の展開を1枚で終わらせられる札」と微妙に役割が食い違います。採用しなくともしっかり勝率が出ましたので今回は不採用です。
(採用を検討する余地が実はあり、3で後述する本構築の弱点「赤き竜」対策になる点です。スタンバイで「赤き竜」が対象にとったモンスターを裏側にできれば効果が不発になるため有効です。とはいえ、隣に「バロネス」が添えられることが多かったりと不十分な点が目についてしまいます。とにかく環境によっては検討する必要がありそうです。)

2−6 「フォッシルダイナ・パキケファロ」、各種「結界像」

 いわゆる特殊召喚メタモンスター。「えんぺん」の効果で召喚することができて強いです。また普通は通常召喚されたモンスターに殴られて終わるところを、「夢の町」の墓地効果で相手を裏側守備表示にできるため、守れるのも相性が良いポイント。
 これらのカードと比較をするのは本構築では「羽根吹雪」となりますが、「ふわん下級に「うらら」を打たれた時点で召喚できなくなる」「後攻に全く役割がない」「サーチ手段がない」の点から不採用。採用するなら「モルガナイト」を採用するなど別の構築にしたほうが良いでしょう。

2−7 「時を裂く魔瞳(モルガナイト)」

 手札効果が発動できなくなる代わりに、デュエル中の通常召喚2回と通常ドロー2枚を付与するカード。うららの妨害を受けても、もう1つの召喚権で再度展開が可能かつ、ロングゲームにさらに強くすることができると一見ふわんだりぃずと相性が良い。
 明確におすすめできないのは、「後攻に弱い」「先攻でうららケアをできる可能性が低い」の2点。前者は、「モルガナイト」が後攻に弱いだけでなく、「G」や「アトラクター」の採用が微妙になる点が大きいです。両方採用する枠がない上に、腐るカードが生まれるのがあまりにも非効率。後者はかなりの手札が要求されるというもの。ふわんだりぃず展開で先攻制圧をするなら「えんぺん」を召喚し、「夢の町」確保と特殊召喚された攻撃表示モンスターの無効化を最低限準備する必要がありますが、「いぐるん」を止められた時点で、「えんぺん」の確保がかなり難しくなり、サーチできる「旅じたく」を持っていたとしても、今度は下級の確保が難しい。結局「モルガナイト」で「うらら」ケアをしようとすると、「いぐるん」、「旅じたく」、下級1枚のセットや「ろびーな」、「旅じたく」、「えんぺん」のセットなどの3枚要求になってしまいます。手札5枚のうち1枚は「モルガナイト」なので、4分の3を求められていることになりかなり厳しいです。
 それなら、本構築で最低限「いぐるん」と「羽根吹雪」が揃えば相手ターンが凌げるようにした方が強いと判断しました。

2-8 「次元の裂け目」、「マクロコスモス」

 採用見送り最後のトピックにして、一番と言っていいほど扱いが難しいカード。これらのカードの強い点はシンプルに「墓地メタ」です。本構築では「アトラクター」でしか行なっていない墓地メタをより幅広く行うことができます。
 実は墓地メタは今環境においてかなり力を発揮します。事例としては「一部手札誘発の無力化」「シルウィアの無力化」です。特に「ドロール」や「ヴェーラー」等のふわんだりぃずにも効果的な手札誘発を無力化できるのはありがたいですし、地味にディアベルスターモンスターの墓地送りがコストの「シルウィア」を止めることができるのもありがた過ぎます。「マクロコスモス」は置いておくとしても、「次元の裂け目」であれば後攻で持っていても、先述したメリットを鑑みて充分嬉しいカードと言えそうです。
 それを踏まえても、今回採用しなかった理由は「被って弱い」、「ライザー、夢の町との相性が悪い」の2点につきます。本構築を見てもらうとわかると思うのですが、「アトラクター」以外、「サーチまたはドローするカード」か「サーチされるカード」しか採用されていません。これは「1枚でいいけど、サーチできないから仕方なく3積みする」という行為が非常に効率が悪いからです。特にふわんだりぃずの様な安定感を求めるデッキには致命的です。細かく言えば、「冥王」や「羽根吹雪」を「三戦の号」の採用によりサーチ可能にすることでより取り回しやすく。本来初動で微妙な立ち位置であった「いぐるん」を「羽根吹雪」との組み合わせで強い初動札として「仕方なく3積み」から「積極的な3積み」に変化させています。
 しかし、その例外を破ってでも「アトラクター」を採用するほど、墓地メタが強いことは疑いようがありません。それでは「アトラクター」と「裂け目」の違いはなんでしょうか。
 それは「継続ターン」の違いです。ふわんだりぃずは除外メタをかける側ですが、墓地を使えないことによる明確な弱体ポイントがあります。それは「夢の町」と「ライザー」の効果が十分に使えないこと。特に「ライザー」の弱体化は顕著です。「裂け目」なら魔法罠は墓地に送られるので、「夢の町」の墓地効果は使えるのですが、「ライザー」は除外されてしまうので、使い回しをしようと思った場合、本来墓地バウンスかフィールドバウンスを選べるところがフィールドバウンス一択になってしまいます。それだけではありません。「ライザー」の真価は「相手のデッキトップを弱くできる」点にあると思っています。単体では機能しない上級モンスターなどをデッキトップに戻し続け、少しずつリソースを削ることこそふわんだりぃずがロングゲームに強い所以です。しかし、「裂け目」により魔法罠しか墓地に行かなくなってしまうと、デッキトップに固定できるカードが制限されてしまいます。それに、わざわざ入れている魔法罠は強いことが多い。これではデッキトップに戻す意味がありません。
 「アトラクター」で1、2ターン目で明確なリソース差を作り、3ターン目以降は「ライザー」で墓地の弱いカードをデッキトップに戻しロックをかける。これこそ除外を用いた強いふわんだりぃずの戦術だと考えます。
 

3. 本構築の弱点

 しっかり本構築の弱点についても説明しておきたいと思います。

 ここでいう「弱点」とは、再三書いてきた天敵の「うらら」のような「ふわんだりぃずテーマ」に対して刺さるものではなく、今回の「構築単位」でケアしきれなかったものです。

 その弱点は「赤き竜、カラミティ」です。

 正直、このデッキタイプへの対策はできていません。対策をするには手札誘発で止めるか、相手ターンに「禁じられた一滴」で止めるかしかほぼないと思っています。しかし、手札誘発の採用に関しては先述した通り枠が足りず、「禁じられた一滴」に関しては手札コストが重すぎます。コストが墓地で再利用できない上に、「アトラクター」との相性も悪いです。だからこそ返し札に「冥王」を採用しているのですが、「冥王」はメインフェイズにしか打てず、対策になっていません。速攻魔法になってくれたら良いのに。

 もし後攻で「赤き竜、カラミティ」のデッキとマッチし、「G」が通らなかった場合はほぼ負けです。

 それではこの構築は欠陥か?と言われたらそうではないと今のところ言えると考えています。そもそも本構築に限らず、「G」が通らない「赤き竜、カラミティ」のデッキに後攻からほぼ勝てるデッキなど存在しないのですし、そこは割り切っていいと思っています。また「G」が通れば、もちろん妥協展開を返すもよし、「G」で「夢の町」と「羽根吹雪」が引ければ、「カラミティ」を無視して後攻3ターン目に返すもよしです。
 割り切ってはいけない状況は「赤き竜、カラミティ」がもし流行った時です。現環境は今のところ「赤き竜、カラミティ」がそこまで分布していないように思います。実際、私が1stステージをやっていても10戦やって2回当たるかどうか程度です。これならば問題ないのですが、流石に4、5回当たるようになると話は変わってきます。いくら割り切る負けはあるとはいえ、流石に分が悪いでしょう。「一滴」を積みやすいスネークアイ、墓地の効果が強いティアラメンツあたりに頑張って抑えてもらうしかありません。

 逆にいえば、「赤き竜、カラミティ」以外に明確に勝てないデッキはないと思っています。環境読みをする際は、主に「赤き竜、カラミティ」の分布に注目していただければと思います。

4. 最後に

 ここまで読んでいただきありがとうございました。初めての記事で拙い点もあったかと思いますが、コメントで指摘していただければと思います。
 また、展開例や応用的なカードの活用法についての追加記事も公開予定ですので、フォローして待っていただけると嬉しいです。

 それでは次の記事でお会いしましょう!

註)使用した画像データは
遊戯王 オフィシャルカードゲーム デュエルモンスターズ-カードデータベース

から引用したものです。 



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?