飲食店未来学24:コンサルが一番役に立つのは自信が70%不安が30%の経営者だ
先日ちょっとした公的支援の仕事がありました。
大分市外のエリアから大分市の過密激戦地区である中心街に飲食店を出店
する支援です。
🌰相談相手は若き30代の自信家の経営者の方
一見してローカルエリアで事業を成功させ、自信を深めてきた自信家の方
であると、姿勢、話し方、目線から判断できました。
事業計画書の内容もほぼ完ぺきにできていた。
●出店現場を下見して、客層や人流を何時間も研究して体感を得ている。
●立地に比べて家賃条件が素晴らしく良い掘り出し物件。
●最小コストで出店コストを組み、代表1行と2つの金融機関合わせて3つの
金融機関からの融資でリスク分散と融資の受けやすさを組んでいた。
●売上は現在まで経営している地元の集客施設(観光系)の客単価と来店
人数を根拠にしている。
同行した支援者の方も、ここまできちんとした計画をつくる人は
めったにいませんというほどの出来栄えでした。
🌰相談相手を甘やかさない私は、
客単価と客数を「観光立地」でなく、
「生活立地」に置きかえて考えないと失敗すると説明した
相談相手の方は、自分の計画は完璧、自信も十分にあるという形で
攻めてきた。
有能な方であっても、80%~90%と自信があり過ぎると、
聞く耳を持たなくなり、
返って、気づかないまま、こちらの予測通りに失敗する
嘘みたいな信じがたいことでしょうが、
難易度の高い「飲食業の開業の成功率」は本当に低いのです。
生存率は2~3年後には50%、10年後には10%です。
<相談者の方と私の相違点>
●客単価
相談者 観光立地の客単価=街なか立地の客単価
私 観光立地の客単価>街中立地の客単価
●客数
相談者 観光立地の客数=街なか立地の客数
私 観光立地の客数<街中立地の客数
●料理のしくみ
相談者 定食スタイルがメイン
私 単品スタイルがメイン
●売上高
相談者 ランチ150万円 ディナー150万円 計300万円
私 ランチ100万円~120万円 ディナー 未知数
●メニューや客層に対する考え方
相談者 自分の経営する店舗と同じ状況を基に判断。
中高年齢の和食系イメージ。
私 30年間くらいの支援体験から判断。
老若男女すべて、サラリーマン中心の対応。
特に、お客さまが待ってくれるという前提のお客さま依存の
気持ちがある仕組みづくりは失敗しやすいと説明。
🌰もしこの相談者が、自信が50%~70%
だったら喜ばれる支援になっていただろう
このお店はこの経営者の思うように開業を行った後、
開業月のランチ売上は達成しても、それ以降は売上の伸び悩みと、
人件費増で利益が取れずらくなり赤字体質になりやすいと予測されます。
店舗の立地環境が大きく違えば、客層も客単価も売上も大きく変わります。
いくら有能であっても、
専門家の意見を聞き入れずに、
専門家に対して、自らの考えに同意するように仕向ける姿勢は
賛成できないのです
自信過剰は失敗の素。
大企業の飲食グループでも平気でこの失敗をしています。
だから私は、
自信のある比率が、50%~70%の人で、
支援者である専門家の話を聞く耳を持っていて、
その中に良い意見があれば取り入れてゆく人が一番成功する
と思うのです。
成功する人は、努力を含めた能力と人間性を持ち合わせた人ですね。
あなたはどう思われますか?
(了)
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