わかさと

NPO法人わっしょい・ふる里代表理事。 放課後等デイサービス「わっしょい ふる里」を運…

わかさと

NPO法人わっしょい・ふる里代表理事。 放課後等デイサービス「わっしょい ふる里」を運営しています。 発達障がいの子どもたちと日々接しながら、本を読み、文章を書いていきます。

最近の記事

詩 みらい

子どもたちが成長し、思春期に入ってくると、性の問題に突き当たります。 性の問題は難しい。 なるべく近づけさせない。という考え方もあるようです。 「性」は、誰しもの「生」の根幹である。という人もいます。 後者を支持しますが、だからといって、どのように関わっていくのが良いのか、正直、わかりません。(でも、考え続けます) そのわからない、を詩にしてみました。 みくのミライ 未来のみらい みらいの未来 あたしには ミライがある あたりまえじゃないのさ 21ばんめの染

    • 詩 母を噛む

      母を噛む 母を殴ることは出来なかった それで足蹴にした なぜか振り上げたコブシが今も痛む 焼けもシミもなかった幼い拳 しわが目立つ今でも痛む 君は母の頬を嚙んだそうな 特別支援高校卒業後の未来を 理詰めで言い立てられ こちら側に言葉の弾がない ASDだから噛んだのではなく ゲバルトの手段がもとより君にはない それでも 君は母に突進して 押し倒し  強く  強く  母の頬を噛んだ いっそ 食べてしまいたかったのかな 母を 愛するが故に ねえ君 サン・テグジュペリ

      • 詩 合格発表

        今年の春のこと。 特別支援学校高等部の受験と、その合格発表がありました。 そのときのことを、詩にしてみました。        合格発表 今年の受験者はいつもより多く五人だ。 一人の男子が、面接試験の内情を嬉しそうに明かした。 曰く、  校長 君はこの高校に入って学びたいと思っているかい。 生徒 はい。もちろん思ってます! 校長 よし。合格。 後日、生徒たちは合格発表を見に出かけて行く。 少しだけ着飾った母親を伴って。 都立の特別支援教育を卒業し、 都立の特別支援高

        • ことばはつらいよ

          ことばが辛くなっている。日々、そう感じている。 あまりに辛く、悲しくて、だいじなことばを、使い古した革のトランクに詰め込み、ふらり「あばよ」と、立ち去りたくなる。 でもどこへ? ことばを連れて、どこへ旅立てばよいのだろう。 2013年から19年まで、株式会社が経営する放課後等デイサービスで、一介の支援員として働いた。四十代半ば、3・11の混乱のあと、もの書きへの道を半ば断念せざるを得ず、二度目の離婚も経験した。そんな時期だった。 それでも、ことばはまだ辛くなかった。 挫

        詩 みらい

          失われた時を求めて

          内田樹の本、『街場の芸術論』を読んでいて、ふと立ち止まりたくなる文章がありました。この本の第三章、宮崎駿の『風立ちぬ』について書かれたものの最後の部分です。 宮崎は主人公の造形について、こう書いている。『私達の主人公二郎が飛行機設計にたずさわった時代は、日本帝国が破滅にむかってつき進み、ついに崩壊する過程であった。しかし、この映画は戦争を糾弾しようというものではない。ゼロ戦の優秀さで日本の若者を鼓舞しようというものでもない。本当は民間機を作りたかったなどとかばう心算もない』

          失われた時を求めて

          三位一体な、わっしょい・ふる里計画

          辞書によると三位一体とは、 『キリスト教の用語で、父である神と、神の子であるイエス・キリストと、聖霊の三つは一体のものであり、この三者は、唯一の神がそれぞれの姿で現れたものだという説。転じて、別々の三つが、一つのものとして分かちがたく結びついていることや、三者が一致協力すること』 とあります。 「別々の三つ」が「分かちがたく結びついている」ことが重要です。 わっしょい・ふる里の場合、別々の三つとは、 1 わっしょいに通う子どもたち(いずれ18歳の就労年齢を迎える)

          三位一体な、わっしょい・ふる里計画

          一年が経ちました。

          放課後等デイサービス「わっしょい・ふる里」を立ち上げ、一年が経ちました。そこで、スタッフのみんなに向けて、文章を書きました。いまいちど、原点に立ち返りたかったからです。 こんな文章です。       ★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★ 一年間ありがとうございました。 おかげさまで、この一年を乗り切ることが出来ました。最初から最後までコロナ禍のなか、無事何事もなく、それどころかわっしょい大盛況のまま初年度を終えられたのは、世辞や建前ではなく、本当にスタッフのみなさ

          一年が経ちました。

          忘れられないこと

          NPO法人を立ち上げようとしてた頃、忘れられない出来事がありました。 長くいっしょに働いてきた女性スタッフのMさんが、まだ30代半ばの若さで亡くなってしまったのです。大腸がんステージ4と診断されて、わずか一年あまりで、天に召されてしまいました。 猛暑続きの夏が終わらず、9月に入ってもまとわりつく湿気と熱気に悩まされていた、2019年9月30日のことでした。 その一ヶ月ほど前、入院していた墨東病院で、書き上げたばかりのNPO法人設立趣旨文を、ベッドの上のMさんに渡しました

          忘れられないこと

          特定非営利活動法人(NPO法人)設立わしょい・ふる里設立趣意文

          2019年11月にNPO法人が出来たばかり、と書きましたが、設立時、じゃっかんの紆余曲折や、忘れることの出来ない場面がありました。 まずは、『法人格を取るのにどうしてNPO法人なの? 会社形式の方が取得は早いし、だいいち、なんでNPO??』 という意見が、周囲からかなりの頻度で漏れ聞こえてきたこと。 NPO法人やボランティア活動に対するアレルギー反応、嫌悪感、みたいなものがこの世に存在することに、驚きと戸惑いを感じました。 NPO(特定非営利活動法人)は、いうまでもな

          特定非営利活動法人(NPO法人)設立わしょい・ふる里設立趣意文

          なぜ、子どもたちと、畑で野菜を育てるのか。

          さて。 書きたいことはたくさんありますが、すでに写真で畑の風景や、自身のアイコンにも野菜を持ってドヤ顔、が出ているので、この説明からしなければなりませんね。 放課後等デイサービス「わっしょい ふる里」は、月に2回から4回、郊外にある畑に出かけ、四季折々の野菜を育てています。収穫した野菜は、その場でサラダにして食べたり、持ち帰って教室で調理してみんなで食べたり、各家庭に「お土産」として渡したりしています。 この活動は、前職時代からもう2年以上続けているもので、「わっしょい

          なぜ、子どもたちと、畑で野菜を育てるのか。

          明けまして、初めまして。「わっしょい・ふる里」代表の「わかさと」です。

          2021年元旦よりnoteを始めることにしました。 東京都江東区森下にある、放課後等デイサービス「わっしょい ふる里」を運営する、NPO法人「わっしょい・ふる里」代表理事の「わかさと」と申します。 NPOも放デイも、同じ名前でややこしくてすんません。今は、放デイ教室ひとつだけを運営していますが、いずれ近い未来に、千葉あたりで就労支援農園を、江東区森下で「子どもオトナ食堂」を開きたいと考えています。 とはいえ、放課後等デイサービス(長いので放デイと略します)は、昨年202

          明けまして、初めまして。「わっしょい・ふる里」代表の「わかさと」です。