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飲食店未来学42:飲食店開業を甘く見ると1年で大失敗する理由とは

飲食店を初めて開業される方の考えが、
○飲食店の開業は簡単となめてかかる
○店さえ開業すれば儲かるから何とかなると信じ込む
○下積みのキャリアがなくても大丈夫と思い込む
○自分の店だから自分の好きなようにできると考える
○開業さえすれば、後から手を打っても間に合う
〇運転資金がなくても日銭が入るから必要ない
〇メニューは開業前に短期間で間に合わせればいい
確かにこれらをしなくても、幸運にも何とかなっている人は確かにいます。しかしそれは、とても稀な数少ない幸運な人達です。

Amazonキンドル本「開業が決まったら最初に読む本」オードリー7著より

  ひとつひとつ検証してみましょう。
これらは全部、お店を短期間で閉めてしまった人たちのことばです。

🍓飲食店の開業は簡単となめてかかる

 確かに動機とお金をかければ、飲食店という「箱」は出来上がります。
開業日を迎えることは、ある意味で簡単にできます。
 開業日以降は店舗のランニングコスト(食材費、人件費、光熱費、家賃など)がかかります。
 開業をなめてかかった人ほど、儲かるしくみをつくっていません
まったく無視しています。

 儲かるしくみの基本は、
●売れる価値のある商品づくり(商品力)
●お客様第一に行う接遇サービス力(サービス)
●居心地の良い客席空間づくり(クレンリネス・アトモスフィア)
がなければいけません。
 箱はできても、このしくみを無視すれば赤字ですぐに潰れます。

 そして今、十分に利益がとれる価格の商品で売れる魅力がないと
経営を継続する力はありません。(売れて稼げる看板商品が必要)

🍓店さえ開業すれば儲かるから何とかなると
 信じ込む

  もう30年も40年も前の時代であれば、開業したお店はすべて黒字経営でした。理由は、飲食店の店舗数が今の4分の一以下でしたから。
 飲食店の開業は、単純に計算しても、5年おき、10年おきに、成功のハードルは高くなっています。
 しかし開業コンサルタントを頼る人は今でも少数です。
自分でお金をかけて好きなように作り込むことが楽しいからです。
好きなことをするために、いろいろ制約をつけたくないからですね。
でも、このちょっとした数か月のワガママのために、何百万円、何千万円を投資しても後悔しませんか?

 確かに日銭(日々の売上金)は入りますが、収支が黒字になるほどの売上にはなかなか届きません。開業慣れした飲食店主の方でも、コンサルの仕事は多くあります。開業経験が多くある人でもなかなかうまくゆかない今日この頃です。(大手の飲食グループもあちこち失敗していますね)

🍓下積みのキャリアがなくても大丈夫と
 思い込む

 今時は、開業業態の習得がなくても開業できます、が主流です。
ほんとうに、にわか仕立ての開業準備でうまくゆくでしょうか。
 ほんの20年~30年前までは、一つの業種で3年~5年間、もしくは10年間
ほど修行をして、成功ノウハウの半分以上を身につけた上で開業していました。
 それでも、料理は知っていても経営が下手、金融機関との交渉が下手で
うまくゆかないこともあるのです。
●調理技術を身につける
●開業業態独特のコツを身につける
●メニュー構成のしくみを学ぶ
●利益の取れるメニューづくりができる
●店舗づくりの良し悪しを学ぶ
 などがないまま、突き進むのですから、危険この上ありません。

🍓自分の店だから自分の好きなようにできる
 と考える

 ある焼鳥屋の息子さんがお好み焼き店を開業しました。15坪のお店で
よかったのに、2階で30坪で同じ家賃だからお得と言ってここに決めたそうです。(開業後に聞いた話)
 たったこの一つのことでも、店舗が広くなれば、内装費が上がります。
面積が2倍になると、管理するスタッフも2倍必要です。
さらに、1階立地の60%しか二階立地は集客できませんから、売上が低いのに、開業費用が膨らみ、ランニングコストもかさみます。

 このお店も提供システムのまずさもあり、閉店してしまったようです。
恐らくもう2度と違った業種の開業はしないと思います。

 自分のお店度100%ですから、好きなようにできますが、
成功不成功のどちらになっても、全責任は経営者にあります。

🍓開業さえすれば、あとから手を打っても
 間に合う

 具体的に項目を出すと、
●メニューづくりが中途半端のまま開業した
●食材の原価計算を正確には出さないままメニューを仕上げた
●とりあえず開業するためのキッチンやホールのしくみのままで営業する
 (これならいいね、の安心できるレベルまで作り込んでいない)
●地域販促の計画もないままに無販促で開店だけはした
●月間の食材比率が35%を超えているのに、もっと悪くなったら手を打とうと安直に判断すること

 実にいっぱいあります。

🍓運転資金がなくても日銭が入るから必要
 ない

 日銭が入るから運転資金は必要ないと思う方は今でもいます。
赤字のお店では、余分に使えるお金は1円もありません。支払日には、謝金しないと払えない状態です。
 レジにあるお金は、そこにあっても手をつけられません。
●消費税を使い込む
●社会保険料の預かり分を使い込む
●売上金を使い込む
 もう倒産間違いなしの限界値は、1月の売上のうちの10日分を使い込む
重体患者と同じレベルです。
倒産時には、不払いだらけになり、そこに住めなくなりますね。

🍓メニューは開業前に短期間で間に合わせ
 ればいい

 実に安易な考えです。
楽しくわくわくする添付づくりを優先しますから、面倒で難しいメニュー
づくりは後回しです。

 しかし考えてみてください。
開業後は、メニューが一番大切だったと気が付きます。

●売上・・・・・メニューが人気だと売上が上がります。
●利益・・・・・価格のつけ方で利益が増えます。
●経営継続・・・メニューの魅力や良し悪しが運命を分けます。
 メニューはそのお店の運命を分ける一番貴重な武器なのです。

 この考えが実に都合の良い言い訳だとわかりますね。
この方のお店も潰れてしまいました。

数々の空き店舗はこうして生まれています。

失敗しない開業の参考になれば幸いです。

参考本 オードリー7著書(kindle本)

私の参加している共同マガジンです。

よろしければご参加ください。

これから先の飲食店の完全復活のために尽力します!

(了)


飲食コンサルタント業30年の経験を通じてお知らせしたいこと、感じたこと、知っていること、専門的なことを投稿しています。 ご覧になった方のヒントになったり、少しでも元気を感じて今日一日幸せに過ごせたらいいなと思います!よろしければサポート・サークル参加よろしくお願いします