ミニトリプル丼

たべものコンサル日記④ 本物の神話で名物店が誕生!10年経ったら見直しを!

僻地の小さな食堂が大変身
大分県の南部に位置する佐伯市からまた車で20分ほどの海沿いの町に地域の人や釣り人が利用する小さな食堂がありました。
もう10年余り前のことですが、当時このお店では大分名物のとり天定食やりゅうきゅう丼を売っていたかと思います。

地域の飲食店支援で売上アップの応援に伺ったときに、ご主人がしらす漁師をされていて、奥さんが食堂をされていたお店と知りました。

お話を伺う中で、このお店は持っている条件がすごい!と思い、

「ご主人がしらすを獲って、その新鮮なしらすを使ったしらす料理店に特化したお店にしたらよいのではありませんか?!」

と問いかけて、魚の町佐伯市の中のしらす料理専門店が2か月後に誕生しました。
1、本物の神話をアピールできる~ご夫婦のきずなのしらす料理
  でっち上げでもなく、本物のしらす漁師のご主人とその獲ったしらすを
  使って奥さんがしらすの料理を出すというストーリーが生まれました。
  しらすの生(キラキラして細いガラス細工の様)、しらすの蒸したもの
  (蒸したしらすはふわふわして美味しい)、しらすのかき揚げ、さらに
  最近はしらすコロッケが店内でもテイクアウトでも売れているというこ
  とでした。

  当時は、大分県内にしらす料理専門店は1店もなく、おそらく九州全域
  でもレアな存在だったと思います。
  しばらくたって、長崎から何百kmもバイクで走ってしらす丼食べに
  来ましたよ!と聞いて やったー!と思いました。


2、10年経ったら、これから課題もでてきます
  今でも地域で抜群の人気店で貴重な成功例のお店であることは間違いありません。

  10年以上にわたる長期の飲食店経営は、例えていうと人間の体と同じで
  どんなに努力していても、視力が落ちたり乱視が入るたびに眼鏡の
  レンズを取り換えたりします。それと同じことを飲食店の維持と成長を
  持続させるためにある種の変更、修正、見直しが必要と思います。
  

  客層も変化したり、好まれる味の変化もあるでしょうし、食材の購入
  価格も変わるし、マーケットの変化に連動してニーズも変化します。

  自分のお店が10年経ったら見直しをしよう
  <一般論を述べます、このお店のことではありません>

  ①客層の変化はありませんか?
   全体としては、すごく緩やかに外食人口の高齢化が起こっています。
   そうすると、濃い味が少し薄くなり、少し多めのボリュームが良い
   人が普通のボリュームで良くなったりします。

   客層の変化に対応した料理作りが繁盛の継続に寄与します。

   若い女性層が増えたり、高齢女性グループが増えたり、高齢者
   カップルが増えたり、ファミリー層が増えたり、地元客の増減や
   観光客の増減もあります。

   売る商品内容も価格も味わいも少しずつ変わってきます。

   ◇中心客層(メインターゲット)の再設定をする
  

  ②平均客単価の変化はありませんか?
   過去2年間位の”月間平均客単価”を調べてみると、利用しているお客様
   の価格に対する心理が反映されていることがわかります。
   平均客単価が上がってきている場合はそれなりに良いのですが、
   下がってきている場合は、お客様の価格感とお店のメニューの価格
   設定や料理の完成度、新メニューの有無への満足感と支払う価格と
   のギャップが平均客単価の下降や来店人数の減少につながります。
   お店の成長の為に手段を講じるべきと思います。

   ◇再度、平均客単価(月間)がいくらあればよいかを再設定する

   一般的には地域ニーズの許容範囲内での値上げには利用客がついてきますが、それ以上の価格の引き上げを行った場合は、客単価アップ+客数減を起こして、結局は、月商の減少を自ら招くことになります。

  ③来店人数の変化はありませんか?   来店人数はやはり大事な指標です。   月間売上高=平均客単価×来店人数 ですから。   私は長年、平均客単価を引き上げるよりも来店人数を引上げて売上作りを行い、経営を安定させるように努めてきました。  消費税が上がって1年間は価格の割高感は残ります。例えば、限定のこの料理はお得なこの価格でいいですよ。。。という価格に対する圧力のガス抜きメニューがあると、他のメニューが少し高くても大丈夫と思います。せめて、2020年の今年いっぱいは利用するお客様の価格感を消費者目線で勘案しながら価格設定していただければと思います。先ほどのテレビで、ダウ平均株価が17,000円を切ったというニュースを聞きながらこの投稿を作っています。飲食業は アメーバ業態であり、不死鳥であり、どんな時代でも変化して生き残るすべを持っています。売る価格の上げ下げは気温と同じでどうにでもなります。要は消費者の支持がある店かどうかにかかっていると思います。読者の方の参考になれば幸いです。では、次回5稿の投稿でお会いしましょう!    


  

  
   

  

  

飲食コンサルタント業30年の経験を通じてお知らせしたいこと、感じたこと、知っていること、専門的なことを投稿しています。 ご覧になった方のヒントになったり、少しでも元気を感じて今日一日幸せに過ごせたらいいなと思います!よろしければサポート・サークル参加よろしくお願いします