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飲食店未来学44:気がついた最近の飲食店の5つの変化

積極的に客単価アップ対策をとっている

・夜間の利用客の減少で客数増が見込めず売上が減少しているため
・食材の値上がりを吸収するため価格転嫁しているため
・従業員の時給を引き上げてスタッフ数を確保するため
以上のような理由で、中規模店以下のお店を中心に客単価アップ対策をとっているお店が増えています。

一番大きい流れは売上減少時代対策としての客数増<客単価アップなのです。

大規模チェーン店や大型店舗はこぞって、デフレ時代のような値引き販売を実施していますが、無策の極みだと思います。やがてはもっと首が絞まります。昭和から平成・令和と続いたビジネスモデルが機能しなくなっていると気づくべきでしょう。

単品商品の売価1,000円越えが増えている

平均客単価1,000円を簡単に実現できるのは、単品だけで1000円超えで売ることです。高級食材を使う、ボリュームアップ、盛付けが豪華など商品の設定は様々ですが、一目で「この価格は商品力とバランスがとれているでしょ」と思わせる新商品が増えています。

ただしこの方法はリスクも大きく、当たりはずれが多くなります。本当に価値あるもの、この飲食の世界になくてはならないもの以外は時間とともに淘汰されます。

差別化目的の個性的な味が増えている

小さなお店を経営するとわかりますが、人口が少ない街で開業した場合、より多くの売上を得るために2つの方法のどちらかを行います。

ひとつは大衆的な味でより多くの違う客層を集める。もうひとつは他店との差別化を優先させて一部の人しか利用しないような味の商品を前面に出すという方法です。

最近はこの差別化を前面に出した味づくり、商品づくりが活発です。経営者さんの心理的には、コロナ前の売上に20%足りないことへの焦りが大きく影響しています。

これは恐らく効果を発揮しません。売上を元に戻すという発想では、経費構造や利益構造を変えることができないからです。もうしくみを変えることでしか、生き残られなくなってきたと考えるべきと思います。それが2024年の時代が変わる年の定めです。


新たな原価下げアイデアが出てきている

先日あちこちのメニューを見ていて感心したことがありました。
かけえび天うどんというメニューです。商品はかけうどんにえび天が一尾。

かけうどんにえび天1本 700円(税込) 実にシンプルです


スシローさんの海老天の形 えび2本、蒲鉾、ゴマ、ネギ入り ほぼ基本形です

通常の海老天のサイズでしたら、売価は750円~980円程度。海老の大きさや本数で売価が違います。しかし、かけえび天うどんは素うどん、海老天1尾以外は何も乗っていません。

今からの商品開発には、余分を省いたシンプルな盛付けでも価格に見合った商品、欲求を満たすけれど、支払う金額は許容範囲という消費者心理との絶妙な間合いを読んだ商品づくりが必要とされます。


人件費のかからないしくみの開業が増えている

・ワンオペで営業する
・家族経営で開業する
・短時間営業×ランチ、短時間営業×ディナーをする

などの工夫をして人件費を引き上げても負担の軽減もセットで行うお店が増えています。

そのほか高額家賃の店舗を止めて移転する。店舗規模を小さくするなどの対策をとっているお店があります。生き残るため、利益を増やすための戦いはますます加速しています

(了)


飲食コンサルタント業30年の経験を通じてお知らせしたいこと、感じたこと、知っていること、専門的なことを投稿しています。 ご覧になった方のヒントになったり、少しでも元気を感じて今日一日幸せに過ごせたらいいなと思います!よろしければサポート・サークル参加よろしくお願いします