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飲食店未来学68:売れるが稼げなくなった料理の活かし方3つの方法

ほんの数年前までは、よく売れてよく稼いでくれた料理でも、食材の値上げや作る手間がかかり人件費がかかるために、利益が目減りすることは多々あります。そのような時に、打つ手は4つ。ひとつはその料理をやめてしまうこと。では、活かす方法は何があるか。ここでその方法を説明します。


オードリー7作成

対策1:値上げ(価格転嫁)

昨今の値上げが起こる際の値上げ率を見ると、一昨年は5%~7%目安。昨年は8%~12%と10%前後が目立つ。今年は、12%~15%の価格転嫁が行われています。食材費の高騰、従業員の給与を引き上げるため、水光費の高騰に対する価格転嫁です。

「値上失敗の法則」がある

まったく値上げ前と同じ商品のまま、価格だけを上げる
このやり方はかなり危険です。値上げの分だけお客さまが辛抱するだけ。
オーダー数が減らない程度の値上げであれば恩恵が少ないし、大きく値上げをすれば、10%以上のオーダー数の減少が起こる可能性がある。

「成功する値上げの法則」がある

魅力を増した上でもっと高率の値上げをする
たとえば、食材の一部を多くする、別の食材を加えるなど、見栄えのアップや美味しさのアップを行う。これに30円~50円のコストをかけた上で、100円~200円と、かけたコストの3倍~4倍の売価の引上げを行うのです。

食品メーカーは、年間で20%の値上げを行う場合は、7%ずつ3回値上げできますが、選り好みを受ける飲食店では、1年に1回だけしか認められません。大きな世の中の経済的な理由があれば、小規模にもう一回許されます。
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詳しくはこちらをご覧ください。(オードリー7著)2023年11月発売。

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対策2:置きかえ(新たな上級商品に変える)

売れ筋の名物料理を値上げせず、また、違うものに変えるのではなく、同じ料理の範疇の料理をバージョンアップして新メニューとして登場させる。

売れている商品を値上げしたら売れなくなる場合
(売価の限界点を超える恐れが予測できる)

15%以上の値上げ価格で売れる必要がある場合
(既存商品よりも20%、30%以上商品力を増した新商品に置換える

売れ筋料理を抜本的に進化させたい
(売上も利益も大きく改善したい時)

対策3:生まれ変わり(別の商品に変える)

商品を打ち切りにする場合は、その料理の持つ味や技術を生かした別の商品に置きかえます。

食材が入手困難
●食材が高騰して使えなくなった
●値上げの限界を超える値上げが必要となった
●調理の手間や提供サービスの手間がかかり、人手不足の中では料理をあきらめるしかなくなった

このようなことが起こった時に打つ手立てです。

今年前半期で感じたことは、「食材の枯渇」が今後広がるということです。「食材の高騰」の後に来るのは枯渇。食材としての絶滅危惧種が出てくる時代になりつつあると思ってください。うな重やうな丼が正しくそうでしょう。

売上減でも高い価格でも売れる商品づくりが望まれます。生きることは戦うこと。戦いそして勝つことです。人との争いではありません。難しさを克服する戦いです。


(了)



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