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ファミチキバンズを買った!

ファミチキバンズという商品がある。
「ファミチキ」は、コンビニ大手ファミリーマート(以下ファミマ)の人気商品である。
このファミチキバンズという商品は、そのままでも十分美味しいファミチキを、パンに挟んでバーガー風にして食べることで更に美味しくいただこうという魂胆だ。
私がファミチキバンズを初めて見た時、私はこれを恥ずかしくて買えないと思った。
ファミチキバンズとファミチキを同時に買ったら、その後挟んで食べるのは明らかであり、店員にその姿をありありと想像されるのが何となく嫌だった。
だからといってファミチキバンズを単独で買ったら、本来セットで買うべきものを単独で買うむしろ不審な客になってしまい、それはそれで訝しがられてしまう。結果、ファミチキバンズには手が出せないのだ。
これを私が当時のTwitterで発言したところ、ある程度の共感を得られたほか、まとめサイトにも同様の意見が見られた。

その後、同様のツイートがバズったり、2chでスレッドが立ったりする中で「スーパーで買い物する時にも気にしてしまう」とか、反対に「生きづらそう」とか、様々な意見がある姿を見てきたが、このファミチキバンズが、ファミマにある数多くの商品の中で最も気になるけど敬遠している存在だったのは確かだった。
ところで、最近の私は精神状態が比較的よい。(それがやるべき課題から目を背けて遊び呆けているからというのは一旦触れないこととして、)こういう時は普段できないことに挑戦する絶好の機会である。
そして、小腹が空いて帰り道ファミマに寄った時、私のお気に入りである「バタークロワッサンメロンパン」(本当に美味しいのでぜひ食べてほしい)を買うついで、ファミチキバンズとファミチキを購入した。

レジでは最近現金を入れすぎた楽天ペイを使った(以前人を待っている時、寒いのでコンビニに入ったが、買いたいものもないのでATMで1,000円をチャージしてはウロウロし…を繰り返していたのだ。今思えば余計不審だったと思う)。
還元率がほんの少し高いからといって、就活時に受けるだけ受けてESで落ちた会社の売上に貢献するのはなんとも恥ずべき事態だが、既にファミチキバンズをレジに持って行った上で「ファミチキください」と発言している私は無敵だった。

大きな山を乗り越え、意気揚々と帰宅する。

左上に少し見えるのが、例のバタークロワッサンメロンパン

さて、食べます。開封。意外と小さい。ファミチキと合わせて300円程度で、決して安くはない。
ファミチキを挟むためパンを開けてみる。

パンの間にタルタルソースが挟まっているとは聞いていたが、完全にパンと一体化しているようだ。量はそこそこあり不満はない。
そしていざ、挟んでみる。

皿を出すのは面倒だった

ハンバーガーっぽくなってきた。これは見た目も良い。
いざ実食。美味しい。が、美味しいのはファミチキが美味しいからである。
パンはパンの味しかしない。炭水化物を加えることでこれを食事たらしめているだけである。いや、ハンバーガーってそもそもそういうものか…
タルタルソースは味に合ってはいるが、そもそもファミチキは単体で食べることを想定して十分な味付けがされていることを考えると、味が喧嘩しているような印象も受ける。パンだけを売るのが忍びないから塗っているようなものと言わざるを得ない。同じパンコーナーに並んでいるコロッケバーガーの方が安上がりである。

ただ、ここまでの経験は私にとって大きなものを含んでいる。先に述べたような抵抗感を乗り越えた先に得たものだからだ。「ファミチキ単体でよかった」という結論も、一度買って食べるという経路を辿らなければ得られなかったものだ。味や品質を超えた体験価値の存在を実感した。


どうでもいい話だが、私が高校生の時、セブンイレブンの「揚げ鶏」が突如「ななチキ」とかいうダサくて口に出したくない名前に改名したのは、ファミチキが人々の間に定着し、安定的なヒット商品となったことに対抗したものだと思っている。結局私は京都への転居を機にファミマ派に転身した。最近は三井住友カードを作ったのでローソンに傾きつつあるが。


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