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英語で海外と仕事をするということ

今回の記事では日常的に英語を使って仕事をすることの大変さ、やりがいについて書いていこうと思います。

僕はプラントエンジニアリング会社で日々、専門用語満載の分厚い英文契約書、世界中にに散らばるメンバーたちとの会議、技術仕様書などを扱っています。
最近は実際に顧客とコミュニケーションをさせてもらうことも増えてきました。
堂々と、はっきりとした受け答えをして顧客の信頼を勝ち取っていければと思います。

プラントエンジニアリング業界に就職して思ったことは、こんなに英語を使う機会が多いのか!ということ。
17歳の夏に修学旅行でマレーシアとシンガポールに行って以来、憧れていた職業を今まさにしています。

しかし、入社時の英語はTOEIC795点ほど。
これはあくまでもテストの点数に過ぎず、本番の場面で英語を使ったことはほとんどない。
まだまだ実際に英語を話してみると、文法がおかしかったり、正確に聞き取れなかったり、実戦経験が足りていないです。

周りの先輩たちを見回すとTOEIC800点以上は当たり前、英検1級を持っていたり、アメリカへMBAを取得しに留学した人までいる。
それにプラスして実務経験もある。

入社1ヶ月目:初めて英語の会議に出席する

僕は初めて英語の会議に参加したときは、自分が自己紹介をして以降の会議の内容は全く覚えていなかった。
プロジェクトに新人として途中から入ったこともあり、前後関係も、その背景の知識もなかった。

一方で先輩は会議を取り仕切りながら自分のパソコンで議事録を書いている。
たぶん脳が2つ以上あるのだろう。

入社2ヶ月目:本物の英文契約書に触れる

ある日、先輩指導員の方から、過去のプロジェクトで締結された実際の英文契約書を勉強用にもらった。
プラントエンジニアリング業界はプロジェクトの規模も期間も普通の会社とは比べ物にならない。
何十億、何百億円もするようなプラントを数年単位で完成させていく。

為替変動リスク、地政学リスク、海難事故、海外現場でのトラブル、サブコンの信用リスク、損害賠償リスクなど、海外プロジェクトには様々なリスクがつきものだ。

それには先輩が担当しいるような規模の大きな案件(何百億円規模)であろうが、新人の僕がやるような小さな案件(数千万~1億円以下)でも契約書で見るべきはだいたい同じだ。
当然大きな案件ほど、リスクが大きいために注目度は高いが、例え小さな案件でも会社の信用、損害賠償リスクがあるため、契約書には細部まで目を通す。

英文契約書は
1.全体総則(各種用語の定義)
2.権利・義務・職掌範囲(Scope)の設定
3.売買契約
4.秘密保持契約
5.義務の履行と義務違反
6.品質保証の取り決め
7.補償・免責事項・救済措置
8. 顧客側に求められる義務
9.契約解除
10.準拠法(多くの場合は第3国)と紛争解決手段
11.マイルストーンごとの支払い金額
(参考文献:『初めてでも読みこなせる英文契約書』本郷貴裕著)

といった構成からなり、膨大な項目数になる。
また、言った言わないのリスクを避けるために、「AAがBBに対してOOを行う」のような、これいらないだろと思うようなことまでも文章にして明確にしていく。

初めて手渡された時は、この契約書は本当に拘束力があるのか?どこに自社のリスクがひそんでいるのか?とちんぷんかんぷんだった。
先輩曰く、100ページに及ぶ英文契約書を半日で読み込んで、条文に潜む自社のリスクを顧客担当者と議論できるようになったら一人前だそうだ。

僕はそれから、この英文契約書を何度も読み返し、市販の英文テキスト、自社の法務担当者向けテキストなどを読んで語彙・読解・表現・リスク発見・構造把握力など英文契約書を読むのに必要な知識を学ぼうとした。

これはなかなかの修行(苦行)だったが、1ヶ月立つと意外にもスラスラ読めるようになってきた。
ある日、大ベテランの先輩が言っていた「英文契約書って難しく見えるけど、使われている表現や単語はだいたい同じようなもの、ひたすら慣れだよ」と。

とにかく慣れろ!

僕の周りの先輩社員たちは全員口をそろえて「実践が一番大事だ」といっていた。
実際に最近読んだ日経新聞にも似たようなことが書いてあったはず。
アメリカのシンクタンクがまとめた調査によると、リーダーシップや社会人としての能力アップに与える項目の7割が実戦経験、2割が先輩社員たちからの薫陶、残り1割が座学を始めとした研修なんだそうだ。

僕はまだ社会人になったばかりで、とても会社に貢献できているとは言えない。
早く実戦経験を積んで実力を付けたい。
しかし、会社の事業内容は難易度が高いために、基礎知識や業務フロー、ソフトスキルがまだ足りていない段階では多くの打席に立つことが難しい。

それでも、先輩が出席する会議に同席したり、小さな仕事でも早く新人なりの付加価値を出して返したり、少しずつでも打席に立つ機会を増やしたいと思う。

道のりは長いが、その先に自分が憧れている海外の現場で地図に残るような仕事ができるようになるかもしれないから。

英語を使い、海外とプロジェクトを進めることは想像以上に難しい。
だからこそやりがいのある仕事だと思う。

今日はここまで。

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