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経営者は一日をがんばることで精一杯、でも未来を考える時間も必要ですね

経営者の方の月商が100万円や1,000万円であっても、自分は経営者だという自覚は同じです。しかし、人の上に立つ経営者という立場の人はみんな立派な人間かというと必ずしもそうではありません。

おおかたの経営者の方は、赤字経営を黒字方向に変えるところまでがんばります。そして採算分岐点売上高(固定経費を支払える売上高)を超えて、すべての支払いをクリアできるキャッシュフロー分岐点売上(固定経費・消費税・借入返済・社会保険料1/2負担分)の手前のところまでは何とかがんばります。

コンサル目線で考えると、もう一息がんばれば完全黒字経営ですねと思うのに、ここががんばりの限界点になる経営者の方が実に多いのです。実に人間らしいのですが。

火の車を脱すれば一安心

何度か経験がありますが、毎月100万円、200万円とお金が足りずに、支払の一部を翌月に回していた会社を2年かかって改善した時に、もうがんばりはここまでですと言われたことがあります。(がんばりにも限界が・・・)

今がゴールでなく、完全黒字を実現できてこそゴールじゃないですか?と私が聞くと、「支払いに足りないお金が月に10万円~20万円だし、銀行も数百万円ほど毎年貸してくれるから安心できるから」という答えが返ってきました。・・・事実上の黒字にはなっていませんよ、と私は言いました。

銀行は麻薬の売人で経営者は常習者と同じ関係

お世話になっている銀行さんを悪く言う気はありませんが、この状況を傍目で見ると、毎年1回金利のつくお金(本当は前年の返済金が貸し出しの元金になる)を数百万円単位で借りてくれて、しかも焦げ付きも遅延もない客先は銀行にとって、これほど美味しいお客さまはいません。

まさに売人と常習者の関係です。毎年生き延びている会社ですが、負債は一向に減りません。減るような仕組み作りまでできていません。

今日の現場仕事が好きな経営者は、明日という未来を考えると頭が痛くなる

これは今まで数人の経営者の方から聞いた言葉です。経営者の方も人間ですから、好きなことをするのは苦になりません。が、勉強が嫌い考えるのが苦手という方は、これから先をできるだけ考えないようにします。

★考える時間を持とうとしない 苦手は避ける
★これから先を考える改革案を出しても本気で取り組まない
★経営数字が頭に入っていない 試算表は収支だけしか見ていない
★事業承継は自分の限界を感じてから考える 本当は手遅れ
★銀行も支援機関ももう賞味期限切れに近いですよとは言わないから自分ではまだできると信じている

こんな実態があります。実に人間らしいでしょ。経営者の方も本当に人間的です。こんな調子でも、生き残る会社と潰れる会社に分かれます。そのあたりはもう運としか言いようがないかもしれません。

事業承継は限界までがんばってから引き渡す

ワンマン経営の方の多くは、60代の時は70歳で渡すと言い、70代になると75歳で渡すと言い、やがては80歳になるまで引きずります。

社長という居心地の良いイスは、素直には渡しません。株主総会や家族会議で決定しない限り、体力、気力、能力の限界まで続ける方が実に多いのです。

私が見る限り、受け渡される後継者の方の年齢が45歳までの方が、渡す側も渡される側も双方ともリスクが少ないと考えます。

50代になってあと10年しっかり頑張れと言われても家康の後の秀忠みたいになります。会長職になってもいろいろ口出しされれば、改革のなすすべもありません。

友人コンサルの方は今の経営者は頑張らないと言います

ほんとうはこうではいけないですね。ますます後を引き継ぐ後継者の方が被害者になりかねません。

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