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飲食店未来学17:回転寿しの商品力のあるネタを提供できる4つの売価と将来性について

 いま回転寿し業態は大きな転機を迎えています。
私が見たところの私見です。

🥭寿し業界は3つの運命の道がある

●海外進出の回転寿し店

 100円寿しの呪縛がないため日本の価格の3倍~5倍で売っている。
ヘルシーな日本のにぎり寿し、アレンジ寿しが自国で食べられる
メリットがあるため、日本の寿し企業もここでは稼げている。

商品確保と供給ができれば将来性はかなりある
 (和食志向、ヘルシー志向)

●国内の価格上位の寿し店

 日本全国に、回転寿し、回転しない立ちの大衆寿しがあり、
1皿2貫200円~寿しセット・寿し膳の高級クラスまであります。
まがい物のネタを使わずに、正規の売価で売っている
お客さまの信頼を得られる「商取引」が成立している。
ローカルの小規模~中規模だから、地元で獲れる供給量で大丈夫。

売上を追って規模を拡大すると売上は上がるが利益は減少する
 適正規模で最大売上、最大利益が一番良い。

●国内の価格下位の全国チェーンの寿し店

★全国で賄うほどの物量がそろわない~地域やお店でバラバラの品質。
★もと100円寿しの呪縛があり、115円や120円の皿をなくせない
 (*これが業績悪化と無理なコストダウンを迫られる元凶) 

★セルフレジに代わりホール従業員を200席でも2名程度でカバー。
 早く提供するために、キッチンスタッフは現状より減らせない。
 スシローさんの赤シャリ転換チャレンジも撤回されて元に戻った。
 ネタの高騰をカバーする人件費の圧縮は、これ以上は無理。

不味い赤シャリは元の銀シャリに戻った
来店人数の多いお店の方が生ネタは優れているのを発見した。(今週)


★CKからの輸送費の負担がもっと大きくなる
 大分市のガソリン価格(近くのスタンド)は、187円でした。
秋には間違いなく200円になると、10月の値上げはすべての輸送費の高騰と
人件費の高騰で、凄いことになると思われます。

加速度的に、中国の景気後退と日本の景気後退が相乗的に強い影響を及ぼすかもしれないと懸念しています。

☛日本の大手の回転寿し業態は「完全に100円寿しの呪縛」を切り離すことができたところだけが、発展する未来を手に入れられると思います。


🥭私が思う4つの回転寿し1皿価格

●1皿2貫 180円(元イメージは税別150円~160円)
●1皿2貫 220円(    〃   200円)
●1皿2貫 280円(    〃   250円)
●1皿2貫 330円(    〃   300円)


 さすがに100円寿しから生まれた業態ですから、100円台がゼロという訳にはゆきません。
スシローさんでも、120円の皿がなくせないから、360円の皿を作りましたが、不評を買い260円の皿に変えて、再度定着する方向に変わっています。

180円の皿が最低価格になれば、
シャリ2貫で10円×2貫=20円、寿司ネタ2切25円×2切=50円
箸やワサビ、醤油(むらさき)などで25円 概算計95円
食材原価率 (ネタのコストで違うが)50%~53%あたり。 

ガリ(甘酢漬けの生姜)もなくなりましたから少しは楽です。

上記の4つの価格に変われば、経営も安定するので、赤字になるリスクは
寿司ネタの確保に絞られます。


🥭大手の回転寿しは地方の人気の大衆寿し店
 の商品力を見習うべきです

1,商品の供給力を無理しない程度にするために、同一食材の
  配送エリアを小さくする
     ➡地域ネタの導入が可能になる

2,最初に商品力を引き上げて、適正価格に変更する
    ➡全国規模そのものが破壊のしくみに変わる前に変える


3,その都度変わり過ぎる商品の品質を安定させる
    ➡価格が上がるのと引き換えに約束すること

4,もっと商品の見栄えに気を配る
    ➡総じて、スシローもくら寿しもはま寿司も
     巻物の巻き方は本当に雑で汚い巻き方です

5,自社が関わったサステナブルな生産手段を持つ
    ➡魚の養殖場に50%出資する
     自ら生産する~魚、肉、野菜


明日もまた美味しい回転寿しを食べたいですね。

(了)


 



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